飛田洋さん

なにくそ!俺はここにいる212

京都府 飛田洋さん(77歳)

飛田洋さんは、平成10年11月に脳梗塞を発症しました。

完全四肢麻痺、構音障害、嚥下障害を認め、入院中に胃ろう造設術、気管切開術が施行されました。平成12年6月に在宅へ移行され、かすかに動くようになった指先でパソコンを操り、創作活動を続けています。

毎日書きためたものは、月刊誌としてまとめられ、製本されています。

■ハンサ・無責任者の独断と偏見 《二行詞》

2020年10月1日(木曜日)

①・目覚めれば 窓を開けさせ コロナ禍の
                 閉め切り部屋に 残暑の換気
②・来るはずの 人を待つ身の 君つらし
                 電話一つも あれば良いのに
③・暑いなら ならぬ工夫を しているか
                 愚痴と文句で 涼しくならぬ
④・老いなのか すぐに押せない 指のマヒ
                 知るや知らずや ベルは曲者
⑤・為す事で 学びもあるし 得るもある
                 為さぬは人の 為さぬ事なり
⑥・おしゃべりの 好きな都市ほど 陽性者
                 寡黙な土地なら コロナ激減
⑦・部屋に来て 暑いあついと 叫ぶ君
                 それを聞くだけ 鈍さ感じる
⑧・タンタンと まるでこの俺 タン男
                 タンと唾液は 違うはずだよ
⑨・この部屋の 温度だけしか 興味ない
                 まだ真夏日も 関わり持たぬ
⑩・見たままを 感じたままを 書いている
                 時間潰しで 今日も明け暮れ
⑪・やすやすと 熱中症に かかるかい
                 お蔭さまです 気配りさせて
⑫・白杖の 目の不自由さは 如何ばかり
                 不自由抱えて 違ったあせり

≪傘寿だから≫

≪石松つぁん≫


『一』
疲れ隠して   頑張るが
 無理をするなよ 傘寿の妻よ
俺の介護で   二十年
 慣れた暮しも  当て外れ
過ぎた昨日を  振り返り
 申し訳けなく  すまなくて

『二』
布団かぶって  堪えてた
 抑え切れない  涙の声よ
辛さ乗り越え  二十年
 忘れ切れずに  ふとしのび
思い出し泣き  目のぼやけ
 としの所為だと 苦笑い

『三』
弱気弱音の   弱虫が
 強くなれたね  傘寿の妻よ
ペグの準備で  二十年
 ペグを選んで  正解だ
天下ごめんの  偏食家
 悩み与えず   これて来た


『一』
旅行けば駿河の くにの茶の香り
馬鹿でひらめく 男なら
遠州森の    石松つぁん
 勝つか負けるじゃ勝つばかり
 進むを知るが  退く知らず
  馬鹿は死ななきゃ治らない

『二』
旅行けば金毘羅 参り無事終えて
馬鹿の番付け  欠かせない
次郎長子分   石松つぁん
 酒を飲むのは  控えても
 酔えばしくじる 命とり
  馬鹿は死ななきゃ治らない

『三』
旅行けば街道 沿いに立つうわさ
馬鹿の代表  上げたなら
やくざ渡世の 石松つぁん
 騙しだましの 都烏
 恨みも深し  東海道
  馬鹿は死ななきゃ治らない



≪アホやんか≫

≪退屈しのぎ≫


『一』
アホと違うか  アホやんか
 真面目なこたえ お望みか
 君のまともな  質問か
  同じテレビを  見てるだろ
  理解し難い   場面かい
  アホの王さま  パーキング

『二』
アホと違うか  アホやんか
 冗談言える   雰囲気か
 一寸空気を   読めへんか
  同じテレビを  鑑賞し
  何をいまさら  言うのだね
  アホに脱帽   パーフェクト

『三』
アホと違うか  アホやんか
 普段誰でも   やる事か
 君は知らずに  してたのか
  エコに使えよ  エネルギー
  電気なければ  始まらぬ
  アホが来園   パークイン



毎度まいどと  飽きもせず
作詞ばかりは  退屈しのぎ
過去の記憶に  すがりつき
筆を足したり  ひかえたり
 あたかも体験  したように
 本とみたいに  文字あそび


毎度まいどと  凝りもせず
作詞もどきは  退屈しのぎ
過去の自分を  ひけらかし
他人みたいに  取り上げる
 妄想なんかを  おり込んで
 本とらしくに  ネタにする


毎度まいどと  逃げもせず
作詞ばかりは  退屈しのぎ
世話を省いて  呼び出さぬ
時間つぶしの  ひまつぶし
 ネタの不足で  マンネリで
 本とみたいに  良く書くね


主治医より一言

《無責任者の独断と偏見》《傘寿だから》 10月分 

 海外のコロナの感染状況を見ると明らかに文化の差を感じます。日頃よりスキンシップ少ない日本は、ある意味助かっているようです。外出時のマスク着用まめに手洗い、うがいをする非日常の生活に日常的に習慣として受け入れていくしかないと思っています。京都にも観光客が増えてきていますが、Go Toトラベルでなく、Go Toトラブルキャンペーンと思っているのは小生だけでしょうか。 (岡野拝)