飛田洋さん

なにくそ!俺はここにいる207

京都府 飛田洋さん(77歳)

飛田洋さんは、平成10年11月に脳梗塞を発症しました。

完全四肢麻痺、構音障害、嚥下障害を認め、入院中に胃ろう造設術、気管切開術が施行されました。平成12年6月に在宅へ移行され、かすかに動くようになった指先でパソコンを操り、創作活動を続けています。

毎日書きためたものは、月刊誌としてまとめられ、製本されています。

岡野先生へFAX送信のご挨拶 2020年5月1日(金曜日)

 

 前略、新型コロナウイルスの院内感染と変わらなく家族感染の
多さが報道されております。色々な患者家庭の往診御苦労様で
す。
これから暑くなりそうなので岡野先生も大変ですね。
お気をつけて下さい。

 

 調べてみると去年は風呂の後、汗疹対策に背中に冷風ドライ
ヤーを五月十四日から、かけて貰っていて朝の冷え対策のデロン
ギ撤退は六月一日でした。今年はどうなるのでしょうね。

 

 私の暮しは変わりなく、ウイルス騒動で、何年かぶりに風を部屋
に入れました。太陽にもご無沙汰でした。
大きな窓を、タペストリーで暗くさせたのは、私の発案で、省エネ対
策でしたが、この夏の課題が出来ました。でもウイルスのお蔭で誰
もやれなかった、温暖化防止の数値目標が実現できるのではと、
なーんてプラス思考に考えながらも私なりに予防してます。
若しかかれば意識不明のまま安楽死を希望します、お願いしま
す。

 

住めば都の寝たきり爺から今月分のペグ通信原稿です。
いつもの通りに五月分の原稿五枚送信致しました。どうそ宜しくお
願いします。
 温室暮らしの極楽とんぼも、寒暖を他人の会話から季節の変
化を聞き取り感じております。
 そこで《私より 世情知らずの 多いこと》なーんてね
                   飛田 洋

■ハンサ・無責任者の独断と偏見 《二行詞》


①・備蓄して 部屋が倉庫に はや変わり
             品薄まねく 馬鹿の買いだめ

②・布マスク 無いよりましと 受け取るか
             吐く息減らし 吸う菌減らす

③・ニュース見ず アプリ依存の 人がいる
             怖れを知らずで 知らぬが仏

④・批判せず おられぬ人も いるけれど
             俺は気にせぬ そうは思わぬ

⑤・ウイルスと テロ対策と 底知れぬ
             五輪パラでの 貧乏ジャパン

⑥・スリッパを 持ち込む人も いるけれど
             そこまでやるか 用心するか

⑦・手洗いと うがいも出来ず 声も出ず
             嗅覚ないが だけど生きてる

⑧・風吹かぬ こんな部屋でも 住み慣れりゃ
             こころ安らぐ 俺の居場所だ

⑨・未使用の 廃校あとに ベッド置き
             仮設隔離で その場をしのぐ

⑩・自己チューな サーファー達の マイペース
             家に居てねも どこ吹く風か

⑪・手みじかに 告げたいための 命令形
             上から目線 俺にゃ似合わぬ

⑫・いつの世も 現場知らずの もの知らず
             口を出さずに 金だけ出せよ

⑬・マスクして 髭剃り後の かゆみ消え
             怪我の功名 ひとりよろこぶ

≪新型コロナ≫

≪屁をこいた≫


『一』
ウイルス騒ぎ  迷惑で
開店休業    しています
 創業以来    百年の
 老舗と言えば  老舗でも
  自然の猛威   逆らえず
  只々忍従    しています

『二』
先行き不安   不透明
自粛営業    しています
 現場を知らず  もの知らず
 船頭多く    山登る
  童話のアリと  キリギリス
  只々困惑    しています

『三』
発生源は    うやむやで
閉店休業    しています
 耐性持たぬ   旅行者が
 けもの食した  所為だとか
  フェイク情報  人災と
  只々盲従    しています


『一』
屁をこいた   屁をこいた
坊さんが    屁をこいた
背後にて    臭かった
大変に     臭かった
 知らぬ振り   してるのに
 おかしさが   込み上げる

『二』
屁をこいた   屁をこいた
坊さんが    屁をこいた
三回忌     読経中
さりげなく   なにげなく
 おかしさを   堪えたら
 堪えれば    おかしなる

『三』
屁をこいた   屁をこいた
坊さんが    屁をこいた
般若湯     だけだろか
なまぐさも   多いから
 考えて     いたならば
 お説教     やり出した



≪困った親父≫

≪でっかい声≫


『一』
寝っぱなしの  困った親父
困った爺は   この俺だ
 朝は起き抜け  習慣で
 余念ないのが  パソコンだ
 後は一切    マイペース
 世間無視して  引き篭り

『二』
寝っぱなしの  困った親父
困った爺は   世捨て人
 食事ペグして  乍して
 少し余裕を   作り出す
 何があろうが  マイペース
 家族無視する  寄生虫

『三』
寝っぱなしの  困った親父
困った爺で   赤ら顔
  夜も咽込み  倒れ込み
  人を起こして 一騒ぎ
  不安抱えて  マイペース
  世間無視して 暇つぶし


『一』
雨の降る音も  きこえまい
虫の啼く音も  きこえまい
耳が聞こえぬ  訳じゃないし
中央市場じゃ  あるまいし
どっこい声は  とどいてる
でっかい声は  うるさいぞ

『二』
川のせせらぎ  きこえまい
人の来たのが  きこえまい
耳が聞こえぬ  訳じゃないし
火災現場じゃ  あるまいし
どっこい声は  とどいてる
でっかい声は  さわがしい

『三』
風のささやき  きこえまい
針の落ちたの  きこえまい
耳が聞こえぬ  訳じゃないし
工事現場じゃ  あるまいし
どっこい声は  とどいてる
でっかい声は  邪魔になる


主治医より一言

ハンサ・無責任者の独断と偏見

“いつの世も現場知らずのものしらず 口を出さずに金だけ出せよ”にまったく同感です。すでにコロナ対策費用(マスク、グローブ、フェイスシールド、防護服、アルコール等の消耗品)として〇百万円支出していますが、年内までの分としては十分ではありません。通常のサージカルマスクも品不足で値段も高騰しており、平時の10倍以上になってきています。現在までに医師会を通じてサージカルマスクの提供が150枚ありましたがスタッフ5人が毎日使用すれば1カ月で無くなる数です。実際は1枚を4~5日使用しているのが現状です(感染病棟以外のスタッフも同様と聞いています)。情けない話ですが地域医療が崩壊しないように個々が努力していくしかないと思っています。(岡野拝)