質問 イソジンガーグル原液についてお聞きしたいのですが From チャッピー (No.1640) |
口の中が臭いがします。そして口の中とても乾いており、ねばっこい痰が引けてきます。色は付いてません。いつもと変わらずです。でも、口の中を拭くと若干色(ちょっと黄色かかってます)がガーゼについて来ます。乾いているせいか、喉がふさがれるのか呼吸が荒いなと感じてます。 |
Re: イソジンガーグル原液について From Hあまぐり |
イソジンの原液は粘膜を障害するだけで、効果もないように思います。当院では、レモン水や薄めた酢などで口の中をキレイにぬぐってあげているだけです。回数も1回/日。それでもPEG増設でここ2年半創部感染は来しておりません(といっても30例ほどですが・・・・)。感染防止キットも用いておりません。 PEG増設時の感染は、ほとんどが増設時の血腫または強い圧迫による壊死から来るものではないでしょうか? |
さっそくのお返事ありがとうございます From チャッピー |
レモン水や酢を薄めるというのはアルカリ性のものがいいと言う事にもなるのでしょうか?確かにイソジンよりも味覚に関してもレモン水などのほうがいいですね。爽快感も得られますよね。さっそくカンファレンスで検討してみようと思います。 |
Re: イソジンガーグル原液について From くまうま |
イソジンで口腔ケア・・・・。やっぱりいらっしゃるんですね。 アルコールなどの兼ね合いで、さらに、口腔乾燥をしちゃうんでは? 3回されているのであれば、唾液の力を使ったほうが口腔内の状態はよくなるように思いますが・・・・ うちでは、水や、お茶、オーラルバランス、ウエットケアと言ったものを使用していますが、経管栄養の方のほうが(口腔ケアで入りやすいので)きれいかもしれません/・・・・。課題だ。これは。 ??原液?それは、でも、なぜ? |
Re: イソジンガーグル原液について From 陸の孤島の遭難者 |
Drにお尋ねになってください。 PEGの創部感染の原因は、血腫や圧迫壊疽だけではありません。 レモン水、酢は酸性です。 それに、イソジンにはアルコールは入ってません。 一般の口腔ケアと創部感染を予防する目的の口腔内除菌は、もともと目的が違います。 |
Re: イソジンガーグル原液について From くまうま |
陸の孤島の遭難者様。指摘ありがとうございました。 創部感染の予防のために、口腔内の除菌が必要なんですね。 |
Re: イソジンガーグル原液について From Hあまぐり |
陸の孤島の遭難者殿 >PEGの創部感染の原因は、血腫や圧迫壊疽だけではありません。 では、どのような時に感染するのでしょう?いくら口腔をイソジンで消毒しようと、口腔内は無菌にはならないと思うし、仮に無菌になったとしても、食道内や胃内の細菌はどうなるのでしょうか? 子供の時にけがをした時には、唾液を傷口に付けませんでした?それによって感染が増えましたか? PEG増設時の口腔ケアにイソジンを使うのは意味がない、無益なものと思いますが・・・・。 血腫や圧迫壊死がなければ、胃瘻挿入部の傷で細菌が増殖する余地は無いと思いますし、私は血腫や圧迫壊死のない感染は経験したことがありません。 確かに、PEG増設時に、口腔内に膿苔のような舌苔や食物残渣用のものを付着させたままでは感染の危険は高まると思いますが、無菌にすることは意味がないし不可能だと思います。 |
Re: イソジンガーグル原液について From 陸の孤島の遭難者 |
Drにお尋ねになってください。 の意味は、エビデンスを調べてくださいとのことです。 たくさん、ありますよ。 論理は、飛躍するものではありません。 口腔=唾液ではありません。 血腫、壊死=感染でもありません。 そうそう、唾液を傷口に付けるのは、唾液中のラクトフェリン、リゾチウム、ヒスタチンン、IgAが関与して、殺菌・抗菌作用があるからですので、昔の人は経験的に知っていたようです。 最後に、手術部位にイソジンを塗布する理由をご存知ですか? あなたの論理では、手術創を無菌にしても、開腹時の空気中の雑菌があるので、イソジン消毒はいらないし、意味がない!?になります。 『知っていること』と『知らないこと』の間に最も重大な『知っているつもり』があります。これは、知っていると思っているため、疑問を持たないし、調べようとしない状態です。 唾液を傷に塗るのは、蓄積されて淘汰された経験であり、これには、後世になって充分な理論的裏付けがなされたものです。個人的経験とは異なります。 |
