飛田洋さん

なにくそ!俺はここにいる159

京都府 飛田洋さん(72歳)

飛田洋さんは、平成10年11月に脳梗塞を発症しました。

完全四肢麻痺、構音障害、嚥下障害を認め、入院中に胃ろう造設術、気管切開術が施行されました。平成12年6月に在宅へ移行され、かすかに動くようになった指先でパソコンを操り、創作活動を続けています。

毎日書きためたものは、月刊誌としてまとめられ、製本されています。

【雑文暴論】⇒三猿と四猿

【見ざる、聞かざる、云わざる】は【日光東照宮】にある
【佐甚五郎】の【三猿】で名高い。

【京都、東山三十六峰】【将軍塚】にある【栗田御所】に
【四猿】がいるらしい。

取材させて貰う事に成っていたが、機会を得なかったのが
残念である。

後のまつりで推測するならば【知らざる】ではなかろうか

【東山D.W】で30分足らず駅からバスが出ているはずだ

【ハイキング】がてらに歩くのも一考で、【青蓮院門蹟】
【南禅寺】に出られる、秋の散策も良い。

【俺流・文句と違う・ぶんくやで】

※ 不具合と 睨み合うのは 抜け出たい

※ 故障する 時がわからず ぬかるかな

※ 誰の趣味 興味わかない 縫いぐるみ

※ 怠けてる 暮しにさせる ぬるま湯よ

※ 心地良い 気持ち安らぐ 濡れタオル

※ どの口が 嘘をならべる ぬけぬけと

※ 腐るとも 嘆きを捨てた 主なのじゃ

※ 懐かしく 思い出すのが ぬか漬けよ

※ 苦労かけ 妻の手により 脱ぎ着する

先月はプリンターの老朽化で迷惑をかけてしまった。今回
は順調でと祈るのみ、皆様のご健康をお祈り申し上げます

平成27年11月1日(日曜日)

飛田 洋

≪男の段取り≫

≪老いぼれ爺≫

二行きめる
『一』
先することは  先にする
後することは  後にやる
 そいつが男の  段取りだ
身軽に気軽に  お手軽が
変なプライド  抱かせぬ

『二』
指図はしても  頼るなよ
文句や愚痴を  招かない
 そいつが男の  段取りだ
急がば廻れだ  焦るなよ
嫌なプライド  持込むな

『三』
自分のことは  自分だよ
他人でなくば  腹立たぬ
 そいつが男の  段取りだ
知恵と工夫と  あと努力
並のプライド  尻の屁だ

二行きめる
『一』
老いぼれ爺と  言われたら
俺はニヤリで  はぐらかす
 長くこうして  寝ているが
 やる気意欲が  あるだけに
 口にせぬけど  ゆるせない

『二』
老いぼれ爺で  あるけれど
俺はスンナリ  受けとめぬ
 世間並みには  くたびれて
 枯れる歳だと  わかるのに
 そんな気配が  起こらない

『三』
老いぼれ爺と  呼ばれても
俺はしっくり  こないのさ
 毎度寝ていて  起きていて
 動けないから  この不思議
 君はやれるが  耐えれるか


≪相手が違う≫

≪妄想ゲーム≫

二行きめる
『一』
文句ばかりを  言うけれど
俺にゃ関わり  ないことだ
 相手が違うぞ  相手が違う
いちいち反論  出来なくて
仕方ないから  聞いてるが
 時間無駄だよ  無駄なんだ

『二』
文句まじりの  愚痴ぼやき
腹にあるだけ  吐き出すが
 相手が違うぞ  相手が違う
聞き役だけで  生きていて
こんな調子で  良いのかと
 惨めなんだよ  なんだよね

『三』
文句すなおに  聞いてるが
俺もたまるよ  ストレスが
 相手が違うぞ  相手が違う
ミミズの心臓  アリ並みか
面と向かえば  言えぬのか
 何とかならん  ならんのか

二行きめる
『一』
よれよれ爺と  言われても
 妄想ゲームで  ひまつぶす
見込ないのを  知りながら
夢を見るのは  良いものだ
 描くだけなら  自由だから
 文句言われぬ  気にならぬ

『二』
びんぼう症で  ないけれど
 妄想ゲームで  明け暮れる
元にもどれぬ  これまでを
今の気持ちで  ふりかえる
 描きまくれば  夜更かしも
 嫌になるまい  苦にならぬ

『三』
よれよれ爺の  たのしみは
 妄想ゲームの  ひまつぶし
残らないのを  知りながら
何だかんだと  やりなおす
 描くだけなら  とがめなく
 時間つぶしと  来たもんだ


≪昼寝していた所為なのか≫

≪貴女と死ぬ迄暮らしたい≫

二行きめる
『一』
昼寝していた  所為なのか
睡りたいけど  寝られない
 一人部屋なら  気にせぬが
 やけに静けさ  気にかかる
付き添う妻を  起こすよで
意識しすぎる  おろかさよ

『二』
昼寝していた  所為なのか
夜が更けても  寝つけない
 徹夜もどきは  なれて来て
 変な暮らしを  とがめるよ
 咽たり出来ぬ  咳きこめぬ
 焦る気持ちが  生まれてる

『三』
昼寝していた  所為なのか
睡る気がなく  寝られない
 下手に脳みそ  いらつかせ
 時間ばかりに  こだわるな
 ヒツジの数に  とらわれて
 明日になれば  パーですな

二行きめる
『一』
貴女と死ぬ迄  暮らしたい
 そんな想いで  惚れたのさ
ポイと煙草を  捨てるよな
 バカな俺では  ないのだよ
遊びの恋じゃ  ないぐらい
 今はわかって  くれるだろ

『二』
貫一お宮じゃ  ないけれど
 主税お蔦じゃ  ないけれど
義理も人情も  はねのける
 一途さだけが  取り得だぜ
台詞せりふはかるく  聞こえても
 吐いた言葉は  ごまかさぬ

『三』
貴女と死ぬ迄  暮らしたい
 そんな願いは  変わらない
はじめ忘れて  土下座する
 下手な行為が  待つものか
恨みつらみや  口惜しさを
 のこる別れは  ありえない

主治医より一言

≪三猿と四猿≫

 早速調べたところ、青蓮院門跡の境内に尊勝院というお寺があって、そこに四猿像がある事がわかりました。全部で八体あって、オスとメスに分かれていて、よく見るとオスとメスの仕草が少し違うようです。

 見られた方の印象では、オス猿は目・耳・口をしっかり押さえているのに、メス猿はその手を少しずつずらしており、あまり真面目にやっていないようだとの事でした(笑)。

 ちなみに、四猿は股間を押さえた像で“しざる=行うなかれ”と云う事らしいです。色々な諸説があって、実際に行ってみたくなりました。