飛田洋さん

なにくそ!俺はここにいる137

京都府 飛田洋さん(70歳)

飛田洋さんは、平成10年11月に脳梗塞を発症しました。

完全四肢麻痺、構音障害、嚥下障害を認め、入院中に胃ろう造設術、気管切開術が施行されました。平成12年6月に在宅へ移行され、かすかに動くようになった指先でパソコンを操り、創作活動を続けています。

毎日書きためたものは、月刊誌としてまとめられ、製本されています。

FAX送信のご挨拶

考えてみれば今月は一月、正月と云えば一年の計、云々を
子供時代から三が日の礼儀としきたりを仕込まれてたが、
私の様な話せず動けぬ寝たきり爺には盆も暮も連休もない

ただ、変りなく毎日が明け暮れるだけで、世捨て人ならぬ
世拗ね人に、すっかり成りつつある。今年もどうぞ宜しく

【俺流・文句と違う・ぶんくやで】

※ 保護法は ウサギ被災地 カメ以下か

※ 世の中は 思わぬことに 過ぎて行く

※ 何のこと 誰のことやら ぶんく詠む

※ 不便でも 不満を云わぬ 足るを知る

※ 木枯しと 風邪の季節に なりにけり

※ 悪しき法 良き法なのか わかりかね

※ 仲間割れ みんなの誓い ホゴとなり

※ 晴雨より 気温気にする 暮らしかな

※ 動かねば 何も変わらぬ はじまらぬ

※ 何もせぬ 奴は怪我せぬ ミスはせぬ

※ 相手せず 怒り押さえろ 無視をしろ

※ 嫌だから 子供みたいに 僕や~めた

※ 日本での 官僚暮らしに ホッとする

※ 髭剃りを 彼女だけしか 言い出さぬ

※ 知名度で 政治出来るか まかす気か

※ 講和して 握手しながら むしかえす

このところ、やたらと自然災害を耳に聞く。治山治水を
疎かにしたせいかも?

平成26年1月1日(水曜日)

飛田 洋

浪花の商人

ゲンキだね


『一』
北やミナミと  張り合うて
励み合うたり  きそうのが
 それが浪花の  あきんどや
せまい船場の  しきたりを ☆1
守り抜くのは  しがらみや

『二』
お店染め抜く  まえだれで ☆2
暖簾背負う気  させるのが
 それが浪花の  あきんどや
損を気にして  泣くよりも
始末するんや  出をふせげ

『三』
恋はそろばん  ずくやない
はじく指など  持たぬのが
 それが浪花の  あきんどや
いくら新地に  行こうとも
淀のながれは  変わらへん

☆1 船場~せんば

☆2 お店~おたな


『一』
爺さん自称   ハンサムで ☆1
婆さん常時   すっぴんよ ☆2
 昔はどうか   知らねども
 思い違いは   あるものだ
 老いて益々   ゲンキだね

『二』
爺さん長く   寝っぱなし
婆さん介護   しっぱなし
 自宅で看護   するならば
 それは大変   なのだから
 赤ら顔でも   ゲンキだよ

『三』
爺さん臭く   なってきた
婆さん強く   なっている
 昔のままで   いてたなら
 若い者らの   出る場ない
 涎くりでも   ゲンキだよ ☆3

☆1 爺~じい 

☆2 婆~ばあ 

☆3 涎~よだれ


京都雲母坂

本人しだい


『一』
山に 描いた  大文字
点す 送り火  盆供養 ☆1
京都 迷い地  雲母坂 ☆2
君と 訪ねた  旅の宿
辿る 月日は  走去り
遠く 届くは  寺の鐘

『二』
細い 迷路の  続く道
風が 優しく  頬渡る
京都 最終て  雲母坂 ☆3
花を 被った  白川女 ☆4
今も 変らず  町中に
早い 朝でも  急ぎ足

『三』
愛と 離れて  二年半
未練 断切る  忘れ旅
京都 名残の  雲母坂
生れ 変って  黄昏の
郷に 帰ろか  故郷へ ☆5
一人 悲しく  涙ぐむ

☆1 点す~ともす  

☆2 雲母~きらら  

☆3 最終て~さいはて 

☆4 白川女~しらかわめ

☆5 郷~くに   


『一』
星のせいだと  逃げるけど
それが甘えだ  ゆるされぬ
すべて従がう  義理はなく
むしろ逆らう  覇気を出せ
 逃げの一手を  打つよりも
 本人しだいで  ないだろか

『二』
親のせいだと  ほざくけど
それは卑怯だ  らしくない ☆
みんな流れに  泣いてるか
違う芽を出し  咲かせてる
 妥協するのも  やらぬのも
 本人しだいで  あるまいか

『三』
奴のせいだと  言うけれど
そんな転嫁は  良くないぞ
後で言い出す  馬鹿よりも
先に知惠出し  事故するな
 何だかんだと  あるけれど
 本人しだいだ  なにもかも

☆ 卑怯~ひきょう


皆はそれでも生きている

晦日の風呂はパスするぞ


『一』
一度や二度の  しくじりで
弱音吐くなよ  逃げ出すな
 三度ヘマする  ドジはせぬ
 そんな思いを  抱きながら
  何だかんだは  ありながら
  皆はそれでも  生きている ☆

『二』
知識や知恵を  武器にして
渡るこの世も  おもしろい
 汗を惜しまず  どろんこで
 骨を折るのも  価値があり
  迷いながらも  それなりに
  皆はそれでも  生きている

『三』
努力と意地を  プラスして
工夫かさねて  つづけよう
 吉と出たなら  良いけれど
 凶と出るのも  運じゃもの
  何もわからず  とりあえず
  皆はそれでも  生きている

☆ 皆~みんな


『一』
準備もあるし  不意もある
そこに仕事を  増やせるか
 晦日の風呂は  パスするぞ
俺は良いのだ  かまわない
垢で死ぬ気を  持たぬから ☆
 いつも普段と  変わらない

『二』
年越しそばも  食えぬ身だ
五つ・六つの  子でないぞ
 晦日の風呂は  パスするぞ
せめて祖先に  手を合わせ
元気してると  云いますか
 そして不様を  見せますか

『三』
風邪など貰い  たくないし
寒さひときわ  ありそうで
 晦日の風呂は  パスするぞ
俺は良いのだ  かまわない
汗をあんまり  かかぬよう
 部屋の温度も  下げている

☆ 垢~あか

主治医より一言

<<FAX送信のご挨拶>>

 明けましておめでとうございます。

 小生も今月で還暦です。自分自身にびっくりしますが、気持は三度目の成人式のつもりで、大いに人生を謳歌したいと思います。

 そう云う意味でも初心に戻り、“再び食べる為の胃ろう”の啓蒙に努力したいと思っています。今年もよろしくお願いします。