患者と医療者のための情報誌「PDN通信」第59号のご案内
PDN通信第59号 編集後記 PDN理事長 鈴木 裕
2016年は、当初の予想を覆す大事件の連続でした。英国の欧州連合(EU)離脱から始まり、米大統領選のドナルド・トランプの勝利、さらにはイタリアの憲法改正の是非を問う国民投票で反対派の圧勝。いずれもポピュリズム(大衆迎合主義)の台頭が強く関与しています。1930年代のイタリアのファシズム運動、ドイツのナチズム、アルゼンチンのフアン・ペロン政権などは、エリート層である大企業・外国資本・社会主義者・知識人などに強く反対し、大衆に対して雇用や労働条件向上を実現する変革を直接訴えました。世界は、このままポピュリズムが進展するのでしょうか。実際、来年から「ポピュリズム」の代名詞のような「トランプ劇場」が現実のものとなります。アメリカではなく世界を見据えた政治を願うばかりです。
新年号ではPDNの歴史を熟知した鈴木博昭先生に年頭所感を書いて頂きました。PDNも設立17年目を迎え、鈴木博昭先生の思い描くNPO法人に近づけたいと思います。特集では群馬大学教育学部教授の吉野先生と小児の胃瘻について語り合い、近い将来の疾患別、重症度別の胃瘻のガイドライン作成に向けて一歩前進しました。実務現場の生の声は大変興味深い内容でした。PEG・在宅医療研究会の報告では、通常の研究会や学会ではタブーとされる患者さんと医療者の語り合いを特集しました。東京医科歯科大学の戸原先生には、嚥下の講義を頂きました。
PDN通信は、少しでも患者さんに寄り添った医療への架け橋として2017年も精進いたします。どうぞよろしくお願いします。
(2017年4月27日発行)
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※現在公開中のPDN通信は、創刊号~第10号まで。順次追加していく予定です。
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