飛田洋さん

なにくそ!俺はここにいる193

京都府 飛田洋さん(75歳)

飛田洋さんは、平成10年11月に脳梗塞を発症しました。

完全四肢麻痺、構音障害、嚥下障害を認め、入院中に胃ろう造設術、気管切開術が施行されました。平成12年6月に在宅へ移行され、かすかに動くようになった指先でパソコンを操り、創作活動を続けています。

毎日書きためたものは、月刊誌としてまとめられ、製本されています。

■ハンサ・無責任/二行きめる個人の見解

《ペグにして》平成31年3月1日(金曜日)


 去年は、ひょっこりはんが、流行ったそうだ。何の事だが詳しく私
は知らない。生まれつき早飲込みの、慌て者が新年早々そそっか
しく、うっかりはんで、いまだ不慣れなパソコンで送付直前生原稿
を、判断ミスで消去するドジ。焦って二月の予定原稿を送付した
が備えていたので助かった。

 一月に送る筈だった《ペグにして》の内容は覚えていなし痕跡
もないが、《題材》に辿り着けたので今一度書いてみる事にする。
ふた昔の話に成るが集中治療室から普通病棟に移動して栄養
補給に色々と検討がなされた。鼻からチューブ、手足で点滴、半
年位は続いたと思うが以前も申したがナース泣かせで私の血管が
細すぎたからかペグの採用になった。自宅療養を見込み、介護の
負担軽減もあったのであろう、知らぬ間にペグを装着していた。

 自宅療養と決まり、その日が近ずくとカニュウレーの交換とかペグ
の取扱いを習い、妻は素人なのに、あっさりマスターしていた。
ご承知の通り病院ではスタッフが《床ずれ防止》に二時間目途に
体位を変えてくれてたが自宅では不可能に感じ断っていた。
訪問入浴から介護入浴に代りスタッフが口々に綺麗ですと言う
のを妻も私も気になり、しばらくして質問を妻がしてくれた。
スタッフは《床ずれ》の確認に背中を確認していたそうだ。
最近はペグの装着者が増えた為か確認する声は聞かない。
《ペグにして》偏食から卒業、理想的な栄養補給が《床ずれ》対
策だと私は信じている。

 そこで《ペグにして 床ずれ忘れ 寝っぱなし》なんてね

■ ハンサ・無責任者の川柳風一途な《二行詞》


ありがとう 妻に感謝の バースデイ
               生きて良いやら 問題多し

ネタにする 興味持つひと やたら居る
               味のない人 時どき居るが

寝た切りも 辛いばかりで ないのだな
               そこに楽しみ 喜びさがす

差別消え 名分失くした チョコの日よ
               踊るアホウと 拘るアホウ

頭痛する すると思えば 気にかかる
               気持ち外向け パソコン励む

言いわけを 聞いてうんざり やす化粧
               伊達に年齢 重ねておらぬ

キャッシュレス 登録出来ない 人たちに
               辛い社会が 待っている筈

死んだあと ジーエム出てる 浪越や
               鈴木その子で 効果は如何

便利さに ゆとり生れて 遊び消え
               自由奪われ こんな筈では

想うだけ 言うだけのひと 居るけれど
               振り回される 人は溜め息

無理云わぬ 我慢強さが うらめしい
               手遅れなどと 知って驚く

眉毛伸び 鼻毛伸ばして ジジイする
               昔ドンフアン 今はこのざま

≪しんきくさ≫

≪不倫は実力≫



あんじょうしてやと 言うたのに
そないに良えのに 出来てへん
手間ヒマかけてた 筈やのに
先より見映えが 今一つ
だんない、だんない
はばかりどしたな ・・・・・


でぼちんこう薬 貼るけれど
おつむは痛いの ワテの方
せんぐり、せんくり たんねとき
忘れていたとは 殺生な
かまへん、かまへん
はばかりどしたな ・・・・・


おいどに重しを 付けてはる
お店が引越し しはったの
駅まで行っても 帰れると
鳥越苦労を せんどした
だんない、だんない
はばかりどしたな ・・・・・

★ でぼちん~おでこ
★ おつむ~頭

★ せんぐり~たえず
★ おいど~お尻

★ せんど~もの凄く




不倫は文化と 人が言う
不倫は実力 俺は云う
 文化人なら 噂され
 話題になるのが 宜しいか
  仕事家庭を パーにして
  後のまつりの 愚か者


不倫は文化と 人が言う
不倫は実力 俺は云う
 機会与える 夜があり
 出逢う店あり 酒もある
  それで儲ける 他人がいりゃ
  踊らされてる 愚か者


不倫は文化と 人が言う
不倫は実力 俺は云う
 それが本能 だとしたら
 それに勝つのが 理性だろ
  愛を失い 性に酔う
  両者ともども 愚か者


≪ほっちっち≫

≪あのころを≫


『一』
今の流行を 考えて
下手な作詞を 止せと言う
 野球水球 取合えず
 道具揃えて ゲームだろ
誰が持ち込む 売り込める
俺の勝手だ ほっちっち

『二』
金を集める 詞を選べ
下手な作詞を 止せと言う
 夢を追うには 若くない
 欲は当然 置いて来た
時間つぶしだ 気にするな
俺の勝手だ ほっちっち

『三』
稼ぐ機会の 持ち腐れ
下手な作詞を 止せと言う
 料理人でも 変りなし
 材料なくては 始らぬ
腕は振るえぬ ネタもなし
俺の勝手だ ほっちっち


『一』
思い出します あのころを
 薄い記憶に 悩まされ
 老いにも納得 いかせてる
  人間死ぬまで 辛くとも
  人間死ぬまで 命有る
  それが理屈で ないかいな
『二』
思い出します あのころを
 作詞生活 希望だと
 朝から夜まで バイト漬け
  野望と暴挙 描いても
  野望と暴挙 気が付かず
  四つに取組み 大相撲

『三』
思い出します あのころを
 言葉に出来ない 初恋は
 男の秘密さ この胸の
  人生なんての 振りかえりゃ
  人生なんての なんやなぁ
  あとの祭りの 賑わいや


主治医より一言

《ペグにして》

安定したペグ栄養管理と介護ベッドの向上のおかげで、最近は、床ずれの患者はおられない時代になりましたね。今月は、胃カメラ検査とペグ交換を予定していますので宜しくお願いしますね。 (岡野拝)