Re: イソジンガーグル原液について From Hあまぐり |
陸の孤島の遭難者殿 ですから、私の質問にお答え下さい。 1.食道内や胃内の細菌はどうなるのでしょうか? 2.血腫や壊死組織がない状態で感染が起きる理由。 この2つの疑問が解決しない限り、イソジンガーグル原液での口腔内洗浄の意味は理解出来ません。PEG増設時の口腔内はキレイであって欲しいが無菌である必要性はないと思います。 エビデンス、エビデンスと言われるが、上記2つの疑問を解決しない限り、これに関するエビデンスはないと思います。 >手術部位にイソジンを塗布する理由をご存知ですか? これに関して言えば、術野(例えば皮下や脂肪組織、腹腔内など)は基本的に無菌のため、そこに皮膚の細菌を持ち込まないためであり、もともと細菌がいる口腔内や腸管内の消毒は無意味なはずです。私も外科医の端くれですので、胃腸の手術をしますが、腹腔内に到達するために切開する皮膚は消毒しますが、腸管吻合時に腸管粘膜の消毒はしませんよ。食物残渣や便などを生食綿でぬぐい取るだけです。 話がそれますので、あなたの質問に対する答えはこれで終了とします。 |
Re: イソジンガーグル原液について From チャッピー |
お二人の先生の熱い討論読ませていただきました。胃ろう造設の時に口腔ケアをいつも以上にしっかり行うことで内視鏡に菌が付くことをできるだけ避けたくて当院では行っています。先月胃ろう造設した患者さんは半年ほど前より口腔内にMRSA保菌していることがわかりました。保菌状態で在宅に帰ったのですが、誤えん性肺炎を繰り返すため胃ろうへとなりました。急に決まり口腔ケアを1日しか行えませんでした。結果、PEGよりアイテルを認めMRSAが検出されました。ゲンタシン軟膏使用し、アイテルは減り在宅へ帰りました。今まで保菌状態のかたでPEG造設しても感染したことはありませんでした。口腔ケアの不足で感染したのかどうかはわかりませんが、イソジンの有効性をお尋ねしてみました。 |
Re: イソジンガーグル原液について From カネコ@北海道 |
>陸の孤島の遭難者さん Hあまぐりさんと同様、私も胃瘻前処置のイソジンによる口腔処置は無益であるばかりではなく、有害ですらあると思います(同じく外科医です)。 胃瘻手術の方法はご存じのとおりPush法、Pull法、その他の方法に分けることが出来ます。 Pull法・Push法の場合、いくら口腔内を無菌にしたところで、食道、胃と通過する間にPEG固定板が菌を引っ張ってきてしまいますので、最終的に皮膚に到達するときには雑菌だらけ・・・と言うことになります。 その他の方法(introducer法など)では皮膚を通過するのは固定糸、イントロデューサーだけですから、口腔内をいくらきれいにしたところでPEG感染とは全く関係ありません。 PEG感染の主たる原因はHあまぐりさんがおっしゃるように、血腫、バンパーによる過度の圧迫であると私も考えます。 また、エヴィデンスをおっしゃるならばイソジンガーグルによる口腔内処置が消化器手術感染症を減らすというエヴィデンスもありません。 イソジンを口腔内に使うことのメリットはなんでしょう? ご存じのとおりイソジンは有機物に接触すると直ちに失活してしまいます。ゆえに、口腔内に塗布した瞬間のみは効力がありますが、常時唾液が分泌されている口腔内では数秒後には効果を失ってしまいます。口腔内では皮膚と異なり、一時的に減菌はできても、無菌には出来ないと考えるべきです。 同様に無菌的ではない手術では粉瘤切開・切除などもありますが、私は手術前に皮膚消毒はしていません。また、これで感染が増えているわけでもありません(というより、現在の方法で定着してからは皆無です)。 消毒薬を使うと言うのは常にリスク・ベネフィットを考えなければならない処置です。明らかに無菌的に行わなければならない操作(関節穿刺、髄腔・硬膜外穿刺、リザーバー穿刺、明らかに無菌的な手術など)では私も皮膚消毒を行いますが、それ以外に消毒薬を使うのは出来るだけ避けるべきであり、PEGはその最たるものの一つでしょう。 |
