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私のPEG

PEGを大別すると、① バンバー型とバルーン型、② チューブ方式とボタン方式があるので、組み合わせると4通りになります。
私は、その中でももっとも旧式と言われている、バンバー型チューブ方式を使用しているので「交換のとき心配だ」と言ってくれる医師もいます。

中には、人間も旧式だから「お前にはぴったりだ」と思われる方もいるでしょうが、「バルーン型ボタン方式は目立たなくていいよ」と勧められて、胸をときめかせて採用しましたが、使用してみると不具合があって私の恋人には無理だとわかりました。

何故かというと、私の流動食は、朝と昼はクリニミール(現在はラコール)、夜は家庭食に特製のスープなどを入れて裏ごししたものを注入していました。すると、ボタン方式は、食事などを注入するときは補助チューブを接続するので、その部分が細くなるので、夜の流動食が詰まって入りにくいし、便を軟らかくするカマという薬(水に溶けにくい)も詰まってしまいました。
このような訳で、PEGを交換するまでの4ヶ月間は、聞こえるのは、女房の苛立ちと愚痴とため息でした。
それを見ている私も切なかったです。

4ヶ月経って元のPEGにしてもらったら、前に伸びた尻尾のようなチューブが愛しくなりました。

PEGにして8年が過ぎましたが、4ヶ月を除いて、あとは相変わらずバンバー型チューブ方式を使用しています。
良い点は、6ヶ月交換で期間が長いことと流動食をいれやすいことなどです。

悪い点は、交換のとき一時的な痛みがあることと油断するとチューブの中が黒くかび(黴)るので、酢による消毒をかかせません。
ちょっと心配なのは、交換のときお腹の皮が弾力性を失って裂けないかということですが、信頼出来る先生に「先生がこの病院に勤務している間は今のまま、いなくなるようなら考えます」と伝えて了承してもらいました。

現在のところ、PEGの周りが赤くなったりただれたりすることはあっても、早期発見並びに処置しているので順調です。
それに夜1食ですが、家族と同じものを食べている満足感と「これならば微粒子元素の欠乏はないでしょう」と訪問の栄養士さんに言われたので安心しています。

体重は、発病前は70~72キロあったのですが、動けない体だし介護を受けるのには、スリムで軽い方がいいと思って、46~48キロを目標にしており、2ヶ月続けて目標を逸脱したら栄養士さんの指導を受けますが、今のところ安定しています。

このような訳で、病院の入院患者や在宅療養患者が新しい型式のPEGをやっているのに、自分のニーズを求めたら唯一人違うPEGをやっていました。

※注 私のやっているPEGは、どれくらいの確率で事故がおきて、その事故の態様はどのようものか知っている方は教えて下さい。

ALS(筋萎縮性側索硬化症)
筆者:照川 貞喜(63歳)