HOME >患者・家族 体験記 >なにくそ!俺はここにいる52

なにくそ!俺はここにいる52
                         京都府 飛田洋さん(63歳)


お蔭様です
(『お江戸日本橋』の替え歌もどき)

堂々の絶叫
(『絶唱』の替え歌もどき)

『一』

声と動きは     なくしたけれど

俺は何とか     暮らしているよ

お蔭様です     みんなの世話で

これで七年     知らぬ間だった

『二』

金や色気は     むなしいものよ

興味薄れた     手を引っ込めた

お蔭様です     気ままに過ごす

こんな贅沢     ゆとりを知った

『三』

笑い上戸は     変わらぬけれど

胸の奥では     泣く日もあるさ

ある日突然     不義理で消えて

申し訳ない     予期せぬ日々を

『四』

運だ運命と     あきらめたけど

奇跡祈って     もしやで更ける

夢や希望と     聞くのであれば

みなの幸せ     それだけなのさ

 

『一』

くそったれ      ばかったれ

甘ちゃんを      ふりかえる

胸に描いた     理想は崩れ

何故死ねぬ     生きてける

『二』

うそっぱち      やけっぱち

これまでと      これからが

苦労我慢も     徒労で終え

泣き明かす     口惜しさよ

『三』

ほれっぽく     あきっぽい

甘ちゃんに     あきれたぜ

自業自得と     後悔しても

つらすぎる     おそすぎる

 

『四』

しめっぽく   愚痴っぽい

らしくない   ひとりごと

望み破れて   嘆きのなか

落ちぶれた   寝たきりに

 

ありがとう
(『お下げと花と地蔵さんと』の替え歌もどき)

つらいのさ
(『別れの一本杉』の替え歌もどき)

『一』

運が悪いで      終われるか

僕が倒れて      いなければ

君が疲れる      ことはない

ありがとう

いつも色々       ありがとう

七年変わらぬ     寝たきりに

 

『ニ』

礼の言葉は      言えぬけど

胸の奥での      つぶやきに

涙ぐんでる       泣いている

ありがとう

君の優しさ       ありがとう

七年変わらぬ     寝たきりに

『三』

もしも昔に       かえれたら

無責任者で      居れたなら

俺が留守番      引き受ける

ありがとう

二十四時間      ありがとう

七年変わらぬ     寝たきりに

 

『一』

つらいつらい

一人待つのは     つらいのさ

夜明け前から     待っていた

むせて倒れて     そのままで

メダカの様子

ながめ我慢を     してたんだ

『二』

つらいつらい

音が出ぬのは     つらいのさ

声はいのちと     かえたから

工夫したけど     駄目だった

時計のハリを

じっと睨んで     いてたんだ

『三』

つらいつらい

これも試練で     つらいのさ

遠いものおと     聞きながら

元気ならばと     悔やんでた

過去の苦労も

みんな忘れて     おれたんだ

アンタの夢
(『男の純情』の替え歌もどき)

まじめ一途
(『玄海ブルース』の替え歌もどき)

『一』

夢を持つのさ     いつだって

夢がアンタを     でかくする

今日が平和で     無事ならば

明日に向って     踏み出せる

『ニ』

夢を見るのさ     いつまでも

夢がアンタを     向かわせる

早いばかりは     あわてんぼ

終り聞かぬと     しくじるぞ

『三』

夢にえがけば     張りも出る

夢がアンタの     明日を呼ぶ

一人ぽっちで     なに出来る

人は一人じゃ     生きられぬ

 

『四』

夢ははかない     アブクでも

夢がアンタに     たえさせる

何をしたって     自由だけど

言った言葉は     やりとおせ

『一』

蜜に集まりゃ     毒花だって

欲がなければ     被害と無縁

色気出すのは     男のはじで

まじめ一途は     良いものさ

『ニ』

裏の取り引き     儲けは粗い

金は出来ても     信用つかぬ

あぶく銭なら     翼が出るぞ

まじめ一途で     手に入れろ

『三』

君が持ちたい     憧れとやら

汗にまみれた     貧乏似合う

雨が降ろうが     嵐になろが

まじめ一途で     それでいい

『四』

惚れる恋する     愛を育てる

何を照れるか     自然な事さ

浮気するのは     きまぐれ心

まじめ一途で     目もくれぬ


主治医より一言
 アメリカ留学していた小生も、きっと単位不足のまま大学に入り、社会人になってしまったような気がします。そういえば、テレビのクイズ番組の日本史、世界史の不正解が多いのはきっとその為だと思います。でも、社会生活には、まったく支障がないようですが…。

 

>患者・家族の体験記