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なにくそ!俺はここにいる 105

京都府 飛田洋さん(67歳)

皆は良いな

何とか頼む


『一』
皆は良いなあ  食べられて
皆は良いなあ  出かけられ
皆は良いなあ  カラオケる
 私はひねもす  引きこもり
 寝間着の姿で  寝っぱなし

『二』
皆は良いなあ  愚痴られて
皆は良いなあ  怒鳴られて
皆は良いなあ  ヒスこける
 私はひねくれ  ひやかしに
 人前出るのも  ひさしぶり

『三』
皆は良いなあ  見込みある
皆は良いなあ  明日がある
皆は良いなあ  向き合える
 私はキテレツ  キザだけど
 奇跡へ期待は  気持ちだけ


『一』
何とか頼むと  のぞむのは
何とか小さな  しあわせと
何とか逃れる  不しあわせ
 色んな事情と  言いわけと
 運に泣いても  さからえぬ
  それが運命と  言うものよ

『二』
何とか歩いた  これまでは
何とか微笑む  まんぞくと
何とか許せる  不まんぞく
 色んな悔しさ  むなしさで
 思いどおりに  いかぬけど
  やれる限りは  やれたのさ

『三』
何とか世間を  行き来する
何とか我慢の  つりあいと
何とか認める  不つりあい
 色んな世の中  ありながら
 これで自然に  つづいてる
  焦ることない  もがくなよ


欠伸ついで

いいのかな


『一』
欠伸ついでに  ベル鳴らし
慌てさせたり  無理させる
 僕につもりは  ないのだが
 眠りたりない  せいなのか
  欠伸ついでが  呼び寄せる

『二』
欠伸ついでと  知らないで
二度も三度も  すまないね
 ペグで食事を  したあとは
 腹が満たされ  気がゆるみ
  欠伸ついでに  ベル鳴らす

『三』
欠伸ついでは  ややこしく
意識せぬのに  手間取らす
 ベルを外せば  良いのだが
 無いと不安が  込み上がり
  欠伸ついでに  あまえてる


『一』
変化きわめる  世間を隠れ
いてるだけで  いいのかな
 退屈しのぎの  パソコンで
 遊んでいても  いいのかな
贅沢過ぎてる  暮らしから
われに返って  いるのです

『二』
多忙過ぎてる  家族で一人
見てるだけで  いいのかな
 TVのお守で  明け暮れて
 怠けていても  いいのかな
昔にくらべて  差がひどく
恐い気がして  来るのです

『三』
暑さに寒さを  心でとめず
寝てるだけで  いいのかな
 流れる季節を  知らずして
 忘れていても  いいのかな
命のかぎりに  それなりの
夢が持ちたい  気がします


強いミカタがあったのだ

平手酒造ではあるまいが


『一』
命を賭けても  まもり抜く
商いバカにゃ  意地があり
俺はそれなり  つらぬいた
 足を引っ張る  やからより
 夢を見させる  みいづれが
  強いミカタが  あったのだ

『二』
油を背負って  生きて行く
商いバカでは  いたけれど
俺はちっとも  悔いはない
 元手切るのを  こわがらず
 赤字出さずに  これたのは
  強いミカタが  あったのから

『三』
灯を消されて  手さぐりで
商いバカだと  来たけれど
自慢するほど  馬鹿でない
 人手不足にゃ  へこたれず
 バブル踊らず  抜けたのも
  強いミカタが  おったのだ


『一』
平手酒造では  あるまいが
意地も誇りも  俺にゃある
 文句言われて  愚痴聞いて
 頼めるものか  ケセラセラ
少しぐらいは  がまんして
俺のプライド  まもり抜く

『二』
平手酒造では  ないけれど
受けた恩義は  腹にゃある
 嘆きたいのを  受け止めて
 溢れて来るぜ  度を越せば
礼も言えない  口惜しさは
無事な人には  わかるまい

『三』
平手酒造では  あるまいが
枯れて腐ろと  オレはオレ
 恩に着せられ  ぼやかれて
 頼みはせぬぞ  ケセラセラ
流れ言うのに  まかせても
何も出来ずに  これからだ

★ 平手酒造~ひらてみき

★ 溢れ~あふれ

主治医より一言

 テレビでサルコジ大統領と会談している時に、白い歯を見せていた菅さんには呆れました。被災地に、私ですら医院の備品のマスク(4,000枚)、グローブ、消毒液を送ったりしているのに、危機感が無さすぎです。

 ところで、最近医院に、震災情報のテレビの見過ぎで、不眠やパニック症状を訴える患者が増えてきています。情報も大事ですが、情報過多も良くありません。テレビの見過ぎに注意して下さい。

  • 大文字と桜
  • 平安神宮鳥居と桜
  • 京都裁判所枝垂桜
(写真をクリックで拡大します) 撮影者:岡野均先生