飛田洋さん

なにくそ!俺はここにいる176

京都府 飛田洋さん(74歳)

飛田洋さんは、平成10年11月に脳梗塞を発症しました。

完全四肢麻痺、構音障害、嚥下障害を認め、入院中に胃ろう造設術、気管切開術が施行されました。平成12年6月に在宅へ移行され、かすかに動くようになった指先でパソコンを操り、創作活動を続けています。

毎日書きためたものは、月刊誌としてまとめられ、製本されています。

■ハンサ・無責任/二行きめるの《個人の見解》

《ケ・セラセラ》


 朝晩と涼しくなった○私は節約を意識してぬつもりだがクーラーを
休ませられ嬉しく過ごしている昨今で、どうかすると肌寒い位だ○
地球的には《自然災害》の猛威に驚かされ、何とか成らんかと考え
させられいるが《暖簾に腕押し》で辛い《痩せ犬の遠吠え》かな○

《ケ・セラセラ》では《極楽蜻蛉》では、軽く済まされない状況だ○

 

 《引き篭もり》の性格でないのが《閉じ篭もり》生活をしている○

最近知ったのだが、倒れての緊急手術後、永らく《意識不明》が
続いた為《面会謝絶》札を入院中掛けていて自宅に戻ってからも
亡き母の指示で、面会を断っていたらしく、長期間誰も来ないのが
不思議に思いながら、その疑問を尋ねる不便さが躊躇させてた○

 それが人の世と深く考えず流されて《ケ・セラセラ》で暮していた○

最近は、何も知らなかった昔のスタッフと面会し通訳の妻を交えた
昔話の雑談に花を咲かし懐かしく不便ながらも 参加している○

偶然にも知人が《PDN通信》を読まれたら《ハンサ・無責任者》は
ペグで元気にしているからと放念して戴きたい○

元気だからこそ十五年ほど拙稿のまま紙面で好きに書いている○


 《ケ・セラセラ》は座右の銘ではない○むしろ過去はやる気の塊
だったのが《ケ・セラセラ》と書いているのが不思議なくらいだ○

捨てばちな、やけっぱちな《ケ・セラセラ》ではなく、前向きな生き方
の《プラス思考》を含んだ《ケ・セラセラ》で今をやり過ごしてる○

 無理、無駄、無茶の《三無》を避けたつもりの積極性が無理、
無茶を呼び込んだ反省から自分の出来る限界から成るように成る
《ケ・セラセラ》と自戒を込めて胸のうちでつぶやいている○

 そこで  《凹むより背伸びするよりケ・セラセラ》    なーんてね

■ ハンサ・無責任者二行きめるの《二行詞》


・ つぶやきを聞いてしまった地獄耳 いかり引きずり一夜眠れず


・ 二度三度手直し重ねて嫌になる 不便不自由と同行二人


・ 暑くとも俺に文句はお断わり 云えない人は云えず耐えてる


・ 何事もプラス思考で事なかれ 長い寝たきりなけなしの知恵


・ おたがいに正義の為かドンパチか 譲れなくとも譲るが利口


・ 暑いとて残暑をなげき八つ当たり やがて涼風虫の音聞こえ


・ 聞く耳を持たぬ輩は手におえぬ 効き目見られぬ国連決議


・ 今朝も又顔を見られた嬉しさよ 言わず語らず二人は過す


・ 評論家理論ばかりは無責任 言うはやすし行なうは難し


・ 肩抱いて歩幅合わせた懐かしさ 妻に問われて亡き母偲ぶ


・ 食い物の話は乗れぬ無神経 ペグをしており話題がタブー


・ かん口令敷いた本音を恨むより 見栄を張らせた出来事嘆く


・ 咳込んで姿勢ずらすも芸の内 無駄に寝た切り続けておらぬ


・ 新党か寄り合い所帯か互助会か 小池の水面さざなみ起こす

≪明日は明日≫

≪食わず嫌い≫


『一』
沈んでおれぬ  明日あした明日あした
周りのみんなも 凹むでない
 つらいけれども
 この世の中は  一人じゃないぞ
われ関せずに  生活出来ぬ
おんなじ釜の    家族だもんな

『二』
昨日は昨日   明日は明日
明後日来ぬなら 一昨日おいで
 先は読めぬが
 励まし行こう  お互いさまだ
気楽さ売りも  平気じゃおれぬ
部外者だけど  親子だもんな

『三』
わからぬものだ 明日は明日
プラス思考で  生きるに限る
 何だかんだの
 冗談好きが   難関越えた
枯れ木も山の  賑わい等と
軽口言える   家族だもんな


『一』
俺が俺がで   我武者羅に
 一人で仕事   向うより
 助けで早く   仕上げるぞ
人手は入れて  みる事だ
 育ててみるのも 楽しみで
 食わず嫌いは  良くないぞ

『二』
使い切れねば  こなせねば
 宝の山の    持ち腐れ
 びんぼう神が  住み着くぞ
向上心が    ないのなら
 生きてる値打も 価値もない
 食わず嫌いは  後ろ向き

『三』
俺が俺がと   背伸びでも
 何にも挑む   心意気
 勝負は負けて  始まりだ
何も知らずに  終るなら
 それでは貴男の 名が廃る
 食わず嫌いは  良くないぞ


≪プラス思考で御目出度い≫

≪違う世界にゃなったけど≫


『一』
暗く悪くが   苦手なら
プラス思考と  思うけど
それが理想で  ないのかな
 後ろ向きより  前向きな
 お人好しだと  過ごしたい
 騙されたって  騙すまい

『二』
つらく不覚を   我慢して
プラス思考で  暮すけど
そんな気楽で  ないのだよ
 憎み合うより  譲り合う
 お人好しだと  過ごしたい
 叩かれたって  叩くまい

『三』
呑気迷わぬ   楽天家
プラス思考と  言うけれど
いつも平気で  ないのだよ
 嘆く事より   凹まない
 お人好しだと  過ごしたい
 脅されたって  脅すまい


『一』
マッチ一本   火事の元
 芋を焼いても  家焼くな
 今は標語も   死語が増え
違う世界にゃ  なったけど
戦後の焼跡   育ちだと
そんな時代も  消えて行く

『二』
備蓄なしとは  不用心
 先の読めない  世の中の
 違う幸せ    見つけたか
違う世界にゃ  なったけど
戦後の昭和を  駆け抜けた
苦い青春    振り返る

『三』
うん蓄屁理屈  耳にタコ
 何か信念    あるのなら
 固い意地張り  挑むのだ
違う世界にゃ  なったけど
戦後の闇市   ガード下
薄い記憶が   蘇える


主治医より一言

ハンサ・無責任/二行きめるの《個人の見解》

《ケ・セラセラ》

ケ・セラセラのフレーズは、私も好きです。アメリカ留学中の高校生の時にスペイン語の授業で初めて耳にしました。学校出ただ1人の外国人で不安な日々を過ごしていた時にメキシコ系のアメリカ人の友人に肩の力を抜いて水の流れに身をまかせるようにすればなるようになるもんだよ(ケ・セラセラ)と云われた事を思い出しました。

飛田さんの前向きな生き方の《プラス思考》を含んだ《ケ・セラセラ》の考えの持ち方は、すばらしいですね。