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No.36 栄養剤の選択について  From はな

はじめまして。悩める栄養士はなです。

ぜひ栄養剤のことでおしえていただきたく、思い切ってメールします。

最近私のつとめる病院でも胃ろうの患者さんがふえてきたのですが、そのときの栄養剤の選択で、いろいろと悩むことが多くなりました。うちの外科では消化態栄養剤か、半消化態栄養剤かのちがいくらいで、濃度と速度があえばあとはどれでも同じじゃないのという感覚で選択されているようです。

私は少し繊維が入っている栄養剤(圧倒的に食品扱いの品がおおいのですが)のほうがお通じが安定するように思えてなりません。じっさいに患者様でもPEGから食物繊維の製品をワンショットでいれておくとお通じが安定するというヒトも結構いるのです。

というわけで、入院中は腸管を動かしていい人に対しては繊維の入っている栄養剤を第一選択にしておすすめするのですが結局退院するときには医薬品扱いでないとお金がちょっと・・・といわれてしまいます。口からほとんどとれないと栄養剤の選択って大事だと思うのですが、下痢の原因って濃度とか速度、乳蛋白ぐらいでしょうか?繊維とか関係ありますか?病院によっては多種類をそろえるのは難しいでしょうし、食事と併用の場合病院側の持ち出しがあるので、食品扱いの栄養剤より医薬品扱いの方が都合がいいといわれたこともあります。

栄養剤はいろんなメーカーからでていますが皆様はどのように選択していかれるのでしょうかご示唆いただければうれしいです。


Re:栄養剤の選択について  From Healing
初めまして「はな」様へ・・よく思い切って投稿して頂き有難う御座います。
この投稿欄は難しく考えないで気楽に投稿ください。例えば、何か変だ・疑問が残る・不安だな・これで良いのかな・他に情報はないのかな・専門に相談出来る機関はないのかな・相談相手も知識と経験がなく頼りない・いろいろな種類があって選択に困るってる・費用が掛かるもの、掛からないものがある・・まー・・1ツ1ツ取り上げたら切りがない位あります。私は「患者」です・・この種の相談は患者の方が正確な情報を持っています。(先生は投与する側ですから栄養剤の効用が「是か非か」判らないのが一般的ではないでしょうか!)。
★<下痢の原因>
①「乳蛋白」:主原料は牛乳で人によって相性が有り当然ある。
②「濃 度」:濃度は大量生産なので標準濃度に保たれ加工。
③「速 度」:速度はあらかじめ標準速度が設定加工出荷販売。
★<処方箋の効く薬品扱いの栄養剤>・・「お勧めします」
①「Twinline・ツインライン・大塚製薬)」:平成7年2月頃までは下痢を繰り返す経口栄養剤でしたが、同年8月頃下痢を起こしにくい<新>twinlineが開発され(厚生省/未認可状況下)ので同製品の臨床実験に自ら「私が実験台」に応じてテストした結果「下痢しない」と言う確かな結果を得る。
以降、何例か臨床実験をした結果、やはり「下痢しない」と結果を得る。平成8年~9年頃にかけて「twinlineはメジャー」となり「処方箋」で家庭でも在宅医療の一環として点滴が出来るようになりました。最初、「twinline」を病院で処方する時は大騒ぎでした。なにせ、12ケース入りの箱を何箱も処方箋で持ち返るのですから窓口ではそんなことはやったことありませんと・・「けんけん・がくがく」の混乱を起こした事が懐かしく思います
★<処方箋の効かない栄養剤>・・これは「人によって下痢の度合いが分かれ、個人差がはっきりしている」ようですよ。
①「食品扱いになっている栄養剤」が以下にあたります。
例えば、「エンシュワーリキッド」でも「「2つに分かれます」
1つ目:「エンシュワーリキッド/バニラ・タイプ」処方箋OK
・・で、保険の適用を受けます。
2つ目:「エンシュワーリキッド/コーヒ・タイプ」食品扱い
・・で、保険の対象外の扱いを受けます。
等と「品種や種類あるいは成分によっては・処方箋扱い・食品扱い」と負担額が変わりますから、その辺は事前に確認して下さい
<繊維質の摂取方法>・・これは「下痢防止には効果があり」
①市販品:「果実・野菜入りジュース」を点滴から落す方法。
②味噌汁:「味噌汁の味噌だけを超うす味のさらさら状態にして点滴から落す方法。
③コンソメ:「コンソメスープを超うす味のさらさら状態にして
点滴から落す方法。
④市販品:「豆乳を38℃位に温めて少し薄め味にして点滴から落す方法。
⑤市販品:「昆布かつおだしを超うす味にしてさらさらの状態にして点滴から落す方法。
★<整腸剤の服用>・・これも「下痢には効果があります」
①下痢しやすい人は、基本的には腸系統に何らかの問題をかかえているので、常に「腸を調える」をお勧めします。お薬は「ビオフェルミン(パウダー状パック入り)を処方して頂き1日3回服用することを続ける。
★<濃度>・・これは「下痢の主用原因」です。
①濃度は標準濃度に加工されていますので、誰にでも合う訳ではありません。そこで、諦めないで思考錯誤して「自分に合った濃度に調整する必要」があります。根気よく「くじけず」いろいろ試してみて初めて自分に合った濃度が発見出来ます。
★<速度>・・「これこそが下痢の主役」です。
Teinline(ツインライン)は「1h=400Kcalが標準」です。
他の経口栄養剤の点滴もやはり同じ位の速度が標準のようです。
②ですから・・この速度を「目安」にして自分に合った速度を検索します。50分でもいい人は50分で400Kcal落し、1.2h掛かる人は1.2hで400Kcalを落せばいいのです。
★<速度の注意点>
①例え。Teinline(ツインライン)が下痢しないと言っても1h位とか2h位で点滴を落せば「ダンピングか下痢」を起こしますから、そんな無茶は止めて下さい・・それは私が「人体実験済」みをいましたから既に立証済みです。
②また、その他の栄養食品でも速度を早く点滴で落すと「ダンピングや下痢」を起こす恐れがありますので注意して下さい。
★<点滴の袋類・チュウブ類の管理>
①一番重要項目です・・経口栄養剤の主成分は牛乳ですから、点滴が終わるとチュウブや袋の縁に垢が白く付着します、これは直ちに「洗浄して下さい」昨年、日本中が騒いだ例の「某、乳飲料メーカ」の事件がありましたが「条件はあれと同じ大腸菌が増殖が原因」です。常に清潔な状態で点滴することは神経を使いますが、弱った人には絶対条件であることは言うまでもありません。

