以前、八丈島で訪問歯科診療を行なっている女医さんを訪ねたことがある。当時の記事の見出しは「芸能人、でなくても歯が命」とした(当時、「芸能人は歯が命」、というCMがはやっていたのだ)。
本書は、PDNホームページに「Dr.石塚のお口のケアのススメ」をご寄稿くださった石塚先生が共著者のお一人である。歯科医の立場から、歯の噛み合わせと人の歩行やバランス機能の関係を実例を挙げながら説明し、介護現場で今まで忘れられがちであった口腔ケアの重要性を訴えている。
介護施設での摂食・嚥下障害への取り組みが、国の方針として打ち出された今こそ、医療・介護従事者の皆さんにご一読をお勧めしたい。もちろん、介護をされている一般の方にも読みやすい内容で、「再び口から食べるための口腔ケア」の章では、胃ろう栄養と経口摂取併用のメリットや、たとえ口から食べられなくなっても味わう楽しみへのこだわりについても力説されている。とにかく読んでみてほしい!
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