Re: イソジンガーグル原液について From 陸の孤島の遭難者 |
すみません。 Drでしたか?申し訳ありません。 かなり、誤解があるようですが、私はイソジンでの口腔消毒に賛成してませんよ。 ただ、経験論でお話をなさるのは、いかがなものかという意味で書込みしました。 もう一度、確認しますが、イソジン原液での口腔消毒が必要とは言ってません。今までに、多くの文献が創部感染に関して出ていますので、それを御参考になさった上で、ご意見を述べられる方が良いかと思っただけです。 >Pull法・Push法の場合、いくら口腔内を無菌にしたところで、食道、胃と通過する間にPEG固定板が菌を引っ張ってきてしまいますので、最終的に皮膚に到達するときには雑菌だらけ・・・と言うことになります。 >PEG感染の主たる原因はHあまぐりさんがおっしゃるように、血腫、バンパーによる過度の圧迫であると私も考えます。 これは、正直にいいまして、今までのエビデンスにないご意見です。何らかの科学的根拠(ある程度の実証されたもの)があれば、私の不勉強のいたすところですので、陳謝いたします。 ご存知とは思いますが、現状のエビデンスでは、pull、pushでは、咽頭、喉頭の雑菌がPEG周囲に移殖されることが原因とされています。胃内雑菌の影響は少ないというエビデンスもありそれに基づいて、感染防止キットなるものが開発、発売されているんですよね、○○先生。 introducerでは、殆ど創部感染が見られないため、最近、セルディンガー法という新しい方法も発売になりましたよね、◎◎先生。 胃内雑菌と言い出したら、これでも感染予防にならなくなります。胃内雑菌に関して、PPIの使用するか否かにより差が出るとの憂慮されていますが、それに関しては、明らかな結論は出ていません。 最後に、書込み内容よりDrとは存じ上げず、失礼な言い方をいたしました。 心より、お詫び申し上げます。 |
Re: イソジンガーグル原液について From カネコ@北海道 |
>陸の孤島の遭難者先生 ご指摘のとおり、Push法、Pull法に関して口腔、咽頭、喉頭の細菌が原因であろうことは疑いようがありません。ただし、感染が成立するには菌の存在は必要条件であり、十分条件ではないと認識しております。Push法、Pull法でも感染しないケースが多いのはなぜでしょう?感染しない患者さんに於いて極端に菌数が少ないと考えるより、他の因子が絡むと考える方が合理的ではないでしょうか? ゆえに口腔内消毒は無意味であり有害と考えるわけです。(先生が口腔イソジン消毒を推奨しているわけではないのは認識いたしました) なお、当院ではPEG導入当初よりイントロデューサー法を導入しております。これはご指摘のとおり、PEGの瘻孔感染の原因菌が咽頭喉頭にあると認識しているからです。 |
Re: イソジンガーグル原液について From 陸の孤島の遭難者 |
非常に良く理解できました。 炎症がなければ、瘻孔は形成できませんので、創部にある程度のコロニー単位で細菌が移植されると、細菌感染を起こすと報告されています。 匿名での書込みは、自由な意見が述べられる一方、科学的根拠に乏しい方法が、急激に拡大する危険性をはらんでいます。 先生もお考えのように、臨床の場で疑問に思ったこと、ここでは、『創部感染の原因は本当は今言われていることとは違う?』という疑問はとても大切です。 そして、次に、それを実証する方法論になり、さらに、それを納得させるだけの基礎的根拠が示されて、はじめて、パブリッシュできるものです。 そんなことは、十重承知しているとお思でしょうが、今回の内容ではなく、PEGに関しては、甚だ経験論が多く、一般消化器及び栄養学の築き上げられた論理と矛盾する内容が見受けられるように感じます。 頭で考える理論的根拠は、どうして実証するかが本当は、最も困難な場合が多いです(特に患者さんに試すのはできませんので)。さらに、理論的、裏づけに至っては、臨床医では不可能なこともあります。 様々な意見に関して、興味を持っている私としては、実証でき、形として報告されることを切望いたします。 |
Re: イソジンガーグル原液について From カネコ@北海道 |
