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なにくそ!俺はここにいる35
                         京都府 飛田洋さん(61歳)


ここにいる
怒らないで
声はないけど     ここにいる
震えながらも     ここにいる
咽てたおれて     ここにいる
誰か来ぬかと     ここにいる。
 
音が出せぬし     待っている
我慢しながら     待っている
時間たつのを     待っている
おなじ姿勢で     待っている
誰か来ぬかと     待っている。

 

動けないまま     ここにいる  
助けもとめて     ここにいる
期待しながら     ここにいる
世間しないが     ここにいる
浮世ばなれが    ここにいる。

文句小言にゃ     頭を下げろ
上をすんなり     過ぎて行く、
怒らないでね     良く見てね
上に立つなら     それなりに
下のつらさを     知りなさい。
   
自分知るなら     鏡を見よう
鼻のあたまの     蚊が追える、
怒らないでね     抑えてね
怒りすぎると     知らぬ間に
恨みいがいと     買っている。 
    
怒るこころは     感情だけが
叱るこころで     いたいもの、
怒らないでね     さとしてね
言葉ひとつで     おひとよし
言葉しだいで     ひとでなし。
若手勇気で
(『青い背広で』の曲で)
自信と誇り
(『夕日の丘』の曲で)
『一』
出来ぬ事など      言葉にすまい
勇気いるけど      若さで行こう、
見栄に強がり      嘘などならべ
人を困らす       事だけするな。
『ニ』
買った苦労に      弱音はいらぬ
若いあしたに      希望が見える、
気力あるなら      努力をすれば
一が二になる      三にもなるさ。 
 
『三』
余裕出来たら      恋でもしよう
愛が芽生えて      楽しくなるさ、
いつも明るく       笑って暮らす
それが貴方の      理想でないか。
 
『四』
歳で決まらぬ      生甲斐ならば
若いだけとは      限っていない、
ひとを愛して      愛されながら
そして眠りが      希望でないか。
『一』
自信があれば      あるほどに
ひとに優しく       なれるもの、
文句に愚痴は      なんとなく
不安がそこに      のぞいてる。
 
『ニ』

誇りがあれば      あるほどに

喧嘩なんかも      馬鹿がする、
うしなう物が       ないのなら
若さを武器に      やるのだよ。
 
『三』
驕りは持つな      持つならば
ほめる言葉は      聞かれない、
歩みは止まる      芽は出ない
良い事なにも      持ってない。
 
『四』
希望を持てば      持つほどに
苦労避けるな      逃げるなよ、
大なり小なり       あるもので
貴方をそれが      でかくする。
『女房の介護』
(『矢切りの渡し』の替え歌)
 
『一』
《いつも済まぬね!》
《一度代わって?》
微笑んで はぐらか  女房の介護、
俺が倒れて   年中無休
二十四時間   疲れたろ。
 
『ニ』
《TV変えろよ!》
《誰が一番?》
逆らわず なりゆき  女房の介護、
何につけても  一心不乱
だから元気を  貰ってる。
 
『三』
《髭を剃ってよ!》
《何処へお出かけ?》
昨日には とらわれぬ 女房の介護
今も変わらぬ  合縁奇縁
言えぬ思いの  礼に泣く。
主治医より一言
 小生も女房が留守をすると家の中の何処に何があるかわからない状態で、準介護状態です。日々、女房には、感謝、感謝しております。将来の為にも……?