Re:エンシュア・リキッドについて  From Healing
■エンシュア・リキッドの扱いについて一部訂正個所がありましたので「訂正とお詫びを申し上げます」。
■エンシュア・リキッドは「いづれも薬品扱い」と言う事を確認させて頂きました。「食品扱い」という取り扱いはメーカーでも病院でもしていなのですが、ここで誤解され易いのは「某・病院ではバニラタイプついては扱っているが、コーヒータイプは扱っていない」との病院/調剤部の見解でした。
従って、院外処方では「コーヒータイプ」も扱っている店も中にはあるそうです。その辺はの所は扱っているか否かは先生にご相談の上購入して下さい。エンシュワ・リキッドは「薬品扱い」で処方箋もだしてくれますが「コーヒータイプ」を置いてある院外薬局や病院だけは処方が可能であることを「訂正」してご報告申し上げます。

栄養剤のこと  From はな
ヒーリングさん、詳しいレスありがとうございました。栄養士としてPEGにかかわることは実は今のとこは少ないのですが、少しでも患者さんの質問に答えられるようがんばりたいと思います。
ツインラインは消化態の栄養剤ですよね。ペプチド栄養はふつうの半消化態栄養剤よりも腸の負担が少ないのでしょうか//
お味噌汁もいれても大丈夫なんですね。先生から要求されたことはあるのですが、そんなのいいのかしらと思ってました。いくらも取れないとは思いますが食物繊維と関係あるんでしょうね、きっと。ああ*腸はほんとに難しい。
私が関わるのは主に外科なのですが、食道ガンの患者さんは摂取量もなかなか上がらなくて、病院のご飯が食べれないというかたも多く、PEGを導入するといいなあと思うこともたびたびです。
先生方は一年くらいすると血液検査のデータ的には安定してくるよとおっしゃるのですが、術後こそ導入がいるような・・・・10キロ減はあたりまえといわれても・・・
ここにいらっしゃる先生方や患者さんはどのようにお考えでしょうか>とりとめなくてすみません。
またメールしたいと思います。

