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患者と医療者のための情報誌「PDN通信」第65号のご案内

【巻頭言】地域のみんな(多職種)支える在宅胃ろう患者-北美原クリニック 院長 岡田晋吾
【特集 高齢者医療の今①】「まだ食べられる時期」は貴重な時間-聖ヨハネ会桜町病院 在宅診療部長 ホスピス科医師/広島大学医学部 客員准教授 大井裕子
【PDN通信第65号編集後記】

【巻頭言】地域のみんな(多職種)支える在宅胃ろう患者

北美原クリニック 院長 岡田晋吾

【特集 高齢者医療の今①】「まだ食べられる時期」は貴重な時間

聖ヨハネ会桜町病院 在宅診療部長・ホスピス科医師/
広島大学医学部 客員准教授 大井裕子

【特集 高齢者医療の今②】命の話をしよう。将来の日本を見据えた看取り

かなまち慈優クリニック 院長 髙山哲朗

【特集 高齢者医療の今③】今再びPEGの適応を問う

田無病院 院長/PDN副理事長 丸山道生

【Opinion ~私はこう思う~】

[医師]「食べる」気持ちを理解する
社会医療法人緑壮会 金田病院 副院長 三村卓司

[歯科医師]
オーラルフレイル予防の地域活動
 金沢市「歯つらつ健康プログラム」について
公立能総合病院 歯科口腔外科部長 長谷剛志

[管理栄養士]どこにいても食べる機能にあった食事を食べ続けるために

特別養護老人ホームすずうらホーム 大場泉

[エッセイ]~医の周辺~④ 私の中の名医

エッセイスト 溝川徳二

[患者]ALSと診断されて10年目…生きる事を決心した日

胃ろう患者 佐藤弘二

【栄養管理の論点 歯科医の栄養管理②】
「咀嚼」と「嚥下」の療法に関わる歯科医の新しい取り組み

札幌西円山病院 歯科診療部長 藤本篤士

【リハ栄養講座②】経口摂取は、最良の栄養療法!

熊本リハビリテーション病院 白石愛

【医療連携下での介護講座③】
認定特定行為業務従事者になるための介護職向け実務者研修の内容について

NPO法人多摩胃ろうネットワーク 大津陽子

PDN通信第65号編集後記

PDN通信第65号 編集後記  PDN理事長 鈴木 裕

 胃ろうが社会問題として認識されるようになってから約10年が経過しました。過去を振り返ると、生命をできるだけ長く延ばすことが医療の最大の目的でした。確かに1950年代は平均寿命が50代だったのですから、命を延ばすことを最重要視したのは頷けます。しかし、昨今では平均寿命は男性80歳、女性85歳を超えました。医学や医療技術の進歩が平均寿命を延ばしたのは疑う余地はありませんが、同時に今までになかった新しい考え方、すなわち生命の質や自己決定などを考える学問、生命倫理学が胎動してきたのは自然の流れのような気がします。

 丸山先生の“今、再びPEGの適応を問う”は、胃ろうに纏わるもやもや感を払拭してくれる内容でした。そもそも、胃ろうの良し悪しを議論するのに、病気や重症度を考慮しないのは問題外です。生命倫理はしっかりとした医療に裏付けられているのが前提です。

  患者さんの佐藤弘二さんの“生きることを決心した日”は読み応えがありました。患者さんの葛藤と心の叫びは、私たち医療従事者は肝に銘じなければなりません。

 私の尊敬する岡田先生の“地域のみんな(多職種)で支える在宅胃ろう患者”も共感しました。地域包括ケアシステムの構築なしで、在宅医療は語れません。

 藤本先生の“「咀嚼」と「嚥下」の両方に関わる歯科医の新しい取り組み”も目から鱗です。“モノを食べるという当たり前のことが、医療界で見直されています”この当たり前のことが議論されていること自体が、何とも不思議で時代を反映しているように思われます。また、リハ栄養の白石さんの記事も興味深い内容でした。“経口摂取は、最良の栄養療法”、その通りですネ。

 高山先生は、臨床医と数学者のふたつの顔を持った珍しい医師です。“命の話をしよう 将来の日本を見据えた看取り”は、そんなに遠くない将来、日本の大きなテーマとなっていることでしょう。

 大井先生の“「まだ食べられる時期」は貴重な時間”も考えさせられる内容でした。人は必ず死を迎えます。その絶対避けられない事実への心構えを学んだような気がします。

 三村先生、長谷先生、大場さん、溝川さんの記事も大変興味深く読ませていただきました。紙面の関係からコメントできないのが残念です。

 最後に、大津さんの、“介護職員でも医療行為を行うことができる”は是非、医療者に読んでいただきたいです。知っているようで知らない内容です。大津さんは(年齢は近いのですが)、母のような存在です。記事に大津さんのお人柄が伺われます。

 今回の65号の内容は、本当に読み応えがありました。執筆者の先生方に感謝いたします。

(2018年10月19日発行)

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