第2回佐賀PDNセミナーは8月29日、第1回の70名を大幅に超える200名近い参加者が佐賀県唐津市に集まり、大盛況裡に開催されました。
一般演題では4題の発表があり、消化器内科の観点から合併症や臨床的予後について、脳外科の観点から脳卒中後の胃瘻造設について、いずれも大変興味深い発表でした。
また講演は、前回セミナー時のアンケートにて要望の多かった「スキンケア」と「地域連携」について企画しました。まず武雄市民病院外来師長の江口忍先生に、「事例から学ぶ胃瘻造設患者のスキンケア」について実際の症例を提示しながら分かりやすく講演して頂きました。特に印象深かったのは「私は胃瘻造設のときは出来る限り内視鏡室に足を運ぶようにしている」というところです。このような看護師長さんがはたしてどのくらいいるでしょうか?また医師へのメッセージとして「話がきちんとできる医師と仕事をしたい」ということをおっしゃってあり、我々医師には多少耳が痛い内容でありました。江口先生がこの言葉を言われた後、会場から自然発生的に拍手が沸き起こったことを付け加えておきたいと思います。
「地域連携」については前橋赤十字病院消化器外科部長の小川哲史先生に「群馬県における胃ろうネットワーク作り」について話して頂きました。当初名前だけでいいからということで病院のNSTチェアマンに任命されて7年、今や群馬県での強固なそして顔と人柄の見えるネットワークを作り上げられました。まさに小川先生の強烈なリーダーシップと迅速な行動力の賜物であると痛感させられました。
佐賀における胃瘻ネットワーク作りはまだまだ始まったばかりです。しかし会場の熱気、参加人数などから今後の可能性を感じずにはいられませんでした。今は小さな芽ですがこれが今後大きな花を咲かせ、そして新しい波を作っていくと信じたいと思います。