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なにくそ!俺はここにいる92

京都府 飛田洋さん(66歳)

私は見ない

確かな弁解


『一』
私は見ないし  聞いてない
 それで世間が  おさまれば
平和だろうな  住みたいな
 色んな義務を  とぼけたり
法律ルールを  無視しよう

『二』
私は知らぬし  おそわらぬ
 禁止ゾーンの  タバコだと
理屈こねくり  逃げ切るか
 やぶれる法の  ぬけみちは
新聞テレビの  ネタとなり

『三』
私は見ないし  聞いてない
 これで役所が  パスならば
贈与しまくり  トスだらけ
 死ぬのに税を  気にしてる
都心の年寄り  知恵しぼる

『一』
恋することが  出来なくて
恋のうたなど  書けません
 十年変わらぬ  ベッドでは
 おなじ目線は  しかたなく
理想ばかりの  パレードと
確かな弁解を  しています

『二』
旅することが  出来なくて
旅のうたなど  書けません
 訪ねぬ村やら  都市ばかり
 知らぬ町には  手が出せず
わかる言葉の  ウンチクで
確かな弁解が  つづきます

『三』
酒飲むことも  出来なくて
酒のうたなど  書けません
 少しの知識は  ありますが
 嘘でたらめに  気がひけて
記憶たよりの  ありさまは
変らぬ弁解で  終わります


明日の不安

ネタの提供


『一』
明日の不安を
明日の不安を  いだくより
今日を大事と  いましめる
 理想ならべる  ことよりか
 まじめ一途で  まことなら
 夢も価値ある  見込みある

『二』
明日の不安と
明日の不安と  言うのなら
誰もが感じて  いるはずさ
 理屈聞くより  わかるから
 我慢しながら  がんばりで
 夢に向かって  いるんだよ

『三』
明日の不安で
明日の不安で  いたずらに
自分を自分で  いじめるな
 理論なんかを  やりこめる
 やる気元気で  すごしたら
 夢はその手に  夢じゃない


『一』
刺激乏しい   この部屋で
常に作詞は   無理なのに
何かと継続   しています
 ネタの提供   ありがとう
 皆の日頃が   あれこれで
 それに脚色   こじつける

『二』
変化少ない   暮らしでも
今も捜して   こねまわし
何とか作品   書いてます
 ネタの提供   ありがとう
 心のさけび   あるけどね
 余り利用を   しませんね

『三』
季節感じぬ   わたしなら
暑さ寒さは   わからぬし
何にも流行   わからぬが
 ネタの提供   ありがとう
 命のかぎり   ひらめかせ
 不思議発見   しています


それが悩みの種子ちゃん

望まぬ運命にこりごりだ


『一』
俺のことばを  聞きながら
なんで見事に  ミスをする
 それが悩みの
 それが悩みの  種子ちゃん
知った顔せず  聞きなおし
恥をかかずに  すむものを

『二』
俺のこころを  ひねくれて
通り過ぎてる  フシがある
 それが悩みの
 それが悩みの  種子ちゃん
義務と権利は  やじろべえ
影とおなじで  つきものだ

『三』
夢はあるけど  見込みない
欲は捨てても  明日はない
 それが悩みの
 それが悩みの  種子ちゃん
動けないから  やれなくて
やる気元気の  もちぐされ


『一』
聴こえぬ音の  ベルを持ち
ひたすら誰か  待っている
 望まぬ運命に
 望まぬ運命に  こりごりだ
捨て目捨て耳  武器にした
働きざかりが  なつかしい

『二』
わからぬ味の  ペグだから
グルメは遠い  過去のこと
 望まぬ運命に
 望まぬ運命に  こりごりだ
食い気食意地  活かし切る
働きざかりは  もどらない

『三』
待つのが普通  あたりまえ
ときには忘れ  られている
 望まぬ運命に
 望まぬ運命に  こりごりだ
石の地蔵にゃ  成り切れぬ
案山子と全く  変わらない

主治医より一言

<<ネタの提供>>

 食事(栄養剤投与)の際に事前に好きな食事の匂いを嗅いでもらったり、好きな食事の写真を見てもらったりすると、すこぶる胃腸の働きが良くなるそうです。一度試してみませんか。