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好物は口から 薬は胃瘻から!

2000年2月末頃、風邪ぎみにて嘔吐、食欲ゼロという状態となり、かかりつけの医師に往診して頂き即点滴500ccを4回程して頂きましたが衰弱激しく、3月4日から5日にかけて臀部に”褥瘡”まで出来てしまい、緊急入院いたしました。

入院中も点滴を続けて頂きましたが、糖尿病もあることとて仲々思う様に体力回復せずで思案しておりましたところ、鈴木先生よりPEGの丁寧な御説明を受け、家族一同大賛成ですぐに手術をお願いいたしました次第です。

そして2日目には顔色に紅がさし、みるみるうちに元気になって参りました。”褥瘡”(とこずれ)と云うのは私の知識の中では、永い間動かさず寝ている方がかかるものと思っていましたのに、栄養不足、脱水状態でしかも半日と云わず2~3時間で出来てしまうものだと体験し、驚いてしまいました。はじめは直径8センチ5ミリ、深さ1センチ以上という大きなケロイド状のキズが、それは永いことかかると覚悟しておりましたが、これもペグのお陰で栄養の補給が思うように出来ましたので、自宅で訪問看護婦さんの手当てを受け8カ月で完治し、1個所だけで他に出来なかったことが幸運であったと思っています。

この間胃瘻からの栄養は、始めは1日3回(朝昼晩)でしたが、お陰でぐんぐん体力がついてきました。口からの食事もはじめはアイスクリームや好物の果物を、次第にお寿司なども頂けるようになり、だんだんと多くなりました。半年ほどの頃から、朝晩2回胃瘻からの栄養を補給する様になり、好きな物は口から、飲みにくい漢方薬、その他のお薬はお湯にとかして胃瘻からということで、この頃では娘達と談笑しながらすごしています。

食事も今では普通に何でも頂けますし、糖尿病の方も何とか落ち着いた状態でおりますので、私としても安心というところです。鈴木先生に出合い、PEGのおかげでここまで元気になったものと感謝しております。

施術者:水上 四郎(83歳)

栄養不良・脱水・褥瘡
PEG歴:1年3ヶ月

筆者:水上 敬子(妻)