飛田洋さん

なにくそ!俺はここにいる171

京都府 飛田洋さん(74歳)

飛田洋さんは、平成10年11月に脳梗塞を発症しました。

完全四肢麻痺、構音障害、嚥下障害を認め、入院中に胃ろう造設術、気管切開術が施行されました。平成12年6月に在宅へ移行され、かすかに動くようになった指先でパソコンを操り、創作活動を続けています。

毎日書きためたものは、月刊誌としてまとめられ、製本されています。

  ハンサ・無責任の《個人の言い訳》  平成29年4月1日


 エイプリルフールでA型がエエ加減な嘘もどきを書き始めた。エイプリルフールだが適当な嘘は書かない。なんてこれが嘘。

 突然欠稿し本日まで音信不通、迷惑を、お詫びしながら、だらだらと、牛のよだれの如くに《個人の言い訳》を申し上げる。そもそも自分に課した、ノルマの大幅な遅れに気が付き始め、もくもくと、パソコン作業に熱中したのが、去年の今頃の事。ペースを崩されたのが十月中旬、やはり突然に古くなった機種を買い換えてくれ、喜んでいたら、塞翁が馬。甘くないのが世の中。

 業者が家族に説明し、使う本人はベッドで、聞いているだけ、いざ画面を目の前にすると、全く操作手順が、浦島太郎状態。何しろパソコンを始めて、以来十六年余、H社製しか知らない。それが説明なく、許可なくF社製に変更されて、届けられ困った。

 十月十一日に間に合わない、途方に暮れてた。会社によって使用用語が違い、例えばプリントアウトが印刷という表示らしく、取扱が全く分からない。家族が心配するので平常の日課を送り、何食わぬ顔で居たが、PDNへの送稿を内心あきらめていた。

 配置配列の違い、保存保留法等私の疑問点を家族が質問、11月28日に、再度説明に来る事となった。当日イラストを作成、持参は結構だが、後期高齢者が新聞文字より小さな説明文を裸眼で読める筈がなく《仏作って魂入れず》、彼の説明は、役をなさなかった。何故なら既に独学で試行錯誤して身にした事ばかり。当然十二月分も送稿出来ぬ。操作トラブルで消去ミスを犯し、保存してある作品を、探すひまつぶしで、明け暮れていた。

 正月過ぎても音沙汰なく、お払箱かと、老兵の心境でした。二月に入り心配されているとの事で、改めてPCに挑戦、省エネ手抜による俺流時短策を開発中ですが、それでも以前に比べ複雑でこれも想定内で印刷される不確かなまま送稿致します。

 今後も送稿するなら、大至急、よろしくご連絡ください。

   ハンサ・無責任者の《新・ぶん句》

■ 頭痛して 奥歯も痛い ひなまつり
     伝えることの 難しきこと

■ 井の中の 蛙に似たる 人生よ
     知るも知らぬも 知らぬが仏

■ 俳句かと 短歌と迷う ぶん句かな
     余裕しだいで つれづれに読む

■ 決めつけて 行動おこすな 手を出すな
      思い込みから 迷惑してる

■ 連休も 糞も知らずに 生き抜いて
    年中休みの 今を過せり

■ 彼岸過ぎ 暖房頼む 気になれぬ
     あると思えば 寒さ和らぐ

■ 籠池も 豊洲築地も トランプも
    興味はあるが 関わりはなし

■ 大怪我で 土俵勤めた 稀勢の里
     努力なくして 奇跡うまれず

■ 完璧な 支配者出ぬと 知りながら
    烏合の衆は それを求める

≪応援宜しく≫

≪もたもた爺≫

二行きめる
『一』
代々の
阪神フアンと  思われる
作詞狂いの    ネタさがし
 結果夢中の    時過し
 今はさほどに   燃えてない
  だけど応援    宜しく頼みます

『二』
悠々の
阪神フアンと  言う割に
試合日時が    わからない
 時間潰しの    TV見て
 ゲーム半ばで   見始める
  だけど応援    宜しく頼みます

『三』
眈々と
阪神フアンは  続くけど
今年こそはに  又かいな
 打てぬ打線は  ダメ虎で
 熱くなれない  猫もどき
  だけど応援   宜しく頼みます

二行きめる
『一』
もたもたじじいと  呼ぶけれど
逆らわないサ  柳に風サ
 悪く取るより  女房に
 甘く生きたい  信じたい
達磨の様に   手足出ぬ
塩梅だけど   これで良い

『二』
もたもた爺と  呼ぶけれど
言わせてやるサ 豆腐に釘サ
 悲観するより  お気楽が
 生まれついての 性格さ
貧乏くじは   引いたけど
ご覧の通りで  ここにいる

『三』
もたもた爺と  呼ぶけれど
お互いさまサ  暖簾に腕サ
 暗く取るより  前向きに
 本音隠して   争わぬ
まん丸丸く   まん丸く
今では理想だ   目標だ


≪また来るねと行ったきり≫

≪二行きめるについてです≫

二行きめる
『一』
また来るねと  行ったきり
 口癖ですか   またですか
 同じ台詞は   古臭い
若い患者にゃ  めかし込み
化粧直して   早々と
失礼しますと  気取るかね

『二』
また来るねと  言ったきり
 勘弁してよ   またですか
 忙し過ぎる   勤務ぶり
シフト重視も  良いけれど
年寄虐め    程々で
我慢ばかりを  させないで

『三』
また来るねと  行ったきり
 限界ですよ   またですか
 お仕事置いて  雲隠れ
裏と本音を   見聞きして
爺さんらしく  渋々に
我慢するべと  泣き寝入り

二行きめる
『一』
二行きめるに  ついてです
 作家気取の   寝っ放し
癖になってる  文章を
迷いながらも  書き綴る
 蘊蓄披露    背伸びして
 本日只今    変化中

『二』
二行きめるに  ついてです
 言葉遊びの   ながら族
下手な作詞の  一日に
余裕ゆとりの  幅はない
 とにかく四角  三角と
 作品幾分    進化中

『三』
二行きめるに  ついてです
 過去の化石よ  寝っ放し
時代遅れな   戒めは
受ける筈ない  陳腐だね
 批判を色々   戴いて
 善処したいと  考慮中


主治医より一言

 この度は、半年ぶりに再開おめでとうございます(笑)。エイプリルフールの冗談かと思いました(笑)。平成13年に発足したPEGドクターズネットワークも社会の変化に対応すべく、4月1日よりPatient Doctors ネットワーク(PDN)に名称が変わるとの事です。当初より患者中心のドクターズネットワークの主旨のままですが、飛田さんも今月から心機一転とは、不思議な縁ですね。これからも、宜しくお願いします。