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患者と医療者のための情報誌「PDN通信」第69号のご案内

【巻頭言】胃ろう問題が切り開いた市民参加型医療の扉-東葛クリニック病院 秋山和宏
【特集 口腔機能低下症・嚥下障害と栄養管理】オーラルフレイル・口腔機能低下症が低栄養を引き起こす-東京医科歯科大学 上田貴之
【特集 病院・施設の食事探訪②】なめらか食-千葉県がんセンター

【巻頭言】胃ろう問題が切り開いた市民参加型医療の扉

東葛クリニック病院 副院長 秋山和宏

【特集 口腔機能低下症・嚥下障害と栄養管理②】

オーラルフレイル・口腔機能低下症が低栄養を引き起こす

東京歯科大学 老年歯科補綴学講座 主任教授 上田貴之

【疾患別PEG適応②】アルツハイマー病と胃ろう増設の関係性とは

国際医療福祉大学病院 脳神経内科 小川朋子

【Opinion ~私はこう思う~】

[医師]『NST活動での悩み』正しい栄養管理の提言なのに…
留萌市立病院 外科 診療部長 星 智和

[歯科医師]ICTを用いた嚥下障害への対応
聖翔会リーデンタルクリニック 川嶋美奈 
東京医科歯科大学大学院 吉中 晋

[看護師]地域の中で活躍するWOCナースの役割り

医療法人社団法人東山会 調布東山病院 櫻井有世

[管理栄養士]歯科医師のもとで取り組む在宅での栄養指導

日本歯科大学 口腔リハビリテーション多摩クリニック 尾関麻衣子

【PDNセミナーレポート】第6回 那須栄養リハビリ研究会

主催:那須栄養リハビリ研究会  共催:NPO法人PDN

 

【クリニカルインタビュー第5回】神経難病と経腸栄養管理

東京都立神経病院 脳神経内科 医長 木田耕太

【PDNセミナーレポート】第7回 日本在宅栄養管理学会学術集会

          心不全患者の栄養療法最前線

講師 東京医科大学病院 栄養管理科科長 宮澤 靖  
座長 福岡クリニック在宅部 栄養課課長 中村育

【障害児看護と栄養管理】胃ろうを要する子ども達

社会医療法人河北医療財団 多摩事業部 あい訪問看護ステーション 
日本重症心身障害福祉協会認定 重症心身障害看護師 岸野美由紀

【病院・施設の食事探訪②】終末期の「おいしく食べたい」に応える なめらか食

千葉県がんセンター (千葉県千葉市)

PDNショップ

PDN通信第69号編集後記

PDN通信第69号 編集後記  PDN理事長 鈴木 裕

 巻頭言で秋山先生が強調された「次世代医療は、市民参加型医療であると提言します」に私も共感します。平成23年に日本老年医学会のステイトメント「高齢者の摂食嚥下障害に対する人工的な水分・栄養補給法の導入をめぐる意思決定プロセスの整備とガイドライン作成」は、国民を巻き込んで高齢者の生き方、死に方を考える日本の医療の分岐点に係わったように思われます。胃瘻は正しく使われれば、日本においては他の栄養補給法(経鼻胃管からの経腸栄養や高カロリー輸液)に比べて患者さんの全身状態を改善し、ご家族の負担や医療費を軽減します。しかし、患者さんを幸せにしているかどうかはよく分からないのが現実です。少なくとも高齢者医療には、従来の生存率や医療費だけで議論できない時代に突入したのです。
 私は予てより胃瘻の適応を議論するには、疾患とその重症度を考慮すべきと主張してきました。癌医療に当てはめれば、白血病と膵臓癌を同じ尺度で適応の議論はしません。アルツハイマーの末期と改善の見込みのある脳溢血を同じに考える人もいないはずです。早期癌と進行癌も同様です。胃瘻の適応を考える時、少なくとも疾患とその重症度を考慮しなければ正しい議論ができないのです。今回、小川先生にアルツハイマー病を病期に照らし合わせて適応を議論して頂きました。今後、NPO法人PDNは、PEG在宅医療学会と連携して、疾患とその重症度を考慮した胃瘻の適応を模索したいと考えています。 胃瘻は、ただ単なる栄養ルートではなく、栄養学的、経済学的、生命倫理的な問題を常に考え、患者さんやご家族にも医療チームとして参画する次世代医療の始まりの狼煙なのかもしれません。 最後に、執筆の先生方の読み応えのある原稿、ありがとうございました。

(2019年10月18日発行)

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