飛田洋さん

なにくそ!俺はここにいる166

京都府 飛田洋さん(73歳)

飛田洋さんは、平成10年11月に脳梗塞を発症しました。

完全四肢麻痺、構音障害、嚥下障害を認め、入院中に胃ろう造設術、気管切開術が施行されました。平成12年6月に在宅へ移行され、かすかに動くようになった指先でパソコンを操り、創作活動を続けています。

毎日書きためたものは、月刊誌としてまとめられ、製本されています。

無責任者の【雑文暴論】⇒【旧友、遠方より来たる。】


四男二女の、兄弟に囲まれ、その当時はさほど珍しくない
四番手として冷飯食いで育った私は独立心が強かったのか
高校時代の早くから家出を考えてたが家庭の事情で断念、

花登こばこの世界、丁稚奉公の夢は妄想に終わった。


世間は【四当五落】の受験戦争勃発、有名大学志望の兄達
は(1~3)年の自宅浪人。私は実力がないのでランクを下
げ、堂々と不思議に合格。【駅弁大學】が出来たのは、
その後で、母校は有名になり【偏差値】は高いそうです。


さて本題に入るが労働意欲の高かった私は義兄に頼み
社会体験と言う口実で夏休み期間を働かせて貰った。

一年後職場の後輩になった有名大学生の彼に無理を云って
体の空いてる時に私の家業を手伝って貰った関係である。


卒業後海外生活が続き定年後帰国し千葉に住むと私を探し
てくれたらしい。まさかこことは想像しなかったそうで
2010年11月には連絡があり、メール交換、真坂逢えるとは

50年ぶりにゴールデンウイークの歓談は妻の通訳入りでも
懐かしく夢のようだった


扇風機を見ずして朝夜暖房、昼冷房、気温に追随するには
早すぎる。私は我慢しなくては・・・・・

お暑い中お世話をお掛けし今月も作品を送ります。

皆様のご健康をお祈り申し上げます。

平成28年6月1日(水曜日)

≪単純たの字≫

≪君に似た月≫

二行きめる
『一』
俺の通称    単純たの字
 不細工面の   評判で
 それで迷惑   かけてない
顔で生計    立てぬから
何と言わりょと 気にしてぬ

『二』
今も呼名は   単純たの字
 女房随分    我慢させ
 後の祭りを   悔やんでる
歳の加減か   老いぼれて
麻痺の体の   覇気失せる

『三』
俺の別名    単純たの字
 別に世間と   渡り合い
 特に運命に   逆らわぬ
寿命かぎりは  生き抜くが
既に覚悟は   出来ている

二行きめる
『一』
青い星降る   夏の夜
白い吹雪きの  冬の夜も
 国道沿いを   我が庭と
 帰りを歩く   デート道
君に似た月   ついて来る

 『二』
肩で風切る   生意気も
ゲスな化粧の  派手な娘も
 眼鏡にとても  写らない
 僕の好みと   違うのさ
そんな言葉を  思い出す

『三』
にわか雨には  相合傘で
肩を引寄せ   歩く仲
 昼間の暑さ   嘘のよう
 雨も苦手の   ガード下
遠い昔の    なつかしさ


≪痩せの我慢≫

≪昔・むかし≫

二行きめる
『一』
涼しい処と   比較して
 ここは暑いと  ケチつける
動かないから  世の中の
 お天気などが  気にならぬ
意識過剰は   横に置き
 無視か弱気か  二択じゃな

『二』
涼しい部屋に  居たからか
 ここはサウナと 決め付ける
見込ないのに  ねてるのに
 気温の事は  論外だ
騒ぎ出すのは  野暮ですぞ
 夏はこうした  季節だぞ

『三』
涼しい事も   良いけれど
 ここは我慢と  勉強だ
一人いるだけ  寝てるだけ
 気持ちは他を  向いている
痩せの我慢か  辛抱か
 下手な弱音を  吐くものか

二行きめる
『一』
昔・むかしの  事だけど
 遊びながらに  鍛えてた
  工夫と根気と  諸々を
懐かしいナア  懐かしい
 焼け跡廃墟で  たむろした
  戦後暮らしの  あの日々が

『二』
昔・むかしの  事だけど
 深夜ラジオの  リスナーは
  徹夜も恐れぬ  受験生
懐かしいナア  懐かしい
 バイト気分で  模擬テスト
  受験びたりの  あの日々よ

『三』
昔・むかしの  事だけど
 猫も杓子も   進学し
  ウサギ小屋へと 辿り着く
懐かしいナア  懐かしい
 自慢話も    してみたい
  元気盛りの   あの日々の


≪理屈抜いてのひまつぶし≫

≪白髪伸びたねロン毛だね≫

二行きめる
『一』
痛い事には   ヘタレにて
死への覚悟も  今一つ
 夢の欠片も   ないままに
 理屈抜いての  ひまつぶし
 朝が明ければ  引き篭り
 一人パソコン  イジルのみ

『二』
生きる資格と  生意気な
そんな権利の  空しさよ
 夢の欠片は   欲しいから
 理屈抜いての  ひまつぶし
 義務と責任   放棄して
 後のまつりを  口惜しがる

『三』
生きる励みが  貰えたら
まむし酒でも  飲んでやる
 夢の欠片も   影もなく
 理屈抜いての  ひまつぶし
 サプリ流行に  逆らって
 無駄な長生き  いただけぬ

二行きめる
『一』
白髪伸びたね  ロン毛だね
七十爺の    赤ら顔
 色気は捨てて  枯れ木にも
 生れ育ちの   身嗜み
ついでの時で  構わぬが
早くしたいよ  散髪したい

『二』
白髪伸びたね  ロン毛だね
節約なのさ   腹で云う
 色んなゲスが  いるけれど
 卑劣すぎたね  その極み
覚えていたら  毎回の
人で気ままに  散髪したい

『三』
白髪伸びたね  ロン毛だね
禿てる部分   隠せてる
 我慢は当り   前だけど
 今の季節に   不釣り合い
ついでの時に  頼まれて
予約願うよ   散髪したい


主治医より一言

無責任者の【雑文暴論】⇒【旧友、遠方より来たる。】

 50年振りに旧友に会われて、あいうえおの文字盤やワープロを使って(奥様の通訳も含め)楽しく歓談されたと聞き、大変嬉しく思います。バックトゥザフューチャーの気分になられたでしょうね。

 又、昨年末に施行した胃腫瘍の手術(ESD)の経過観察ならびに胃瘻交換を本日(6月6日)させていただきましたが、特に問題なく安心しました。今後とも、主治医が胃瘻交換を忘れている時には、宜しく御教示の程お願いします(笑)。