飛田洋さん

なにくそ!俺はここにいる143

京都府 飛田洋さん(71歳)

飛田洋さんは、平成10年11月に脳梗塞を発症しました。

完全四肢麻痺、構音障害、嚥下障害を認め、入院中に胃ろう造設術、気管切開術が施行されました。平成12年6月に在宅へ移行され、かすかに動くようになった指先でパソコンを操り、創作活動を続けています。

毎日書きためたものは、月刊誌としてまとめられ、製本されています。

【雑文暴論】⇒暴飲暴食

暴飲暴食と云うが、私の場合は暴飲粗食であった。朝昼夜
とビールを食事代りに毎度飲んでいた。それでいて両親の
お抱え運転手を30年余り兼てて無事故でいたのが不思議、

手術で一命を取り止め、意識が戻って交通事故でなかって
安堵した。もし昔にペグを知ってたら、運転しながら食事
出来たと思うと、今更ながら残念でたまらない。

【俺流・文句と違う・ぶんくやで】

※ 痛むかと 人は問うけど さにあらず

※ 何をして 今日を過すか さしあたり

※ 雨だれが 梅雨を伝える さそうよに

※ 僅かでも 焦るいらつく さわぎだす

※ 一人部屋 好きで選んだ さみしさよ

※ 生れつき 仕事みたいな さよならだ

※ 疲れでも ないが小指が ささくれる

※ 努力して おれば何とか さまになり

※ 重荷なく 身軽であれば さすらえた

※ 平和ボケ 続けたいもの さいわいに

※ 寝不足で 遅刻までする サポーター

※ 云った事 やれぬ介護の さえぬフロ

※ バカ騒ぎ した空しさに さいなまれ

※ 頑固でも 流れに乗れよ さりげなく

外の世界では異常気象で大変だとか、私の居場所は実状が
全くわからない。皆様のご健康をお祈り申し上げます。

平成26年7月1日(日曜日)

飛田 洋

変わらない

八つ当たり !


『一』
十と五年は   越えたのに
 何も違わぬ   変わらない
せめて口笛   吹けたなら
 懐メロ等で   しりとりさ
それで随分   くつろげて
 退屈凌ぎが   出来るのさ

『二』
十と五年は   過ぎたのに
 余り景色は   変わらない
丸い時計は   見飽きたが
 正しい時を   きざんでる
終の棲家に   なるだろか
 何の異存が   あるものか

『三』
十と五年は   暮らしても
 俺の見込は   変わらない
手先動けば   スマホとか
 携帯メール   こなせたろ
夢と希望は   ないけれど
 部屋の主で   ここにいる ☆

☆ 主~あるじ


『一』
思いちがいの  八つ当たり
幾度受けたか  聞いたやら
 悪気ないさと  済ますけど
 余り良い気は  しないもの
暗くなったり  しずんだり
俺にそんなの  似合わない

『二』
虐めもどきの  八つ当たり
毎度変わらぬ  言いがかり
 抗議したいが  云えなくて
 口を噛み締め  やり過ごす
不安うんだり  なやんだり
俺のこころは  やじろべえ

『三』
相手ちがいの  八つ当たり
何度受けたか  とばっちり
 悪く取る気は  ないけれど
 とても嬉しく  取れぬのさ
嘆き呼んだり  へこんだり
俺はしないぞ  なにくそだ


私が死んだらどうするの

思い過ごしは良くないぞ


『一』
私が死んだら  どうするの
 なんて不安を  あおるけど
  後は知らない  ケセラセラ
何処か施設の  世話になり
 空をぼんやり  見上げつつ
  遅れながらも  追うかもね

『二』
私が死んだら  どうするの
 いつも通りの  問いかけに
  何もわからぬ  ケセラセラ
希望なんかは  持てぬから
 過去の貴女と  いるだけで
  たぶん空しい  日々かもね

『三』
私が死んだら  どうするの
 そんな嫌味は  よしてくれ
  先に逝かせぬ  ケセラセラ
苦労ばかりを  かけたまま
 次のあの世で  出逢うまで
  せめて長生き  しておくれ


『一』
元はこちらの  所為だけど
思い込みでの  世話だけは
遠慮したいね  やめてくれ
 云える立場で  ないけれど
 それを承知で  たのんでる
  思い過ごしは  良くないぞ

『二』
悪いクセだよ  知らぬ間に
思い込みから  しくじりの
何度あやまち  したのやら
 せめる気持は  ないけれど
 早い目きりが  ヘマを呼ぶ
  思い過ごしは  良くないぞ

『三』
下手な嘘だよ  ボロ出して
思い込みから  とりあえず
口にするのは  済みません
 丁稚奉公じゃ  あるまいし
 その場凌ぎの  ごまかしか
  思い過ごしは  良くないぞ


稼がぬ詞なら書いてるが

俺はパソコンはなせない


『一』
稼がぬ詞なら  書いてるが
俺にとっては  ひまつぶし
 夢を抱いてた  過去だけど
 二足ワラジと  あきらめた
家業まかされ  背負わされ
仕事いのちに  代えてきた

『二』
稼がぬ詞なら  手なぐさみ
指のリハビリ  そのつもり
 汗にまみれた  よろこびと
 意欲なんかと  取り替えだ
だから野望を  持つものか
無茶な未練は  捨てたのさ

『三』
稼がぬ詞なら  書いてるが
俺はとにかく  マイペース
 長くベッドに  いるせいか
 金になりそな  ネタもない
若い芽を摘み  踏むよりも
後をまかせて  とらわれぬ


『一』
俺はひたすら  パソコンで
ひとり尻取り  くりかえす
 時間つぶしを  やりながら
 刺激ないまま  ひきこもる
  記録代わりの  メモ兼ねて
  これを側から  はなせない

『二』
文句ぼやきを  パソコンで
書いて残すも  おもしろい
 プラス思考が  売りだから
 後ろ向きには  やるものか
  幼児みたいと  言われても
  夢中なんだな  はなせない

『三』
俺はひたすら  パソコンに
文字を集めて  明け暮れる
 時間つぶしに  やるだけで
 金を気にせぬ  ひまつぶし
  夢を持てずに  いるけれど
  これは愉快と  はなせない

主治医より一言

<<変わらない>>

 変わらないって凄いことですね。歳を重ねると変わらないことの難しさを痛感しています。