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質問 祖母の胃ろう造設  From あい (No.1746)
 初めて投稿致します。宜しくお願いいたします。
祖母は認知症になって約8年が経ちます。
1ヶ月程前から、誤嚥がかなり目立つようになり、2、3日前からは、水も飲む事が出来なくなりました。
現在は、自宅にて点滴のみを一日に500ml入れておりまが血管を確保することすら難しくなってきております。
医師からは、一ヶ月程前に嚥下困難になった時点で、胃ろう造設をすすめられましたが、家族としてはなかなか踏み切る事が出来ないでいました。
現在の祖母の状態としては、尿の量も一日500をきってきております。体重もかなり落ち全身の骨がかなり目立ち痛々しい状態です。年齢は89歳です。
こんな、祖母が胃ろうを造設した場合、オペに耐えられるだけの体力はあるのでしょうか?
リスクを教えて下さい。
宜しく、お願いいたします。

Re : 祖母の胃ろう造設  From カネコ@北海道
>あい様

  非常に難問だと思います。
  まずご質問のオペに耐えられるだけの体力・・・については、ごく普通の実力の内視鏡医、外科医がいれば手術に耐える力はあると思います。
  問題はPEGを造設することの是非です。血管確保が大変な状況ですからPEGを造設することが誤りとは言えませんが、本当に必要かどうかについては私個人としては「?」マークが付きます。これは医学というより哲学・社会学に類する問題のような気がします。

  なお、水分補給だけの問題でしたら皮下輸液法という方法もあります。

Re : 祖母の胃ろう造設   From 魔子
 内科医の魔子です。
栄養状態、水分バランスが悪くなってきて、まだ日も浅いこと、1ヶ月前までは、経口でお食事摂られていたと言うことであれば、消化器系はまだ悪くなっていないと考えられます。
血管確保が難しく、500mlの補液だけでは心もとないことを考えると、胃瘻の前に、鼻腔チューブによる経管栄養を考えてみてはいかがでしょうか。
胃瘻の導入と言うことになれば、入院が絶対条件になりますが、鼻腔チューブによる経管栄養であれば、訪問看護・訪問診療など在宅スタッフに恵まれれば、在宅での導入も十分に可能だと思います。
89歳で、認知症でということであれば、入院という環境の変化がいい方向に向かうことはあまり考えられないので、できるだけ在宅で看てあげるほうがいいと思いますよ。

Re : 祖母の胃ろう造設   From 一勤務医
カネコ先生の意見は緩和に長けた先生の返答です。
魔子先生の意見は生命予後に重点を置いた返答です。
まず御家族は今後何を望みますか?
誤嚥が存在し、それに対する対応を望むのならばやはりPEG造設が無難です。カネコ先生のお話どおりPEG造設は可能と考えます。御家族が多少のリスクは承知の上で少しでも長生きしてほしいと望むのなら自分はPEGを推します。
しかし、がんばって89歳の認知症の患者にPEG造設をして寿命はどれくらい延びるの?唾液はやはり誤嚥するよ?寿命ギリギリまで十分の水分を投与したら全身浮腫になって苦しくなることもあるよ?それだったら最低限必要な水分を皮下から補って、口からは何か甘いものをなめさせる程度で徐々に水分量を減らして、苦しまずに天寿を全うするのもいいのでは?という考え方もやはり存在するのです。
後者は癌患者の末期によく遭遇するパターンで、患者の寿命を医者が判断するなといわれれば其れまでで、その意味で非常に哲学・社会的な問題ですが、過度な医療が裏目にでることは多々あるということを認識していただけると幸いです。
家族のスタンスとしてどうするかを主治医とよくご相談ください。
あと蛇足ながら一つ。
誤嚥している患者さんが急に経口摂取ができなくなっているわけですが、肺炎等の感染症の心配はありませんか?


Re : 祖母の胃ろう造設  From 椿
 胃瘻の家族を1年介護した家族です。我が家の家族も認知症あり、誤嚥で経口摂取ができなくなり肺炎を起こしかなり衰弱していましたが、胃瘻で延命、このまま死を待つのか?選択を迫られての決断でした。まずは胃瘻造設可能か判断をいただくために入院することにして、選択の先延ばし状態で入院いたしました。リスクは何にでも伴うことですが、可能と判断されて後に待ち受ける介護も軽く考えて胃瘻を造っていただきましたが、今となれば後悔も少なからず残っています。一時は状態も良くなり選択に間違いはなかったと思っていましたが、月1回は必ず高熱を出し肺炎に苦しめられました。在宅介護時は吸引や口腔ケアをまめにしていたのでトラブルはなかったのですが、都合でショートスティに出掛けると必ず肺炎を起こして帰ってきていました。在宅で365日介護できたら違った結果もあったかもしれません。最後は数回の肺炎で体力が落ち、1年間の胃瘻生活でした。我が家の場合は胃瘻での栄養摂取で1年の命をつなぎましたが、本人にしてみれば辛い1年だったのでは・・・、家族の自己満足の為の1年だったような気持ちも残ります。忘れられないのは、最後の肺炎もいつものように治ると信じていましたが、意識もなく辛そうな呼吸、閉じた瞼から流れていた涙、本当に1年間ごめんなさいとしか言えませんでした。地域差もあるかもしれませんが、我が家の場合、胃瘻を薦める医療機関があっても、在宅時の胃瘻管理ケアの詳しい介護サービスを提供してくれる機関、往診医がいなかったことが悔やまれます。


