患者と医療者のための情報誌「PDN通信」第70号のご案内
PDN通信第70号 編集後記 PDN理事長 鈴木 裕
西口先生の巻頭言が印象的です。PEGはその時々で評価が大きく異なりました。2000年頃はとりあえずPEG、2012年以降になると、とりあえずPEG以外に変わったのです。考えてみると、とりあえずPEGはわかりやすいです。食べられないからPEGだったのです。でも、とりあえずPEG以外の解釈は複雑です。PEGを擁護する医療者たちは、2012年に日本老年医学会が高齢者の終末期医療における立場表明(PEGを含む経管栄養の差し控えや撤退を選択肢として考慮する必要がある)がターニングポイントになったと言います。しかし、私は、そうは思いません。日本(国)が高齢者医療の代表格であるPEGを抑制したのです。理由はここであえて触れません。だから、西口先生が言われるPEGの日本のエビデンスを構築しなければならないのです。
真崎先生のPEG vs TPNは、医療者のみならず行政を預かる方々にもぜひ読んでいただきたい内容です。菊谷先生のお話しは、あまりにも当たり前の話ですが、核心を突いています。頭頚部がんは、菊池先生に詳細に解説いただきました。私事ではありますが、この頭頚部がんのPEGは、20年前に私の後輩の故・二宮龍太が命がけで取り組んだ仕事です。オピニオンも読みごたえのある内容ばかりです。アルツハイマー型認知症の終末期は説得力がありました。
最後にPEGを取り巻く環境は混沌としています。何が真実で何が誤りなのかがよくわかりません。だから、私たちはエビデンスを模索しなければならないのです。
(2020年1月31日発行)
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※現在公開中のPDN通信は、創刊号~第10号まで。順次追加していく予定です。
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