飛田洋さん

なにくそ!俺はここにいる183

京都府 飛田洋さん(75歳)

飛田洋さんは、平成10年11月に脳梗塞を発症しました。

完全四肢麻痺、構音障害、嚥下障害を認め、入院中に胃ろう造設術、気管切開術が施行されました。平成12年6月に在宅へ移行され、かすかに動くようになった指先でパソコンを操り、創作活動を続けています。

毎日書きためたものは、月刊誌としてまとめられ、製本されています。

■ハンサ・無責任/二行きめる個人の見解

《ペグ交換》 平成30年5月1日(火曜日)


 先月はふざけ過ぎたので、気を入れなおして《ペグ交換》のことを
書こうと思う。実施は二月大寒頃だったので、いささか古い話題と
思ったが新しく読まれる方もあるので少々ためらいながら、書くこと
にした。四月に入り急に暑くなってきている。

 

 私がペグを装着して18年になる。脳梗塞で倒れ声を失い全身
麻痺の代償に命をもらった。手術後の長い夢から意識はもどって
他人の説明に判断はつくのにナースコールも押せない病院暮らし
に真剣に自殺を考えていた。怠け者のものぐさ太郎ならば、いざ知
らず東奔西走の働きバチ、人間マグロに苦痛過ぎたからだ。

今は自殺するには方法と能力のなさから、なにくそで生きている。

 そんな時病院スタッフは私の栄養補給に試行錯誤をされてた様
で胃カメラの検査だと聞かされ同時にペグの装着は終了していた。

これは自宅介護になったとき家族の負担を軽くする為でもあった。

実際家族は一度の説明で今日まで問題なく世話してくれている。

 

 装着当時は半年ごとの交換で自宅ではテレビを視てるまに終
わっていたが、最近は胃カメラで確認して交換されている。

 お陰さまで今人気の生活習慣病の恐れはないらしいし血液検
査の結果も良いらしい。なんてたって床ずれがないのが、いいね!

 

 術後長いが再発の心配は一度もしてない。三度の食事代わり
のビールもチェーンスモーカーの喫煙も麻痺の体が幸いして忘れた

此処十年以上ペグから以外何も胃に入れてないから実に安定。

 

 そこで  《延命で ないぞ天命 寿命だぞ》  だってさ

■ ハンサ・無責任者の川柳風《二行詞》


・この局は年度変われど粘っこい
            何かあるかと裏をうたがう

・早い日と遅い日の差が酷すぎる
            昼飯ずれる予定がくるう

・いつまでも森友ネタは飽きて来た
            小田原評定うんざりさすな

・日本語の訳の通じぬ日々となる
            カタカナあふれ我わからぬ

・自己暗示賭けた賭けたよ賭けまくる
            それが良いやら悪いやら

・でたらめなタイトル書いた作業表
            字数合わせと妻も気付かず

・しんどいと口にしながら解からぬか
            解からなければそれで結構

・武器を売り紛争あおり兵器売る
            マッチポンプの指導者たちよ

・団体屋呼ばれた日々のせわしなさ
            今は恋しくただ懐かしい

・カバー曲アレンジしだいで変るもの
            歌い手ばかり悪くはないぞ

・先をみて投資しないと馬鹿をみる
            下手な考えヤスムに似たり

・顔のそば無駄なおしゃべりお断わり
            耳の近くはこの身にイジメ

・しらじらと夜が明かるのを見つめてる
            眠り覚めたら即のパソコン

≪ノーテンキ≫

≪旅・レター≫


『一』
どこも顔出す  野次馬で
 祭り騒ぎは   得意技
おわかり通り  ご承知通り
 俺はいわゆる  ノーテンキ
動き乏しい   暮しだが
 俺はそれでも  生きている

『二』
弱いものには  加勢する
 そんな性根は  変わらない
おわかり通り  評判通り
 俺はいわゆる  ノーテンキ
声を失い    忘れても
 俺はどうにか  生きている

『三』
無茶な強がり  意地を張り
 下手な世渡り  したものだ
おわかり通り  噂の通り
 俺はいわゆる  ノーテンキ
夢と離れた   暮しでも
 俺はもちろん  生きている



恋に小道具   いらないと
未練が尽きない 旅・レター
 忘れる筈の   宿なのに
 想い書かせる  ふみ
読んで貰えぬ  繰り言が
届くはずない  虫の声


銀杏一枚    入れたのは
未練がなお増す 旅・レター
 あの日にもしも 戻れたら
 出来ぬ願いの  夜が更ける
万に一つの   奇跡をと
祈りさみしい  風の音


愛の空しさ   居場所ない
未練がいじらし 旅・レター
 涙は涸れて   やつれたが
 明日に向って  出直すの
自分自身へ   呟きで
一人うなずく  深夜バス


≪過去は色々≫

≪人手の不足≫


『一』
映子と明美と  弥生ちゃん
茜も親しい   お友達
 優子は中に   入れるより
 同志みたいな  仲でした
だから浮気を  認めずに
 墓にもめずに  入ります

『二』
ラーメン冷麺  素麺と
うどん焼きそば あれば良い
 手抜き食事の  習慣が
 料理音痴に   不足ない
競馬麻雀    パチンコは
 今はご無沙汰  しています

『三』
焼酎ワインに  ウイスキー
T・P・Oで  はしご酒
 千鳥足にて   午前様
 終バス車庫の  武勇伝
過去の豪傑   赤恥に
 背筋ひんやり  しています


『一』
人手が足りぬ  近頃だ
間に合わないが 数のうち
玄関TVを   監視して
P’Cしながら 店を見る
だから洗濯   干し場でも
遠慮しないで  行ってくれ

 『二』
 人手が足りぬ  業界だ
 間に合わないが 数のうち
 玄関TVの   監視なら
 猫の手よりも  ましだろか
 役に立ちたい  一心で
 名乗上げたが  如何かな

『三』
人手が足りぬ  現実だ
間に合わないが 数のうち
玄関TVの   監視して
P’C余裕の  ヨッチャンだ
むろん私は   寝っ放し
目玉は健在   地獄耳


主治医より一言

《ペグ交換》

1984年にアメリカで学んだPEGを初めて施行してから34年になります。当時は近畿地方では、誰もしてなかったので、セミナーや実技ビデオの制作等で、大変忙しかったのを想い出します。結果的に小生の大学の関連病院でPEGを施行してもらったのも何かの縁と思っています。又、最近、PEGの交換を胃カメラで確認して行っているのは数年前に、早期の胃潰瘍を内視鏡的に治療したのでその定期検査を兼ねているからです。これからも末永く宜しくお願いしますね。