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第1回東京城北地区PDNセミナー開催報告


日  時 平成19年4月14日(土)  14:00~17:00
場  所 ハイライフプラザいたばし

 平成19年4月14日(土)14:00~17:00、JR埼京線板橋駅前、ハイライフプラザいたばしB・C会議室にて、東京23区では2番目となる東京城北地区(豊島・北・板橋・練馬)PDNセミナーが開催された。

 参加者は医療・介護従事者107名に、世話人・症例発表演者、共催メーカー関係者など、総勢135名。参加者107名の内訳は以下の通り。



<職種別内訳>
看護師:71名(66%)
栄養士:20名(19%)
介護関係者:9名(8%)
医師:5名(8%)
その他:2名(2%)
<施設別内訳>
病・医院:58施設(54%)
特養:22施設(21%)
訪問看護st:13施設(12%)
老健:7施設(6%)
高齢者集合住宅:3施設(3%)
その他:4施設(4%)
●安全・快適な胃瘻ライフを支えよう

 第1部「症例発表」のトップは小豆沢病院看護部の生方由美子先生。PEG患者さんの情報共有及び管理はファイルメーカーを使用してパソコンで行なっているとのこと。内視鏡室のナースが入力を行うという負担はあるものの、交換に伴う物品の準備や次回交換日の確認などがスムーズに行なえるというメリットがある。病院全体としての今後の課題として、退院後の患者さんも含めたNSTの介入、胃瘻回診の実現、真に患者さんが中心となる環境の構築をあげられた。

 木村牧角病院看護部の細田純子先生は、経腸栄養のメリットとして、腸管を使用することによる生理的作用(全身状態の改善)・身体的精神的苦痛が軽減されることによるリハビリや経口摂取への意欲向上の発現、また褥瘡治療における特殊濃厚流動食の効果などを発表された。

 台東区立特別養護老人ホーム三ノ輪看護部の仁木薫先生は、区内の高齢化率や特養入所待機期間、介護施設でのPEG患者さん受け入れの現状を説明。さらに胃瘻からの栄養投与が医療行為として介護職が行えない行為であるという制限、及び現状に即していない国の基準などがネックとなって受け入れを制限をせざるをえない状況を訴えられた。限られたスタッフで利用者の希望に応えられるよう、半固形化流動食の導入で栄養投与時間を短縮するなど(これによって施設利用者50人のうち、胃瘻患者さんの受け入れが3人から4人になったそうだ)、医療ニーズの高い方を受け入れる工夫・システムが必要であることを呼びかけられた。

 東京都老人医療センター神経内科の金丸和富先生は、同院における胃瘻造設及び交換の現状を報告された。神経内科という性格上、神経難病患者も対象としているので、それらの疾患治療や投薬との兼ね合いもあり、非常に慎重に行なわれている印象を受けた。

第二部「教育講演」は帝京大学外科教授の福島亮治先生が「PEG 造設・管理の基礎」を、最新の造設・交換キットの紹介も含めて説明された。胃瘻造設を必要とする方は低栄養状態の方が多く、細胞組織も脆弱なため、胃内への送気の段階から慎重に行なうよう注意を呼びかけられた。

 第三部の質疑応答は、事前に受けていた質問を含め、演者や世話人の先生方にもご回答いただき、日頃の疑問の解決につなげていただいた。予定の16:30閉会を大幅に超過し、17:00過ぎまで延長したが、多くの参加者が退席せずに最後まで耳を傾けていた。


●当番世話人ごとの多彩な企画

 城北地区PDNセミナーは10名の世話人の先生方により運営される。当番世話人制をとり、事前の世話人会で方向性や開催時期を検討している。世話人の先生方は以下の通り。


帝京大学医学部附属病院外科 福島 亮治先生
帝京大学医学部附属病院内科 山本 貴嗣先生
東京都老人医療センター外科 黒岩 厚二郎先生
東京都老人医療センター神経内科 金丸 和富先生
医療法人財団健康文化会小豆沢病院看護部 生方 由美子先生
医療法人財団健康文化会小豆沢病院訪問看護 大見 裕美先生
※ 同院看護部 堤有里先生も次回より復帰・参加される
医療法人社団明芳会板橋中央総合病院外科 松山 秀樹先生
練馬総合病院内科 安部 幸一先生
東京都立豊島病院外科  長濱 雄志先生
東京武蔵野病院内科 泉 正樹先生
        

 初回はPDN理事でもある帝京大学外科教授の福島先生のデザインで症例発表+教育講演という構成だったが、今後、ワークショップやシンポジウムも含め、世話人の先生やその施設の性格から多彩な企画が登場するものと思われる。

 次回、第2回は10月13日(土)開催。当番世話人は堤師長・生方師長を中心とした小豆沢病院看護部のみなさん。院内、在宅、施設といったあらゆる環境での胃瘻患者さんをサポートしている小豆沢病院ならでは企画を期待している。

 多施設の世話人の先生方が世話人会を開くには、スケジュールや会場確保の点でなかなか困難である。そのため、城北地区ではセミナー当日の開催前の時間を世話人会にあて、当日の打合せ確認及び次回の内容についての検討を行なうようにしている。すでに第3回の当番世話人は、東京都老人医療センターの黒岩・金丸両先生に決定している。

 知識や技術の底上げと同時に、高齢者医療という視点からも俯瞰していかざるをえない胃瘻と栄養のPDNセミナーに、企画・参加ともに多くの方に加わっていただき、PDNセミナーを育てていただきたいと思う。

(報告者:PDN事務局 岡崎)

世話人・発表の先生方 福島先生 会場の風景
世話人・発表の先生方 福島先生 会場の風景


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