質問 PEGの事故抜去の対処 From 消化器ドクター |
先日PULL法(ふなだ式胃壁固定は行ってません)で20Frのバンパー型PEGを行った患者さんが、術後10日目で抜けてしまいました。応急処置として胃液ドレナージのための経鼻胃管と、瘻孔への12Fr尿道バルーンが挿入され引っ張り気味に固定されています、CTでフリーエアなく、ガストロでも腹腔内への漏れはありません。抜去後3日目の時点では抗生剤、経静脈栄養にて腹膜炎なく経過していますが、今後の対応として ①内視鏡下に瘻孔からガイドワイヤーをいれ、最初とほぼ同じようにPull法で再増設する ②今の瘻孔はふさいで別の場所にPEGをする ③内視鏡下で12FrのPEGバルーンカテに入れ替える(+ふなだ式胃壁固定も?) ④内視鏡は使わずにPEGバルーンカテに入れ替える などを考えています。抜去後何日経過をみて、その後どういった方法で新しい胃瘻にすればいいかを教えてください。 |
Re: PEGの事故抜去の対処 From カネコ@北海道 |
>消化器ドクター先生 術後10日目+現時点でガストログラフィンの漏れがない+腹膜炎症状がないのであれば、瘻孔が完成していないにせよ腹膜と胃壁は癒着していると思います。 従って現時点では経鼻胃管は不要だと思います。 今後の対応ですが私ならば内視鏡下にPull法で再増設します(道具が同じものしかないと仮定して)。12FrのPEGカテであれば今後ボタン式に変更するときが大変ですし閉塞しやすい難点があると思います。 自分の病院でしたら内視鏡下に船田式固定具で固定し、イントロデューサー+少々の皮切で創を拡大した後に、バルーン式のボタンに変更します。その方が事故抜去の危険性が低いと思われますので。 方法はイントロデューサーを刺した後、内筒(というか針?)を抜きその中にゾンデを入れます。で、外筒も抜去した後、ゾンデに沿ってバルーン式のボタンを挿入します(言葉で説明するのが難しいですが、意味が分かりますか?)。 |
Re: PEGの事故抜去の対処 From まりこ |
内科医のまりこです。 瘻孔にフォーレを留置できている、ということは、幸いにも瘻孔は(ほぼ)完成している、ということですよね?であれば、無理に内視鏡を入れなくても、別のカテーテルに交換できるのでは? 私も2年ほどまえ、消化器ドクター先生と同じことを経験しましたが、透視下でカテが胃内に入ることが確認できたので、そのまま20Frのミニボタンを入れました。 消化器ドクター先生の場合は、12Frしか入らなかった、とのことですが、緊急処置として、フォーレのまま2週間ほど経管栄養を実施して、その後、徐々にカテ交換でサイズアップする、というのはいかがでしょう。 邪道ですかね。 (内視鏡を使って、一気に造設してしまうほうが、入院期間の短縮にはつながるかもしれませんね。) |
Re: PEGの事故抜去の対処 From カネコ@北海道 |
>まりこ先生 緊急避難としてのフォーリーは邪道ではないと思います。ただ、同径のチューブないしボタンを挿入するのは術後10日目ではちょっと怖いです。胃壁が脱落したら今度こそ腹膜炎ですから・・・。 以前、術後3ヶ月たった症例で14Frのチューブから16Frのバルーン式ボタンに変更するときでも1度胃壁が脱落したことがありますので(もちろん緊急手術で事なきを得ましたが・・・)サイズアップの時はかなり慎重になってしまいます。ですから、徐々にサイズアップ・・・は、私ならちょっとストレスですね。安全度、入院期間等々から考えると私なら内視鏡下にきちんと造設します。 ちなみに現在サイズアップの時は瘻孔入り口を局麻して、ケリー鉗子で十分開排してから新しいボタンを挿入しています。さすがに内視鏡は使いませんが、透視で十分確認します。 まだ使ったことはないんですが、セルディンガー式のってどうなんでしょうね? |