Re:栄養剤のこと  From Healing
「はな」さんへ・・私も「食道ガン・全摘出」の手術を受け「胃の1/3が胸骨前にあり・胃の2/3が食道に加工されている」患者の1人です。
ご指摘のようにこの手術は「術後障害」で「食事が取れず」苦しんでいる方が全国に推定数万人はホッタラカシ状態になっているんです。7年前から現在に至る迄、七転八倒の苦しみを味わいました。1つの手術を行うことで・2次的・3次的に諸々の複合的な術後障害が次から次へと発症します。最後には「声も出なくなり3回も声帯手術しました」「胃酸の逆流で呼吸困難・虫歯10本以上ピンホール状態になったり」「背中迄傷がある為右手が上に上げられなくなったり・リハビリしたり」し、そうした不自由な身体をしている中で、尚且つ食事も摂取出来なくなる人が圧倒的に多いのは事実です。

「PEG」はその「困難な問題を解消」するために開発された「優れ」ものです。私は数年前からこの課題に鈴木先生や他の先生方と一緒に取り組み「PEG機器開発」「経口栄養剤」「PEGケア」「洗浄方法」「点滴速度」「点滴量」「点滴時間」「PEG固定テープ」「ツインライン以外の食品点滴」等々をあらゆる角度から自分自身で人体実験いたしました。その際、ツインライン以外の食べ物も「味噌汁・コンソメ・野菜ジュース・ポカリスエット・ビール・野菜の煮汁・缶コーヒー・果物ジュース」「牛乳」「カロリーメイト」「豆乳」「ワイン」「かつお・昆布だし」「魚の煮汁」「ラーメンのおつゆ」「大根おろしの汁のみ」等々【唐辛子】以外は何でも「PEG」から落して実験しました【結果は大成功】でした。

即ち、PEGはご案内の通り【お腹のお口】なんですから何を点滴で落しても構わないことを「立証」しました、理屈的には何を落しても良い又は落す事が出来ると言うことは医学的には薄々判っていたようですが、怖くてそんな実験を自分で人体実験をする人がいなかったんですね。兎に角、私は何でもかんでも点滴で落せるものはなんでも落しまし技術を会得しました流動物の食品は「速度・濃度」さえ「適度に保てば」十二指腸内で「即・栄養分」として吸収されますので「短期間で体重が増加」します。
私はこのように自分の力で思考錯誤して4年間・40Kg前後だった「飢餓状態の難局を乗り切り」ました。又「食品関係の点滴によって落す量は平均200ml(茶碗一杯分位が目安)ですよ。

終わりに「PEGドクターネットワーク」では私での役目は私の成功例、或いは判る範囲内での「カウンセリング役」をいたしておりますので遠慮なく相談してください。「相談はPCでも訪問」のいずれにてでも協力させて頂きます。なお「栄養指導」は当、ネットワーク理事長の「鈴木講師も医学的見地から講習会」を開いておりますし「患者として」この課題に取り組みある程度の答えをだした私の方でも関係者のご希望・要請があれば、ご相談はお受けしております。この種のご相談は「元患者の成功例体験談が一番好評」で「説得力があること」のようです。一番判っているのは患者さんですからね!お話しや説明をすると皆さんほとんどが「納得」されます。「連絡先は:PEGドクターネットワーク」で「E-Mailアドレス」を確認して連絡して頂ければ速やかに対応いたします。全国何処へでも参ります。・・まずはご案内まで。合掌。             

認識   From はな
ヒーリングさん、詳しいレスをいつもありがとうございます。
腸系の大きなオペのあとの時期に輸液以外に、経腸栄養するといいのでは等と考えますが、患者さまのご家族には胃に穴をあけるなんて・・という考えも多いようです。先生方も食事が全然たべれなくなってから・・・という感じをうけます。病棟にいけばいくほどへこたれ気味の私です。
みなさんは栄養士の関わり方についてどのようにお考えですか。
外科栄養にはチーム医療といいますが・・・悩み多き秋です。

