飛田洋さん

なにくそ!俺はここにいる192

京都府 飛田洋さん(75歳)

飛田洋さんは、平成10年11月に脳梗塞を発症しました。

完全四肢麻痺、構音障害、嚥下障害を認め、入院中に胃ろう造設術、気管切開術が施行されました。平成12年6月に在宅へ移行され、かすかに動くようになった指先でパソコンを操り、創作活動を続けています。

毎日書きためたものは、月刊誌としてまとめられ、製本されています。

■ハンサ・無責任/二行きめる個人の見解

《ペグにして》平成31年2月1日(金曜日)


 平成から《ペグにして》との、サブタイトルがつづいてる。
正直ネタ不足で、何を書けば良いのやら迷っている。
やたら、空白が目立ったり、ひらがなの多用が、その傾向だ。
こんな寝たきりちゃんになるのなら、私の癖で、若い時から
本の流し読みをせず、じっくり味わうべきだったと後悔しきり。

 プロの作家や、脚本家ならマンネリでもスランプと逃げられるし
どの様に脚色し、創作しようと、断定しないが、自由である様だ。
おなじみの《太閤記》《忠臣蔵》などは映画、テレビ、芝居で多く演
じられて、酷い作品もあり史実はと思わせる演出に嫌になる。

 比べて、ど素人の体験談は商業ペースに属さない、言うならば
ドキュメンタリーもどきだからテーマが決まれば、書くのは早い。
平成の終わりに金婚の祝いに娘夫婦から似顔絵を貰った。それが
似てないのである。自宅療養に入ってから毎年欠かさず撮っていた
写真を参考に描いたそうだ。だから似てぬと感じたのだろう。
倒れる前から、意識して鏡を見たこともない。若白髪は30代から
染めてい居たが、苦労皺?は隠せずトレードマークになっていたが
描かれていなかったから、他人に見えたのであろう。妻に冷やかされ
顔の筋だと逃げてたのを思い出し、40代ごろ知った群馬の知人が
撮りためたスナップ写真を52歳頃に個人的写真集にしてくれていて
確かめると、当時筋状が顔面で主張してたが、見事消えていた。
《ペグにして》皺伸ばし効果あるとは、お釈迦様でも気が付くめぇ

そこで《ペグにして 私の知らぬ 新事実》なんてね  続

■ ハンサ・無責任者の川柳風《二行詞》


年越しの そばも食えない つまらない
                 騒ぎ起こさず 早く逝きたい

録画した 特番目立つ 目出度さよ
                 CD聞いたり PCしたり

持ち切れぬ 金は荷物に なるばかり
                 他人に施す ゆとり持ちたや

渋滞と 妻が遅れを ホローする
                 単車ばかりが 何で混んでる

ベテランで 手抜きする人 居るけれど
                 気づかぬ顔で 俺は知ってる

やる事を やっておらぬと ぼやかれる
                 無理な努力を 求めておらぬ

売春も 人身売買? でもないか
                 トランプさんの 見解いかが

言うだけの 人に親父が 浮かび来る
                 苦労知らずは ぼんぼん育ち

聞いた切り それで終わりの 人がいる
                 健忘症か 意識的かな

ほめられる 暮しでないな 聞く限り
                 人の廻しで 相撲を取るな

言うばかり まるで風呂屋の おやじ居た
                 ラッパ吹くのに金は箪笥へ

くだらぬと 言うが井戸端 会議でも
                 聞いて世間の 流れを学ぶ

やらぬより 教えてやれば やれる筈
                 教えぬ限り 期待出来ない

≪おいでやす≫

≪人間だから≫


土手の菜の花 露払い
 大手筋へと 招き入れ
竜馬通りに 鍵の辻
 伏見歴女の 足がかり
言わば大人の お食い初め
 ようこそお越し おいでやす


さくら咲いたし きれいやし
 しだれ桜も 見頃やし
祇園かいわい いちりきの
 インスタ映えする犬やらい
京に田舎は 有るや無し
 ようこそお越し おいでやす


老いも若きも へだてなく
 思い思いに 楽しめる
ガイドソフトを たよらずに
 穴場さがしも 旅の味
五分歩けば 何か有る
 ようこそお越し おいでやす



喜怒哀楽は 人間だから
怒哀を隠せ 顔色出すな
 丸く真ん丸 真ん丸丸く
 プラス思考が 理想だけれど
  心弱くて 弱音に参る
  俺は云うのさ 人間だから


喜怒哀楽は 人間だから
怒哀を隠せ 大声出すな
 好きと何度も 愛していると
 告げた言葉は 別れに空し
  心変わりも 思い出だよと
  強く生きるか 人間らしく


喜怒哀楽は 人間だから
怒哀を隠せ 人前出すな
 価値は基準は 人それぞれに
 描き出すのが 幸せ色だ
  若い盛りは 明日が溢れ
  老いは昔を 人間だから


≪楽は苦の種≫

≪万年ベッド≫


『一』
楽は苦の種 苦は楽の種
戒め通り十八年を寝っ放し
鞍馬の天狗 みたいでも
病気だろうが 動けない

『二』
楽は苦の種 苦は楽の種
病に甘え十八年をごく潰し
P’Cテレビ 三昧で
時間潰しは 出来ている

『三』
楽は苦の種 苦は楽の種
評判通り十八年を寝っ放し
調理の苦労 省略と
ペグと云う名の 食事する

『四』
楽は苦の種 苦は楽の種
色々越えて十八年を生き抜いた
栄養補給は 完璧で
今も床ずれ 出来てない


『一』
寒い寒いと 固まって
部屋に来る人 いるけれど
 私ゃ寝たきり 寝っ放し
 万年ベッドで 悪しからず
事のついでに 頼むのは
 我慢していた トイレとか

『二』
冷える冷えると 南極と
外はそうだと 言うけれど
 私ゃ居たきり 居っ放し
 万年ベッドで すまないね
無理をしてぬが 耐えられる 
 別に遠慮は してないよ

『三』
寒い凍える 死にそうな
そんな寒さと ご無沙汰だ
 私ゃ着たきり 着っ放し
 万年ベッドで 引き篭もり
過労過ぎてる 暖房機
 何も知らせず 故障する


主治医より一言

《ペグにして》

今日、往診の際に改めて御顔を確認しましたが、顔の色つやを良くて皺もほとんどありませんね。びっくりしました。振り返れば最近、数年間は、完冒も引いて おられませんね。やはり安定したペグ栄養管理のおかげでしょうか(笑) 。(岡野拝)