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 胃瘻からの栄養投与の方法
投与前  
上半身を起こす
栄養剤を注入する前に、必ず上半身を30度から90度に起こして、注入のための姿勢を整えます。
可能ならば、座った状態(90度)が望ましい状態です。

寝たままで注入すると、胃に注入するされた栄養剤が逆流して気管に入り、肺炎を起こすことがあります。

痰がゴロゴロしている時は、注入の前に痰を取っておきましょう。
クレンメの開閉を確認する
チューブの途中にあるクレンメが閉まっていることを確認しましょう。
容器に栄養剤を入れる
注入容器(栄養剤を入れるバッグ又はボトル等)に栄養剤をいれます。
移し変えのいらないバッグタイプの栄養剤もあります。
チューブを接続する
注入容器のチューブと接続チューブ、胃ろうカテーテルを、しっかりつなぎます。
栄養剤の注入口以外はキャップを閉めておきます。
投与中  
注入時間を調整する

クレンメを開けると栄養剤の注入がはじまります。

クレンメで注入速度を調整しましょう。

時計の秒針の速さを目安にして滴数を合わせてください。

速くなったり、止まったりすることがあるので、時々確認しましょう。注入速度に気をつけ、200mlを約1時間位の目安で注入します。

必要に応じてポンプを利用する場合もあります。
薬を注入する
薬を注入する前には40℃くらいのお湯を注射器に取り、カテーテルに流して栄養剤が残らないようにしておきます。
薬は40℃くらいのお湯約20mlで完全に溶かし、栄養投与が終了するまでには、用意しておきましょう。
溶いた薬を専用の注射器に吸い上げ、小さい注入口から注入します。

お薬をチューブ内に残さないために、お薬の注入が終わったら、専用の注射器で20~30mlのぬるま湯を注入します。

水分を補給する
クレンメが閉じていることを確認して、注入容器に指示された量の水分を入れます。
クレンメを開けると、注入が開始されます。
栄養剤の時と同じように注入速度を調節し、指示された注入速度を必ず守ってください。
投与後  
チューブを外す

注入が終わったら、再度、40℃くらいのお湯約20mlを注射器に取り、注入して胃ろうカテーテルを洗浄します。

注入容器と胃ろうカテーテルからチューブを外し(ボタン型胃ろうの場合は、接続チューブも外します)、キャップを閉めます。

チューブ型カテーテルの場合は、専用のクリーニングブラシで一週間に一度はチューブの内側も洗うようにしましょう。

しばらく上半身を起こしたままにしておく

食事が終わったら30分~1時間くらいは食道への逆流を防ぐためにベッドは上げたままにし、上半身を起こしておいてください。

容器と接続チューブを洗浄する
注入容器と接続チューブを熱湯に10分程度浸けてから、よく洗いましょう。
バッグの場合は、手で揉むように洗います。
汚れがひどい場合は、食器洗い用の洗剤を使用し、良くすすぎます。
一日の最後は消毒薬(キッチンハイターやミルトンなどを希釈した液)に約30分~1時間位浸します。その後、水道水で洗浄し、よく水を切って自然乾燥させて除菌を心掛けましょう。

水分、塩分補給の注意点

水分の補給

私たちの体にとって、水分はとても大切です、食事と食事の間にお茶や湯ざまし、スポーツドリンクなどで水分を補給しましょう。ご家族の作られた味噌汁の上澄みや果汁なども利用できますが、注入の際は固形物や固まりで接続チューブや胃ろうカテーテルが詰まらないように、こし器やガーゼなどで十分こしてから注入することが大切です。

   
塩分の補給

塩分は栄養剤に含まれている量で十分な場合や、一日必要量の塩分が薬と一緒に処方してある場合は、必要ありません。

栄養剤だけでは塩分が不足する場合には、補給が必要です。

塩分は栄養剤と一緒に注入すると栄養剤の成分が変化して詰まりの原因になりますので、気をつけましょう。