認識について(くじけないで?)  From Healing
【はな】さんへ・・ご指名頂き光栄です。「はな」さんのお悩みは十二分に理解出来ます。【先生:家族】との見解・感情・思い等の違いは当然あるのは仕方ありません。

■まず第一の課題:オペの後の輸液以外の栄養方法ですが、私はショート入院を含めれば30回位の入退院を繰り返しましたが【輸液の効果】は入院している時のみしか効果はありません、理由は簡単です【輸液はハイカロリー】ですから入院期間中だけ病院にて用います。仮に輸液で体重が多少改善しても自宅に帰宅すれば1周間もすれば元の体重に帰します。何故かと言うと、結局の所、極論すれば【輸液は水】でしょう・・ね?。ですから病院では【輸液による水ぶくれ】になっただけで仮に体重が一時的には上昇しますが【血・肉・脂肪】とはなってはいない訳ですから帰宅したらたちまち元の木阿弥?・・で、根本的な体重増加の決め手にはなりません。
■続いて第二の課題:胃に穴をあける件ですが【PEGは永久的装着】を前提とはしていません。あくまで、元の体重に近いもしくは、最小限歩けるけて自立する迄の【つなぎ役】と解釈されたらいかがでしょうか?【経口栄養の利点】は【短期間】で【血となり・肉となり・脂肪分】が付き【やるぞと言う意欲が沸いてくる】と言う点にあります。よって、体調が戻り【自立できる状態】になればいつでも【PEGを抜去】出来ます。PEG抜去後、1日位で腸でも胃でも【穴は自然元通りにふさがります】から感染やトラブル等の心配いりません。
■更に第三の課題:在宅医療での栄養管理をする上で一番大切な事は【安全第一】【患者・家族の肉体的・経済的の負担軽減】【効果が直接確認出来る】そして【自信の回復】→【自立】ではないでしょうか。
■あえて第四の課題:今の日本医療界で最も先進国に【遅れている点】は、手術後・退院後の【在宅医療システム】が確立されていない事です。【経口栄養PEGは在宅医療】の為にあります。病院では体重を保つ、もしくは回復させる為にはハイカロリーの輸液で対処できますが、輸液は【肺炎等の感染】が心配されますので【自宅では危険すぎて】で出来ないでしょう。だから、胃や腸に雑菌が身体に少々入ったとしても安全なので「ツインライン」等の経口栄養剤が胃や腸から落すようにうまく工夫され開発されたのではないでしょうか。
■仮に第五の課題:在宅で口から1日、1000Kcal位の摂取しか取れないとすると、残り800Kaclは【PEGから不足分を補給する必要】があります。要するに何Kcalでも良いのですが不足分の栄養補給は【PEGからの栄養補給が一番安全策】です。ですから現状【口からとPEGからの栄養補給の併用】が一番ベストかと考えますが?
■最後の第六課題:【胃に穴を開けるか否かはご本人が決める】事です。やるか・やらないかは【個人の決意】次第ではないでしょうか。この問題は良くあるケースで珍しくありませんが、この時点迄来てはご本人次第でしょう。周囲がとやかく言う事柄とは
チョット違うような気がしますよ。
■(続・最後)の第七課題:外科栄養には【チーム医療は必須条件】です。チーム医療は日本医療界が世界の先進国で最も遅れている分野です。①お薬は充分質量共確保されているし②医療機器も世界最先端の技術力を誇り③医療テクニックも個人差はありますが素晴らしいものがあります・・しかし、病院内・医療界等々には【数々の派閥の壁】があります。その為、チーム医療が出来ないのが現状です。それらの課題を打破しないと、何時までも【研究中心の医療】から【患者の立場に立った医療】移行出来ません。
【はなさん:へこたれないでね】私共の関係している病院ではすでに【診療科目の壁をお取り払いチーム医療】に取り組みを開始しておりますよ。合掌