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なにくそ!俺はここにいる56


京都府 飛田洋さん(63歳)

理屈抜きだ
(『千曲川』の替え歌もどき)

同じに非ず
(『大阪とんび』の替え歌もどき)

『一』

惚れた弱みで のぼせたよ

軟派する気は なかったが

声をかけたね 藪から棒に

理屈抜きだよ 心は燃えた


『二』

二度も三度も ことわられ

恥のついでに 待ち伏せた

何処に根気が 私にあった

理屈抜きだよ 青春賭けた


『三』

見合れんあい あるけれど

何だかんだの 馴れ合いか

五年デートで 阿吽の呼吸

理屈抜きだよ 心が読める


『四』

若いむかしの すなおさに

過去の遺物の しおらしさ

化粧ぎらいに 香水ぎらい

理屈抜きだよ 夫婦の会話


『一』

正義と大義は 似て違う

理屈と理論は 似て違う

小言と文句は 似て違う

料理と茶漬け ちと違う

お前と俺とは そら違う


『二』

親父と息子は 似て違う

乗馬と競馬は 似て違う

迷子と家出は 似て違う

麦酒と日本酒 ちと違う

世間と俺とは ほら違う


『三』

女房と空気は 似て違う

軽油と石油は 似て違う

映画と芝居は 似て違う

箪笥と長持ち ちと違う

兄貴と俺とは こら違う


不義理野郎
(『花街の母』の替え歌もどき)

幸せだった
(『人生峠』の替え歌もどき)

『一』

他人の不幸の 噂に乗るが

金に成らねば 見向きせぬ

ケチで始末屋 世間に多い

不義理野郎の ろくでなし

へんな流れの しまり屋が

間口せばめる 変えている


『ニ』

古いしきたり 慣習などは

知らぬ存ぜぬ かかわらぬ

寄付と奉加は 隣りが先と

不義理野郎は あとまわし

冬のこころを とかすには

土筆ぐらいで 手が負えぬ


『三』

ハイは一度で 何度も不用

なにか用かと 馬鹿は聞く

口はあんぐり 愚問の極み

不義理野郎に こたえなし

儲けもの字に 飛びつくが

種のたの字は まく気なし


『一』

夢に見た娘を 手に入れて

親の指示など 受けながら

船に乗り込み 二人で進み

俺はとっても

俺はとっても 幸せだった


『二』

人に負けない しがらみと

荷物この背に 負いながら

いつも手助け あったから

俺はとっても

俺はとっても 幸せだった


『三』

今の暮らしに なったけど

少し不自由は あるけれど

君のやさしさ 受け止めて

俺はとっても

俺はとっても 幸せなのさ


『四』

運というのは かなわない

欲はようやく 消えそうで

何もないから ゆとりある

俺はとっても

俺はとっても 幸せなのさ



主治医より一言
 
『同じに非ず』

 「経鼻栄養と胃ろう栄養は 似て違う」はいかがでしょうか?


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