Re : 祖母の胃ろう造設   From チョクミ
 椿さんのお話には、何か付け加えるべき言葉が見当たりません。同じような思いです。
 我が家の家族も認知症あり、誤嚥で経口摂取ができなくなり、胃ロウを増設、その後在宅介護を現在まで6ヶ月、そして7ヶ月目に入ったところです。誤燕性肺炎と尿路感染症に最も気を使っています。お陰さまでこの間入院はありませんでしたが、いつかはやってくる入院に、毎日ビクビクおびえています。それでも無事に過ごせた一日、一日に感謝し、もう一日、また一日と続けています。
 仕事を休職しました。日々、痰の吸引、栄養剤の固形化、摘便、口腔ケア、検温、10分間の端座、オムツ交換、胃ロウ洗浄、陰部洗浄、手浴....が日課です。深夜ベッドの脇にぼっ立って、暖房のスイッチを上げようか、下げようか迷っている自分がいました。自分自身がもうダメだ、と悲鳴を上げましたが、それもやり過ごし親の介護ができることの幸せを大切にしたいと思うようになりました。
寒い冬ですが、ガラス越しの日差しは温かく、背中をさすり、ヨダレを拭きながら過ごす端座の一時は、何もコミュニケーションはありませんが、心安らぐ大切な一時です。静かな呼吸音、体が温かい、手が動いた、小便をした、そんな当たり前のことがうれしくなりました。
 これは、自己満足なのかもしれませんね。親父は早く逝かせてと思っているのかもしれません。介護が俺でよかったのかもわかりません。

 

Re : 祖母の胃ろう造設   From 平成の一休さん
”椿さま””チョクミ さま”へ、

 先の見えない介護の日々さぞかし辛いことでしょうね。
 文章に触れその中にある介護者の皆様の悲痛な叫び声が届きました。その優しさ温かさ諦めない姿勢に心打たれました。

 PDNスタッフの一員として、気付いたことはPEG造設体験談だけでなく日々介護に自己犠牲を強いられながらも耐えに耐え抜いて生活され介護に難渋されている「介護者体験談」も貴重な情報です。特集として取り上げて欲しいと関係者の方々に働きかけをさせて頂きたいと念います。

 又、カネコ先生、魔子先生、一勤務医・・先生方のコメントもおのおのの立場やご経験からのアドバイスは中身も的を得ており更に中身の濃いものでした。最後には「哲学的見地」からとのお話はご最もです。

 全国にこのような先行きの見えない環境に追い込まれていらっしゃるご家族は多いと念いますが、実情を知って頂くだけで反響は大きいと思います。

 答えようのない答え」・・これが”哲学的解答”のヒントかも知れません。貴重なご体験談情報を寄せて頂き「ありがとうございました」。お大事になさって下さい。  合掌三拝

 

Re : 祖母の胃ろう造設   From いわさき
 椿さまとチョクミさまのお二人の介護体験に言葉が見つかりません・・・・ "命”をあづかる家族の体力的・精神的悩みはかぎりなく・・・ 訪問看護師さんをはじめたくさんの方々に支えて頂いて何とかなり立っているものの毎日・毎日24時間気の抜けない日々身につまされます。病にふしている本人が何より辛いと思う、この先の不安や痛みに対しても訴える事もも出来まいと思うと、ただただ涙した時もあった事を思い出します、どんなに病んでいても我が家で過ごす事で不安も痛みも半分になると私は信じます。どうぞご自分を責めないでください。思い出たくさんの”我が家が一番”家族のそばが一番”を信じ自分自身にもごほうびを見つけて乗り越えましょう。介護仲間の一人として。

 

Re : 祖母の胃ろう造設   From 大村万智子
あい様、私の母の胃ろうの時」と同じ悩みです。市のボランテァの方にお聞きすると「胃ろうはやめた方がいい、するべきではない」みたいな回答でした。でもこのページで皆様の奮闘されているのを見たり、「胃ろうまでして」から「まだ胃ろうがある」っていうのをみて!!胃ろうを決心しました。まさにチョクミ様と同じ体験です。明らかに元気にほんの少しですがボッツと言葉を出します。そのしぐさにうれしくて、ああした、こうしたとまるで孫の様にかわいいです(まだ孫はいませんが)もちろんトラブルもありますが以前とは大違い。だって栄養、水分とれますから。それに何よりもこのネットワークが頼りになります。胃ろうにしてよかったと思っています!先はわかりませんが一日でも長く生きて欲しいです。胃ろうをする前はあの有名な絵、「ムンクの叫び」のような顔からお肌すべすべの笑顔に変身しました。頑張りましょう!