≪3000倍に拡大された自分のお口の細菌をみれば…≫

  お口の中、特に歯垢には300種類とも400種類とも言われる細菌、真菌が存在します。
  3000倍に拡大された歯垢の中は、ものすごくにぎやかな世界です。
  不潔な口腔内では、原虫である口腔トリコマナスや歯肉アメーバーなどが細菌を貪食している様子もしばしばみられます。
  当然明らかな歯周病の状態を呈することもありますが、ほとんどの人には自覚症状がないのです。
  口臭はあっても嗅覚の特異性で自ら気付くのはむずかしく、日常生活に何も問題がないため本人はまったく無関心でいることのほうが多いのです。
  私は毎日歯垢の細菌を顕微鏡で観察しておりますが、それを必ずご本人に確認していただきます。
  自分のお口の中から微量に取られた歯垢の中で激しく動き回る細菌、特にくねくねとうごめくラセン菌(スピロヘータ)を見ればどなたでも驚きを隠せません。
  スピロヘータの仲間のトリポネーマパリドゥムは重篤な感染症である梅毒の原因菌であり、ご存知の方も多いと思います。
  またスピロヘータはとてもデリケートな細菌で培養が難しいといわれます。したがって、これが歯垢の中で活発に動き回っているようであれば、いま歯周病の症状がなくても要注意と考えて間違いないと思います


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