>陸の孤島の遭難者先生 創感染に関するものの考え方は特別私のオリジナルというわけではありません。ごくありふれた知識をもとに述べているだけです。以下に書くようなことは当然先生もご理解しているかと思いますが、一般の閲覧者の方もいらっしゃいますので蛇足ながら付け加えさせていただきます。 ご存じのとおり表皮ブドウ球菌、黄色ブドウ球菌など皮膚常在菌による創感染には組織1gあたり10万CFUの細菌、または異物の存在下に組織1gあたり200CFUの細菌が必要であると言われています。(当然咽頭喉頭常在菌でも同程度であろうと推測されます) ここでPush法、Pull法で胃瘻感染が起こる場合、どのような環境下で起きるか考えますと、 1.ワイヤーもしくはPEGチューブが創感染に足る細菌を瘻孔まで引っ張ってきた。 2.何らかの異物が瘻孔内に存在する。 の2つのパターンが考えられます。 1のパターンは非論理的であろうと言うことは上のレスですでに説明しました。 2のパターンで異物になりうるものを考えると、 1)チューブ自体は感染しない症例があるので否定できる。 2)血腫 3)圧迫壊死した皮下脂肪(皮膚に比べ皮下脂肪は極めて阻血に弱いので、「壊疽」を起こさない程度の圧でも「壊死」します。) 4)食残、歯垢など 以上の論拠からPEG瘻孔感染を起こす原因として最もあり得るものが血腫、または過剰な圧迫であろうと判断しております。 以上よりPEG挿入時の感染を防ぐためには 1)Push法、Pull法では口腔内ケアは重要。ただしそれがイソジンなどの消毒薬である必要はない。特に術直前の口腔ケアは有用であると推測される。 2)手術手技上で出来るだけ血腫を作らないようにする。 3)バンパーによる過剰な圧迫を避ける。 4)Push法、Pull法よりintroducer法などの方が感染させにくい。 と言うことが言えると思われます。 ご指摘のとおり上の話をRCTなどで実証するのは極めて困難であると思います。 |
Re: イソジンガーグル原液について From downhill |
初めて書き込みします。 病院薬剤師のdownhillと申します。 タイトルから外れてしまうことをお許し下さい。 陸の孤島の遭難者先生 >今までのエビデンスにないご意見です。 >形として報告されることを切望いたします。 とのことですが、エビデンスが出るまで待機するのはどうなんでしょうか?実際に患者さんは毎日来られるわけですし。それよりも自分自身で実証しながら新たなエビデンスを作っていく方が良いのではないでしょうか? 自分自身の目で確認しない(できない)、他人任せのエビデンスはあまり信用できないものもある気がします。 私の大学院時代、別の研究室の博士課程の先輩の話なんですが、「エビデンス」にしていた研究者たちが、2年後に理論をまったく訂正してしまったために、その先輩は博士論文を完成できなかったということがありました。 エビデンスを集めてその通りやっていくのではなく、エビデンスの真贋を見極め、取り入れて理論を組み立てていくことが大切なんだと気付かされた事件でした。 カネコ@北海道先生のように、実際に先生の目の前で起きていること+ごくありふれた知識を組み合わせて結論づければ、今までにないエビデンスが出てくるのはむしろ当たり前のような気がしますが・・・。 |
Re: イソジンガーグル原液について From 陸の孤島の遭難者 |
downhillさんへ エビデンスは待つのではなく、エビデンスにするのです。 自分に新しいアイデアや根拠があると確信すれば、エビデンスを作るのです。 そうしないと、単に机上の空論です。 それから、エビデンスが事実なんて思ってはいけません。nature、cell、scienceでさえ、追試すると再現性のある確実な結果を得る論文ばかりでないと言われています。 インターネットと同じで、エビデンスは2チャンネルの書込みみたいなものです(すごいこと言ってるかも・・・)。その中で、どれが正しいのかを判断するのは、個人(読者)です。 せっかく、いい考えがあるなら、形にする努力が必要と思います。 それから、自然科学の真実はどんどん変わります。だから、面白いし、だから、エビデンスを見ていくと、次の真実(?)の方向性も見えてきます。色々な(相反する)エビデンスがどんどん出てきて、本当の真実に近づくように思います。でも、また、次の世代では変わっているかも・・・・? |