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なにくそ!俺はここにいる⑳
                         京都府 飛田洋さん(59歳)


PEGの交換日記

 半年ごとに、惰性でPEGの交換をしてもらっているが、今では大切な体の一部で、PEGは私の命の源である。 さて、そのPEGの交換の時期だが、天井に張っている半年の私の作品表に併記している作業表を見ないと忘れてしまう。

 私は浅学非才だが、風邪等は自然治癒力で退治してきたし、存在の感じられない五臓六腑は健康であると信じてきた。 だから意識してないPEGの交換だけど、寝たきり五年ともなると素直にお願いしている。

 いつも強がりを言ってるように、家族やヘルパーさんにとられているが、実際に交換は瞬時の痛みで、声をあげたり顔にでるほどでもない。だから毎回平然としている。 それより、先日介護用ベッドが突然90度の直角になる事故になってベッドに押し込まれ、筋肉痛とやらになってしまった。 風呂も断り着替えも断りベッドは固定されたままで、その痛さと不自由さはPEGの交換とは比較にならなかった。

 痛がりは天下一品で、40を越えてからの献血は二度しかしてないぐらいだった。 肩の痛みに神経は通っていたらしく、変な安心をしていた。幸い、PEGの交換の日をあらため、稀有駅検査をお願いしてた日が数日後来たので、 主治医の先生にお願いしてみると<不思議と肩の痛みがやわらいだ。

 さて採血だが、血管が細く、採血する腕にも麻痺が残り、喉に挿入されているカニューレのむせ込みがやたらとあったが、くろうされながら無事、採血は終わった。 おかげさまで注射は痛いというトラウマ、これまでの潜在意識は消えた。

 前回「PEGの構造が理解できない」と書いたら、次の往診の日、カラー図解の詳しいリーフレットを見せ、わざわざ説明戴いた。リーフレットを家族は持っていて知らなかったのは私だけ?で、おぼろげながら理解できた。 更には数ヶ月して模型で詳しく説明され、聞いていた息子は当然、私までが医学生になった気分だった。次回の取替えは、テレビを消して自分の腹を見てみたい。

 PEGも然り、案ずるよりうむがやすし。下手な考え、休むに似たり言う。馬には乗ってみよ、違ったかな?

ねぎらい等は知らないね
どう思う
ご苦労さんと     言わないね
お疲れさんと     聞かないね
ねぎらい等は     知らないね
  自分は偉いと    うぬぼれて
  他人を下部と      見下げてる
   
お蔭さまとは      言わないね
お互いさまと      聞かないね
感謝の姿勢が     ないのだろ
   虎の衣借りて     いるだけで 

   張り子の虎と     変わらない 

   
お願いすると     言わないね
頼みますとも     聞かないね
謙虚な言葉は    知らないね
   鏡を見たなら     気づくけど
   事実知るのは     逃げている

* 下部=しもべ
法治国家の     成立ちは
  法を守って     始まるが
    悪しき風習     どう思う
放置国家に     成下がり
  放置自転車    花ざかり
   
道路の幅は     変わらぬが
  運用次第で    金を生み
    悪しき転用     どう思う
夜間は路禁     切符切り
  朝から夜は     金を取る    
    
自分の庭は     手入して
  公共施設は   吹き荒ぶ
    悪しき習慣     どう思う
人目意識を     する反面
  人目盗んで     好き勝手

転がる石
 

流れる水は    氷らぬし
転がる石は    苔むさぬ
  魚は泳いで   溺れぬし 
  鳥は怠けず   空を飛び
    人は選んだ   道を行く
   
働く時計に     錆は来ず
転がる石は     丸くなる
  感謝次第で     不服なく
  遠慮一つで     不足出ず
    俺が俺がが     身の破滅
   
人は我慢で     辛さ知り
転がる石の     角消える
   一人で御輿     担げぬし
   二本揃って     箸だから
     三人寄れば     何とやら

* 転がる=ころがる
主治医より一言(転がる石)

 昔は、大学で「岡野火山」と言われ若い先生に恐れられていましたが、
年齢とともに 角がとれて丸くなってきたようです??