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なにくそ!俺はここにいる 101

京都府 飛田洋さん(67歳)

若かったね

バカらしい


『一』
昔ア良かった  賢二くん
夢があったし  若かった
 寮で暮らして  その後は
 親に請われて  里がえり
油断してたか  倒れたが
ペグのお蔭で  元気だよ

『二』
昔ア良かった  賢二くん
恋も出来たし  若かった
 苦労の数なら  多いけど
 言える自慢は  余りない
女房子どもに  介護され
歳を越しそな  この頃さ

『三』
昔ア良かった  賢二くん
先があったし  若かった
 不足は刺激を  与えるが
 欲はなんとか  控えてる
やれる範囲を  やる事で
今はらしさに  臨んでる

★ 請われて~こわれて


『一』
お悩みですが
景気の悪化は  世界の流れ
悩んでみても  バカらしい
 それは立派な  政治家達の
 お仕事なので  気にしない
 年寄り老ける  だけですよ

『二』
お困りですが
気温の異常は  自然の仕業
逆らうことは  バカらしい
 時がクスリで  何れは戻る
 焦らず過ごし  無理しない
 小皺が増える  だけですよ

『三』
ご存じですか
育児放棄は  家庭の放棄
理屈言うだけ  バカらしい
 自由の権利が  団楽こわし
 余裕は消えて  ゆとりない
 結果は読めた  はずですよ

★ 仕業~しわざ 
★ 何れ~いずれ 
★ 小皺~こじわ 
★ 団楽~だんらん


僕等の時代

内助の功って言うだろう


『一』
あの頃の日々  僕等の時代
 遊びながらに  なにげなく
 根気に勇気を  ためされた
懐かしいなア  なつかしい
 焼け跡広っぱ  かけまわり
 ガマン会だの  きもだめし

『二』
思い出の日々  僕等の時代
 深夜ラジオに  はまっても
 二浪なんかは  ザラだった
懐かしいなア  なつかしい
 四当五落にゃ  目をこすり
 模擬試験へと  かよったな

『三』
束の間の日々  僕等の時代
 何だかんだと  言いながら
 理想と希望に  燃えていた
懐かしいなア  なつかしい
 何かと便利に  なったけど
 今はとにかく  住みにくい


『一』
内助の功って  言うだろう
 貴女がズバリ  それだなと
  自慢に過去も  して来たよ
倒れたからは  されるまま
 丸投げ出来る  しあわせを
  ふくんで口は  かたつむり

『二』
内助の功って  言うのかな
 会話が減って  愚痴増えて
  それだけ刺激  受けている
作詞のヒント  くれるから
 プラス思考で  かんがえて
  ダンボの耳で  聞いている

『三』
内助の功って  言うのかな
 何だかんだと  知らぬけど
  ずいぶん勇気  くれていた
時代がちがう  それだけで
 済まぬ流れが  なつかしく
  聞き耳立てて  暮らしてる


不様に生きているけれど

 


『一』
不様に生きて  いるけれど
命があるだけ  もうけもの
 死ぬのが恐い  訳じゃなく
 あわてる事も  ないからさ
お先にご免と  抜かれたが
すごく世の中  変わったぞ

『二』
不様に生きて  いるけれど
迎が来ぬので  すまないね
 未練を抱いた  訳じゃなく
 おかしな運が  あるからさ
働くよろこび  消えたけど
怠けズボラで  やってみる

『三』
不様に生きて  いるけれど
寿命あるのは  うらめしい
 嘆きを捨てた  訳じゃなく
 笑顔で過ごす  ことにした
おんなじ一時  なんだから
泣かず笑いで  暮らすのさ

★ 不様~ぶざま


主治医より一言

<<若かったね>>

驚きました!学生時代の友人が読者の一人だったとは……。幼なじみに久しぶりに会うと、若い頃の自分に戻る気がするのは、小生だけでしょうか…。