飛田洋さん

なにくそ!俺はここにいる196

京都府 飛田洋さん(76歳)

飛田洋さんは、平成10年11月に脳梗塞を発症しました。

完全四肢麻痺、構音障害、嚥下障害を認め、入院中に胃ろう造設術、気管切開術が施行されました。平成12年6月に在宅へ移行され、かすかに動くようになった指先でパソコンを操り、創作活動を続けています。

毎日書きためたものは、月刊誌としてまとめられ、製本されています。

■ ハンサ・無責任者の川柳風一途な《二行詞》


①・世話されて 令和云えぬが いつの日も
            感謝している すまなく思う

②・性格が 不一致なれど 良く来れた
            プラス思考と マイナス思考

③・四季知らず 感じぬ部屋で 明け暮れて
            何もないまま 月日ながるる

④・後でする すると忘れる 人がいる
            老いも若きも 間違い招く

⑤・KAOちゃんと 呼んでる妹 古希過ぎる
            おさなき頃の 思いで浮かぶ

⑥・いらぬ事 仕事増やし 気がつかぬ
            マッチポンプが 昔もいたな

⑦・見たままを 口にするのは いかがかな
            事実知るなら くちびる寒し

⑧・俺よりも 背丈ある人 どうしてる
            銭は使える 背中はいたい

⑨・我が父母を 思い出させる 子供等よ
            血は争えぬ つくづく思う

⑩・爪立てる 下手な洗髪 アンタやな
            目は瞑れども 記憶はしてる

⑪・五輪をば あおるメデァが 増えている
            武士は食わねど 五輪の切符

⑫・汗かかぬ 金は死に金 飛んで出る
            戦後育ちにゃ 耳にタコだな

⑬・この次も 短い風呂じゃ パスどすえ
            余裕はなくて 御免こうむる

≪虐待ババア≫

≪だれだっけ≫


『一』
よれよれジジイと 気安いが
だったらお前は  虐待ババア
 吸引頼むは    俺だけど
 限度過ぎたら   虐めだぞ
  なんて苦情は   冗談だ
  常に感謝で    ありがとう

『二』
よれよれジジイと 厳しいが
ズバリお前は   虐待ババア
 電源忘れの    PCは
 思いがけない   虐めだよ
  なんて焦りを   見せるのも
  腐れ縁かな    芸のうち

『三』
よれよれジジイの 好敵手
だからお前は   虐待ババア
 排尿頼むは    俺だけど
 話し込んだら   虐めだぞ
  出るに出られぬ  籠の鳥
  なんて変らぬ   引き篭もり


『一』
不言実行    地獄耳
 金はないけど  夢はある
  家族呼び出す  ベルもある
不言実行    地獄耳
 金はないけど  夢はある
  家族呼び出す  ベルもある

『二』
沈思黙考    得意技
 口にせぬけど  記憶する
 時間山ほど   ヒマはある
沈思黙考    得意技
 口にせぬけど  記憶する
 時間山ほど   ヒマはある


『三』
不言即行    不退転
 強い味方の   妻もいて
  味を知らない  ペグがある
不言即行    不退転
 強い味方の   妻もいて
  味を知らない  ペグがある



≪アホかいな≫

≪関るなかれ≫


『一』
発言せんのに  出来んのに
文句言わはり  なんどすね
嘘もホンマも  あらへんわ
云えへん者が  云うかいな
何にも知らん  知らんのや
構わんといて  アホかいな

『二』
関りないのに  知らんのに
そない何度も  かなわんわ
おかど違いや  あらへんか
相手になるの  やめといて
ねてはる子供  むずかるわ
構わんといて  アホかいな

『三』
問題のうても  ええかげん
何もなんものうても  いじけるわ
どない目ン玉  してるんや
本まをアンタ  見てたんか
いけずに調子  こわしそう
構わんといて  アホかいな


『一』
関るなかれ   逆らうなかれ
 笑いを漏らすな 膨れるな
 拗ねた姿は  似合わない
明日明後日   明々後日
我慢頑張れ   辛抱だ
そこに出番が  きっとある

『二』
関るなかれ   逆らうなかれ
 口を結んだ   仕草なら
 暗くなるから  バツ印
媚びを売れとは 教えぬが
長いものには  巻かれろよ
そこに出番が  きっと来る

『三』
関るなかれ   逆らうなかれ
 誤解するなよ  慌てるな
 悪く取るなよ  早とちり
夢の続きを   追い求め
繋ぎ合わせて  みせるのさ
そこに出番が  待っている


主治医より一言

《虐待ババア》

小生も年齢は6才若いのですが、今では明らかに日々年上口調になってきており、外来の際の身嗜みチェックも子供に対するのと同じようになってきてます。ただし、外来診察をしていると必ず男性は妻に介護されるようになっているケースが多く、将来の為にも、現状に甘んじております(笑)。(岡野拝)