HOME > トラブル&ケア > おなかと飲み込みのトラブル
症状
●便が硬くなかなか出ない
●おなかが張って痛がったり、吐いたりする

原因
●水分不足
●運動不足
●加齢や運動量の低下などにより、腸の働きが弱くなっている



対処法
本人やご家庭で出来る処置
●水分不足の場合は水分量を増やします。
●時計回りにおなかのマッサージをしてみましょう。
●歩ける方は、日中、適度に散歩などをして体を動かしてみましょう。
●栄養剤をいつもより速めに落としてみるのも一つの方法です。
●食物繊維、オリゴ糖、乳酸菌などをとることで腸の働きが活発になることもあります。
●摘便をすることもあります。
医師や看護師が行う処置
●適切な便秘薬を使って便通コントロールをします。
●栄養剤の種類や水分量を検討し、ご家族に指導します。
●摘便をすることもあります。


症状
●水様便がひん回に出る

原因
●長期にわたって静脈栄養を行い、腸の働きが低下している
●栄養剤の濃度が不適切
●栄養剤の温度が冷たすぎる
●投与速度が速すぎる
●栄養剤が体質に合わない(脂肪の種類・量、乳糖など)
●補給用の水分を栄養剤に混ぜて投与している
●栄養剤や器具に、雑菌が繁殖している
●抗生物質の副作用
●腸の病気がある
など、さまざまです。

対処法
下痢の原因を明らかにしてそれに応じた対応が必要です。
本人やご家庭で出来る処置
●かかりつけ医や訪問看護師、栄養士などの指導を受けながら、個々のケースや体調にあわせて濃度、温度、速度を調節しましょう。
●栄養剤や器具は清潔に正しく管理しましょう
●便秘同様、食物繊維、オリゴ糖、乳酸菌などをとることで収まる場合もあります。
●栄養剤と補給分の水分は分けて投与します。
医師や看護師が行う処置
●腸の病気の有無、薬の副作用が無いかどうかなど、原因を確定し適正な処置をします。
●体質に合う栄養剤を選択します。


症状
●胃の内容物が口の中にあがってくる
●咳や喘息など、息づかいが荒い
●原因のはっきりしない熱が続く

原因
●投与速度が速すぎる
●胃を圧迫するような姿勢や、胃・腸の通過障害などにより、胃内圧が上昇して食道に押し戻される
●食道裂孔ヘルニアなどにより、胃と食道の境目をふさぐ機能が正常に働かない
●胃の排出機能が低下している

対処法
飲み込みの出来ない患者さんにとって、逆流は肺炎の原因にもなります。日常的によく観察し、原因と思われることを一つ一つ取り去っていきましょう。
本人やご家庭で出来る処置
●栄養剤をゆっくり投与しましょう。
●胃を圧迫せず、患者さん本人が苦しくない姿勢をとりましょう。
●投与前に減圧してみましょう。
医師や看護師が行う処置
●胃腸の働きを助ける薬を使用します。
●胃内圧が高い場合は、胃瘻から空腸瘻に変更することもあります。空腸瘻への変更の方法は、胃瘻を介したものと新たに空腸に空腸瘻を造る場合があります。
●栄養剤の固形化を考慮することもあります。

症状
●気持悪そうにしていたり、胃の内容物を吐いたりする

原因
●投与速度が速い
●風邪をひいていたり熱を出していたり、体調が悪く体が栄養剤を受け付けない
●胃を圧迫するような姿勢や、胃・腸の通過障害などにより、胃内圧が上昇している
●胃の排出機能が低下している

対処法
本人やご家庭で出来る処置
●投与の前に全身の状態を注意深く観察しましょう。
●投与前に減圧してみましょう。
●投与時の姿勢や投与速度に気をつけましょう。
●投与中に吐いたり吐きそうになっているときには、投与を止めて様子をみます。おさまってからゆっくり再開してください。
医師や看護師が行う処置
●嘔吐が続く場合は、原因に応じて薬を使ったり、その他適切な処置をします。

症状
●微熱が続く(肺炎などによる)
●痰が汚く、量が増える
●苦しそうな表情やむせが見られる。(見られなくても、誤嚥している場合もある)

原因
●嚥下反射機能の障害で、口に入ったものや逆流によって口に上がってきたものを食道におくりこめない(飲み込めない)
●むせたり咳き込んだりする反射機能がない
●栄養剤の逆流

対処法
本人やご家庭で出来る処置
●誤嚥は窒息や肺炎に至る場合もあるので、苦しそうな状態が続いたら、かかりつけ医や担当の訪問看護師に連絡します。
●栄養剤が逆流しないように投与時の姿勢や速度に気をつけましょう。
医師や看護師が行う処置
●定期的に嚥下機能評価を行います。
●むせない誤嚥の場合もあるので、家族に適切な処置を指導します。