飛田洋さん

なにくそ!俺はここにいる150

京都府 飛田洋さん(71歳)

飛田洋さんは、平成10年11月に脳梗塞を発症しました。

完全四肢麻痺、構音障害、嚥下障害を認め、入院中に胃ろう造設術、気管切開術が施行されました。平成12年6月に在宅へ移行され、かすかに動くようになった指先でパソコンを操り、創作活動を続けています。

毎日書きためたものは、月刊誌としてまとめられ、製本されています。

【雑文暴論】⇒大雪

今年は年始から雪が多いらしい、私の部屋からは見えない
のだが、4,5日は大屋根からの突然の落雪音に驚かされた。

なんでも61年ぶりの事と報道で聞いたが私の記憶にない。

一年交代だった担任の先生や級友のフルネームが浮かんで
来ても、遊びまわるのに雪で困った記憶は出て来ない。

 多分全域でなく山間部か北部の地域限定の降雪量であり
都市部や私の住む校区とは関わりないみたい。

 それにしても豪雪地域に住む大変さを思い起こされた。

【俺流・文句と違う・ぶんくやで】

※ 迎えなく 年をあらたも しおれてる

※ まわり年 関わりないぞ 知るものか

※ 不細工と 冷かすアンタ シワないか

※ 久し振り でも変りなく 主治医どの

※ ご免ねと 言うてる君は しおらしい

※ パリ発の 出あう事ない 事件じゃな

※ 政治して しかける先に しかけられ

※ 非道過ぎ 思いもよらぬ 仕打ちなり

※ 掴んでて 感じぬものが しあわせだ

※ 挫折した 未練を背負い 詞のとりこ

※ 俺よりも せめて長生き しておくれ

今年も早や一ヶ月、色々と報道がありました。関りなく
拙い作品を送ります。皆様のご健康をお祈り申し上げます

平成27年2月1日(日曜日)

飛田 洋

夢のかけら

P介しゃん


『一』
昔お洒落も   着た切りで
それは超越   したみたい
 暑さ寒さを   しのげれば
 それで結構   なのですと
 夢の欠片を   抱いている

『二』
食の楽しみ   ないけれど
強い味方の   ペグがある
 嚥下忘れて   生きるのが
 何の為だか   わからぬが
 夢の欠片は   はなさない

『三』
たたみ一枚   ほどだけが
今の俺には   ふさわしい
 住めば都さ   このとおり
 誰が不遇と   決めつける
 夢の欠片が   あるものね


『一』
お元気ですが  P介ピースケしゃん
 おさない頃の  呼び名では
  記憶ないかも  知らないね
体調こわした  そうですな
 気持ち次第の  ストレスに
  弱音吐くなよ  なにくそだ

『二』
覚えてますか  P介しゃん
 気分を変えて  みるのなら
  僕のトコまで  きませんか
介護の補佐を  やりながら
 一人ぼやきを  しませんか
  聞いて返事は  出来ぬけど

『三』
意欲は出ぬか  P介しゃん
 静かな部屋の  ここに来て
  僕の見張りを  してみぬか
会話はせぬが  パソコンで
 亀よりノロく  こたえるぞ
  楽になる気で  来てみたら


ひまつぶ詞

一人住まい


『一』
俺の書くのは  ひまつぶ詞
 時間つぶしで  書いてる詞
コツを忘れて  いるけれど
惚れた弱みで  今日になる
 刺激ないから  つらいけど
 記憶たよりに  知恵しぼる

『二』
俺のこの詞も  ひまつぶ詞
 誰も見ぬ詞で  読まれぬ詞
流れつかめば  乗れるのに
そうは問屋が  おろさない
 二行決めるか  決めぬかで
 ペース掴める  リズム乗る

『三』
俺のどの詞も  ひまつぶ詞
 覚悟した詞だ  下手な詞だ
無我の境地の  死語ならべ
天下ごめんの  マイペース
 どんな批評を  食らうとも
 参るものかよ  へこむかよ


『一』
一人寝ている  この部屋は
 節電なんかで  ないけれど
  冷やし過ぎだよ  冷え過ぎる
派手な動きを  持たぬから
 こんな温度で  良いのです
  どうも気配り  ありがとう

『二』
一人パソコン  するだけで
 我慢の範囲で  いてるから
  夏日なんかと  かかわらぬ
消費カロリー  エネルギー
 なしに等しい  暮らしです
  いつも気配り  すみません

『三』
一人住まいに  云うほどの
 節電なんかは  出来ぬけど
  塵も積もらす  つもりです
下手な騒ぎを  引き起こす
 予定ないので  悪しからず
  とても気配り  わかります


女房の良さを上げたなら

武田武士ではないけれど


『一』
女房の良さを  上げたなら
こんな試練に  出くわして
遙かかなたを  ふりかえる
 可愛い優しい  おとなしい
 素直で素朴で  おぼこくて
 確かこんなで  あったっけ

『二』
女房の良さを  上げたなら
こんな自問で  過ぎた日と
今を見ながら  そらんじる
 気強い優しい  たくましい
 素直で謙虚で  ひかえめが
 それは贔屓ひいき目  だったっけ

『三』
女房の良さを  上げたなら
こんな試験は  出ぬものか
出れば嬉しい  ありがたい
 気配り目配り  おもいやり
 素直な間抜の  おおらかさ
 だから今日迄  これたっけ


『一』
俺が死んでも  葬式出すな
 出せば費用が  無駄になる
長く寝ていた  この俺じゃ
忘れ去られて  あたりまえ
 希望聞くなら  寄附をして
 費用生かして  くれないか

『二』
俺が死んでも  葬式出すな
 出せば隠し子  あらわれる
特にこたえた  この俺じゃ
そんな愁いを  持ち込むか
 遺書の気持で  フロッピー
 割りと早くに  書いてある

『三』
俺が死んでも  葬式出すな
 出せば打算が  出て来るぞ
策士ぎらいの  この俺じゃ
相手出来ずで  寝ています
 家や土地には  しばられず
 身丈あわして  生きて行け


主治医より一言

〔雑文暴論〕⇒大雪

 1月2日の61年ぶりの大雪は、さすがに61歳の小生も記憶にありません。

 昭和56年の豪雪の時は、福井県鯖江の国立病院勤務で2階から病院に出入りしたり、定期的に屋根の雪下ろしをしていたので、大変良く記憶しています。

 今回の大雪では、お隣の玄関の雪かき(94歳の独居老人の方なので)をしたのですが、その後数日間腰痛で悩まされました。やっぱり61歳を実感した正月でした。