飛田洋さん

なにくそ!俺はここにいる 128 (2)

京都府 飛田洋さん(69歳)

天地の恵み

むしたおる


『一』
銀杏の花と   菜の花が
季節違うが   大好きさ
 天地の恵み   あり難く
素朴な色が   咲き誇り
僕の悩みを   和ませる

『二』
銀杏の花と   菜の花に
心ひかれる   洗われる
 天地の恵み   嬉しくて
寝転び遊び   読書して
僕は安らぎ   癒された

『三』
銀杏の花と   菜の花の
押し花恋し   懐かしい
 天地の恵み   何にしろ
草と大樹は   争そわず
僕に憩いを   与えてる


『一』
顔じゅう汗で  暑い日にゃ
意外と嬉しい  むしたおる
 冷房するには  およばぬが
 我慢するのは  たえられぬ
何とかしてで  むしたおる

『二』
顔がかゆくて  辛いときゃ
秘密の武器が  むしたおる
 ベッド暮しで  得た知惠も
 無理を誰かに  させるけど
何だかんだと  むしたおる

『三』
疲れもなくて  寝れぬ夜は
希望の申し出  むしたおる
 大人ニキビも  おどろかせ
 汚れ取れたよ  よだれくり
何と言っても  むしたおる

自虐数え歌

恋に恋して


『一』
一つひねもす  ひきこもり
パソコン命で  ひまつぶす
 惚れた女房の  世話を受け
 ご気楽親父で  過ごしてる
こんな俺には  ふさわしい
自作の主題歌  自虐数え歌

『二』
二つ吹きそな  ぶさいくん
不治の病気に  ふさぎ込む
 好きな女房に  すまなくて
 何も言えずに  書いている
こんな俺から  ヒント得た
冷かし歌だよ  自虐数え歌

『三』
三つ見た目の  みじめさは
身丈以下だし  みすぼらし
 惚れた女房が  良いならば
 愚痴や文句は  取り消すさ
元はこちらの  落ち度だと
退屈しのぎの  自虐数え歌

『一』
恋に恋して   いるだけで
こんな非難を  浴びるとは
別れたくないのに
嫌いでもないのに
君の明日を   考えて
僕は終止符   選んだよ ★

『二』
恋に恋する   ときめきは
大人目線じゃ  わからない
別れたくないのに
嫌いでもないのに
たった一年   五ヶ月は
とても楽しい  日々だった

『三』
恋に恋した   だけなのに
辛い仕打ちを  忘れない
別れたくないのに
嫌いでもないのに
こんな思いを  悔しさを
胸で抱いてる  秘めて行く

★ 終止符~ピリオド


寝るより楽はなかりけり

疲れた寝息を聞きながら


『一』
起きて頑張る  ことよりも
寝るより楽は  なかりけり
 なんて不運を  ごまかして
 プラス思考で  いるけれど
やはり仕事が  やりたいな
出来る事など  ないかいな

『二』
無理に精出し  気張るより
寝るより楽は  なかりけり
 なんて不幸を  まるめ込み
 つくり笑いが  十八番だが
食べる楽しみ  ないままに
過ごす明日は  来るかいな

『三』
不安ばかりで  更けるより
寝るより楽は  なかりけり
 なんて嘘ぶき  ふてくされ
 借りてきた猫  やめようか
本音さらして  暮らすなら
何処に安らぎ  あるかいな


『一』
疲れた寝息を
疲れた寝息を  聞きながら
静かにジッと  ここにいる
雨垂れポツリ  してるけど
後は夜明けを  待つだけで
たまに寝返り  しているね

『二』
疲れた寝息を
疲れた寝息を  そのままに
眠らせソッと  起きている
闇夜がなれた  その目には
部屋の様子は  わかるけど
不意の寝言は  ごめんだね

『三』
疲れた寝息と
疲れた寝息と  コラボさせ
安らぎグッと  呼んでいる
時計のハリは  遅々だけど
独り夜明けの  ひとときは
悪くないのさ  落ち着ける

主治医より一言

<<FAX送信のご挨拶>>

 先日は、病院での胃内視鏡検査ならびに胃瘻交換、御苦労様でした。早期胃○の手術後(内視鏡的)なので、定期的な検査が必要なのです。しばらくは、御理解と御協力の程お願いします。在宅ペグ交換なら、1分もかかりませんからね。早く、本来の姿にもどればいいですね。

哲学の道の桜(2013年 岡野均先生 撮影)

撮影者:岡野均先生