飛田洋さん

なにくそ!俺はここにいる158

京都府 飛田洋さん(72歳)

飛田洋さんは、平成10年11月に脳梗塞を発症しました。

完全四肢麻痺、構音障害、嚥下障害を認め、入院中に胃ろう造設術、気管切開術が施行されました。平成12年6月に在宅へ移行され、かすかに動くようになった指先でパソコンを操り、創作活動を続けています。

毎日書きためたものは、月刊誌としてまとめられ、製本されています。

【雑文暴論】⇒浅学の妄想

些か古い話で恐縮なのだが、福島原発の建屋前の地下水を
汲み上げて近海に放流するらしい。     どうせなら
製氷会社に委託して、汲み上げた地下水と原発汚染水を、
基準内にブレンドした東電水で作った、大きな氷の塊を、
台風発生源附近の日本海域に海洋投棄するのである。

雀の涙かも知れないが少しは海水温を下げ台風被害も激減
するだろう。

漁場の変化は漁業者に我慢して貰い、著しく損害を被った
漁業者には政府と東電が補償すべきで、東電は日本国内に
迷惑をかけたのだから当然である。

オフには密漁漁船団が出没する海域に投下し魚群を驚かせ
獲物を散らすのも、密漁船の予定が狂い、面白そうだ。

【俺流・文句と違う・ぶんくやで】

※ そのころは 俺も云えたな ついて来い

※ 地図見れず 記憶消え行く 津は三重か

※ 寝たきりに 元気はいらぬ つまらない

※ 降りしきり 湿度上がりぬ 梅雨に似て

※ 夜更かして 過去を巡るよ つれづれに

※ たしかめて 碁盤の目行く 都路とつじ

※ しりとりに 困りまくりの つの出出し

残暑を知らず秋を迎えるのは、私だけ?作品を送ります。

季節の変わり目、皆様のご健康をお祈り申し上げます。

平成27年10月1日(木曜日)

飛田 洋

≪不便不自由≫

≪食べる行為≫

二行きめる
『一』
不便不自由は  想定してる
手足マヒして  このざまだ
 だけど弱音は  絶対吐かぬ
こんな身体で  あるけれど
生きてる事は  ありがたい

『二』
不便不自由は  承知の上で
今は暮らしも  なれて来た
 だけど思いは  方向ちがい
苦情告げても  無理だから
云わぬが花と  無駄はせぬ

『三』
不便不自由は  工夫を誘う
そこに楽しみ  見つけてる
 苦心ばなしは  一杯ござる
介護されてる  身の上じゃ
本音の云える  わけがない

二行きめる
『一』
食べる行為が  出来ないと
咀嚼しないと  歯に来るぞ
私はどうにか  生きてるが
食べる楽しみ  ないなんて
我慢出来るか  やれますか

『二』
食べる行為は  手間取るが
嚥下しないと  老いが来る
随分デザート  ご無沙汰も
指示に従がう  処置なのか
誰も言わぬし  わからない

『三』
食べる行為を  あきらめて
いつも笑顔と  無理は言う
粗食が普段と  過ごしたが
何故か未練で  あふれてる
こんな運命は  泣けて来る


≪男やったら≫

≪平太しゃん≫

二行きめる
『一』
経験なんて
経験なんて   なんやなあ
計算通りに   行かんなあ
 一足す一は   二やけれど
 平凡過ぎて   おもろない
 男やったら   四や五やで

『二』
結婚なんて
結婚なんて   なんやなあ
思惑通りに   行かんなあ
 想いの人に   好かれんと
 意外な人が   惚の字やと
 男やったら   どないする

『三』
人生なんて
人生なんて   なんやなあ
文法通りに   行かんなあ
 文句意見を   云うたかて
 今日耳日曜   やすみする
 男やったら   気にしなや

二行きめる
『一』
寒くないかと  聞かれるが
ベッドにあしが  ついていて
寝てる高さも  ちがうのさ
 いつも気配り  してくれて
 小さな優しさ  ありがとう
  僕なら平気の  平太しゃん

『二』
寒くないかと  言うけれど
まったく外へ  出てないし
気温なんかを  気にしない
 温室みたいな  部屋だから
 夏冬ないので  悪しからず
  何とも平気な  平太しゃん

『三』
寒くないかと  聞くけれど
ばっちり覚悟  決めていて
我慢せずとも  耐えられる
 北と比べりゃ  なまぬるい
 被災地思えば  さわげない
  意外に平気な  平太しゃん


≪発想おなじで題材おなじ≫

≪文句ばかりと言うけれど≫

二行きめる
『一』
発想おなじで  悲しい事に
発想おなじで  題材おなじ
無理は承知で  奮闘してる
 退屈しのぎで  死に損いの
 時間つぶしの  苦肉の策だ
駄作ばかりで  悪しからず

『二』
着眼おなじで  寂しい限り
発想おなじで  題材おなじ
指摘されても  対応出来ぬ
 奮闘するよな  刺激は皆無
 確めたくとも  全身マヒで
期待はずれで  悪しからず

『三』
執着おなじで  空しい事で
発想おなじで  題材おなじ
理想追うなら  惨めさ残る
 運命うんめいだからと  嘆きを忘れ
 力のかぎりに  明日あしたに挑む
こんな事情を  悪しからず

二行きめる
『一』
文句ばかりと  言うけれど
 文句云えたら  しあわせだ
ご覧の通りの  ありさまで
 いつも流れに  のるがまま
思い過ごしで  ないのかい
 俺は云えない  気にするな

『二』
文句ばかりと  言うけれど
 仮に云えても  云わないね
くされ縁とは  云うものの
 口が腫れるよ  目が垂れる
ガーゼ咥えて  云えますか
 どんな耳して  聞くのやら

『三』
文句ばかりと  言うけれど
 文句ぼやける  わけがない
作詞もどきの  下手な詞が
 誤解させたら  悪しからず
思いようだよ  取りようだ
 悪く取るなよ  出来るだけ

主治医より一言

≪不便不自由≫

 少し前に“五体不満足”と云う本が出回っていたのを思い出しました。たしか、“障害は不便だけれど不幸ではありません”と云っておられたのが印象的でした。人間は不便不自由を感じて、それを改善する策を見つけていく動物だと思います。医学の分野でもアンテナを張り巡らせて、患者さんの不便不自由の改善に努めたいと思っています。これからも色々と御教示の程、宜しくお願いします。