No.315 PEGの適応(特に重度の痴呆の方など) From 白浜雅司 |
私は佐賀県の三瀬村という小さな村で診療所の医師として働きながら、佐賀医大で医療倫理やコミュニケーションの教育にあたるという立場の医師です。 |
Re : PEGの適応(特に重度の痴呆の方など) From 太郎 |
白浜先生こんばんは 太朗といいます. 私も経鼻胃管で安定期にあった症例を,胃瘻に変更した後に状態を悪くして残念な思いをしたことが何度もあります.自分が胃瘻をやり始めた頃はPEGの情報は希薄で,出てくる文献はPEGの利点が記述されたものがほとんどでした.(利点を述べないと普及しないので当然といえば当然.)自分は老年科医でそのころは老人病院で勤務していたことから,そんないい方法がならばやってみようとセッセと始めました.しかし始めてみるとPEGは良いところもあれば悪いところもあり,経鼻胃管で安定している方をPEGに変更してその悪い部分が出てしまうと結果的に大変後悔してしまうことになります.そのためかボクの論文はPEGの悪口(合併症)ばかりです. ですので経鼻胃管で安定をしている症例に対しては,ボクはPEGを積極的には勧めていません.勧めませんが提案はします.利点と欠点を説明した上で本人又は代理人であるご家族が,希望する場合は手術を行います.ただそれだけです.終末期医療におけるPEGはよりよい終末期を送るための方法の一手段であり,全肯定も全否定もないように思います.ましてや経鼻胃管をPEGにしても生命予後は変わらない,よってPEGは意味がないとのあの欧文論文には本当にビックリしました. 経鼻胃管の比較データに関しては,尊敬する小川先生の論文を御紹介させていただきます. 小川滋彦、小市勝之、中野由美子、池田直樹、若林時夫、川上和之、川浦幸光。経皮内視鏡的胃瘻造設術の胃食道逆流における有用性・経鼻胃管との比較検討・Gastoeterol Endosc 1995;37:727-732 |
Re : PEGの適応(特に重度の痴呆の方など) From みっくん |
白浜先生、こんにちは.書き込みありがとうございます. |
Re : PEGの適応(特に重度の痴呆の方など) From moemoe |
● これからの課題 ● 私が強調したいこと |
Re : PEGの適応(特に重度の痴呆の方など) From 平成の一休さん |
”白浜先生へ”毎日お疲れさまです。はじめまして、平成の一休さんと申します。 |
貴重なご意見有難うございます。 From 白浜雅司 |
PEGの経験豊富な、現場の先生方のコメント本当に有り難うございます。 ただある程度のそのケースでPEGをした場合の予後の見通しの上に立って、PEGを勧めるかどうかを判断し、そのことを患者(家族)の意見も聞きながら決めていくことが、医師の仕事で、そのための事例やデータの蓄積は今後もお願いしたいです。全く中立の立場で、PEGはしてもしなくてもいいですよ、後は家族でお決め下さいといって家族に委ねられても、家族は困りますし、結局治療がうまくいかなければ、家族の方が同意されたでしょうといくらいっても、PEGのことを最初に持ち出した医師に不満をもたれることは避けられないことだと思います。 確かにPEGをするしないというよりも、まず、食べられなくなったということは、患者さんが、終末期に近づいたという認識をして、その状態の中でどのように周りの人間が対応することが患者にとってよいかを話し合うことが何より大切な気がします。 みっくんさんが述べられた「PEGを選択される方もされない方もいます.そのどちらであっても、選択した人生の方法をできる限り支えるという立場にたち、決して、決定そのものを代行してはいけないと思っています.本人の意思が確認できない時に家族が代行することの是非はあると思いますが、現状では家族以外が代行することは困難だと思います.どの選択を選ばれた方であっても、いい人生を全うされたと最後に思ってもらえるように関わりたいです.」という関わりをさせていただきたいと私も思います。 |
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