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なにくそ!俺はここにいる 111

京都府 飛田洋さん(68歳)

足るを知る

女は良いな


『一』
足るを知る
 そんな晩年   めざしても
  高い理想に   月日は移る
足るを知る
 及ばないのか  無理なのか
  殺せぬ欲が   現れ消える

『二』
とらわれぬ
 思いの崖に   さしかかり
  一歩近づき   二歩後退り
とらわれぬ
 心へいだく   あこがれが
  希望の星を   未練で飾る

『三』
なにげなく
 自然に眠り   めざめれば
  喜びなのと   流れに遊ぶ
なにげなく
 暮しの中に   とけ込めば
  幸せなのと   余裕が誘う

★ 後退り ~あとずさり


『一』
女は良いなあ  TV見て
服のセンスや  顔のこと
細かい指摘と  批判する
男は気にせぬ  意識せぬ
それより内容  掴んでる

 『二』
 女は良いなあ  平和だな
 地震起きたら  叫ぶだけ
 円高バーゲン  浪費する
 男はその都度  皺寄せて
 血圧たかめで  禿てゆく

『三』
女は良いなあ  お得だな
セレブ気分で  食事して
遊びの恋でも  彼氏持ち
男は無理して  ヤミ金の
顧客の名簿は  Aランク

★ 皺 ~しわ
★ 禿 ~はげ


二時間おき

まつりだぜ


『一』
眠りたい夜に  寝つかれず
朝が来るまで  起きている
 僕はいつでも  寝られるが
 妻はそうとも  いかぬのに
二時間おきに  起こしてる

『二』
眠りたい夜も  ふざけられ
昼寝タブーが  無駄になる
 数をかぞえて  過ごしたり
 息をころして  いるけれど
二時間おきに  むせている

『三』
眠りたい夜も  寝られない
悩みなんかを  秘めている
 プラス思考で  いるけれど
 妻はそれでも  起きるから
二時間おきに  すまなくて


『一』
笛を吹いたら  踊らなきゃ
太鼓打つ気も  起こらない
 神輿かつげよ  盛り上げろ
 神楽の舞だよ  どこの娘か
まつりだ祭だ  まつりだぜ
月夜が邪魔な  まつりだぜ

『二』
食事するなら  それなりで
花屋なんかで  食えはせぬ
 恋をするなら  それなりの
 出逢いの所へ  行くのだね
まつりだ祭だ  まつりだぜ
この世の事は  まつりだぜ

『三』
雨が降ったり  陽が出たり
喧嘩買ったり  つるんだり
 人が生まれて  死ぬまでが
 予期せぬ間に  終わるから
まつりだ祭だ  まつりだぜ
生きてる限り  まつりだぜ


ラジオの音量上げてんか

殺したいほど好きだから


『一』
ラジオの音量  上げてんか
 脇でワイワイ  やられたら
 大事なハナシ  聞こえへん
  テレビと違い  シナリオに
  縛られへんし  好きなんや
  ネタの宝庫で  あるさかい

『二』
ラジオの音量  上げてんか
 酷いノイズの  お出ましで
 大事なトコが  わからへん
  テレビと違う  ハプニング
  焦らすけれど  好きなんや
  息が合うのや  アナログで

『三』
ラジオの音量  上げてんか
 横でガヤガヤ  されてると
 大事なサワリ  聞かれへん
  テレビと違い  気を抜かず
  夢中に成るの  好きなんや
  われを忘れて  おれるのや


『一』
金色夜叉じゃ  あるまいし
明治の打算に  のるような
そんな女じゃ  ないのだよ
 殺したいほど  好きだから
 女房にしたさ  だからよー
 粗末に出来ぬ  したくない

『二』
愛染かつらで  ないけれど
明治の強さと  いじらしさ
そんな気風の  持つ娘だよ
 殺したいほど  好きになり
 悩みもしたが  だけどよー
 掘出しもので  はなせない

『三』
野菊の墓じゃ  ないけれど
明治の素朴さ  ひかえめさ
そんな魅力に  惚れたのさ
 殺したいほど  好きだから
 女房のことは  だからよー
 裏切れないさ  いつまでも

主治医より一言

<<二時間おき>> <<殺したいほど好きだから>>

先日、久しぶりに夜中に片頭痛発作が起こり、明方までずっと妻の世話になってしまいました。感謝! 感謝です! ますます妻に頭が上がらなくなりました。