患者と医療者のための情報誌「PDN通信」第67号のご案内
PDN通信第67号 編集後記 PDN理事長 鈴木 裕
最近、講演会などで胃ろうの数奇な運命についてよくお話しします。胃ろう(PEG)が欧米でbreake throughした1980~1995年頃は、日本ではほとんど話題にもなりませんでした。1995~2000年になると研究会や講演会などで積極的に取り上げられ、胃ろうは少しずつ臨床現場に現れ始めます。丁度その頃、胃ろうの情報発信や相談を目的にPDNが発足します。2000~2010年は、盲目的? に、とりあえず胃ろうが行われました。そして、2010~2015年には、今度は一転して胃ろうの問題点がマスコミを中心に取り上げられ、まさにバッシングの渦に巻き込まれます。2015年頃からは、少し冷静さを取り戻、現在に至っています。これを簡単に言うと、ゼロ(なし)/流行/見直し/選択です。そう考えると、私が数奇な運命と表現したのは勘違いで、世の中の物や考え方と何ら変わりません。見直しと選択の時期を向えた胃ろうは、その真の実力が問われています。食べられないから胃ろうではなく、この患者さんに胃ろうをつくると何ができるのか、辛さを和らげられるのか、幸せに結び付けられるのか等を真剣に考える代になったのです。
67号のPDN通信は、胃ろうがどうあるべきかの本質に触れています。口腔機能低下症も時代を先取りした新しい疾患概念です。学会とNPOがリンクして患者さんの意見を大切にするなど、明日の医療の道標を模索しているような気持ちです。
(2019年4月19日発行)
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※現在公開中のPDN通信は、創刊号~第10号まで。順次追加していく予定です。
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