患者と医療者のための情報誌「PDN通信」第64号のご案内
PDN通信第64号 編集後記 PDN理事長 鈴木 裕
生命倫理の4原則は、トム・L・ビーチャムとジェイムズ・F・チルドレスによって、「生命医学倫理」(初版1979年)において提示された概念で、Non-maleficence = Do no harm(無危害)、Beneficence = Do some good(善行)、Autonomy(自己決定・自律)、そしてJustice(配分的正義)を骨子としています。
今回のPDN通信を振り返ると、題材は違えども、執筆者たちはこの生命倫理4原則の具体論を語っているようです。“医療とは何なのか”、“人の命とは”などを議論すると胃ろうの問題と重なることが多いのです。人の生命は必ず途絶えます。死をもって医療の敗北とするならば医療は古来より一度たりとも勝っていないのです。ですから、医療は治すことだけでなく苦しみを和らげたり癒すことも大事なのです。
高橋先生の“どうしてPEGは減ったのでしょうか”は、医療に携わる者たちの深層心理を突いています。まったく同感です。二宮さんは、真摯に胃ろうを考えてきた人ですが、決して胃ろう崇拝者ではありません。今こそ、澄んだ目で胃ろうを見てほしいというメッセージのように思えます。リハ栄養やオピニオンも具体的な提示があり興味深かったです。櫻井先生の高齢化を見据えた栄養管理も時代を先取りした内容で、歯科との連携は必須であることを感じさせられました。
(2018年7月13日発行)
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※現在公開中のPDN通信は、創刊号~第10号まで。順次追加していく予定です。
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