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なにくそ!俺はここにいる80

京都府 飛田洋さん(65歳)

私という人

湯加減如何


『一』
目覚めたら 起きている私の朝
ある意味で しあわせな私の今
いいのやら わるいやら私の運
ペグによる 知らぬ間の私の餌
いてたはず いるはずの私の甥

『二』
むせかえり 跳ねまくる私の足
よだれくり ぶさいくな私の顔
落ちそうで こびりつく私の錆
ぬれぎぬも 呼んでいた私の痰
あせとエコ ひまつぶす私の夏

『三』
朽ち落ちて 見かけない私の旗
目をつむり さまよえる私の夢
十八番でも 過去となる私の役
起こりかけ 断ち消えた私の乱
さりげなく なにげない私の技


『一』
湯加減如何と  オペレータ
かわす会話も  ひさしぶり
 世間のうごき  聞かされて
 存ぜぬ知らぬ  ことばかり
『二』
介護の風呂の  ヘルパーが
嫁でいたなら  あったなら
 やさしい言葉  おもいやり
 かなわぬ夢に  目を閉じる

『三』
若さが売りの  ヘルパーは
学ぶこころが  あれば良い
 今はベテラン  ナースさえ
 何度かドジを  踏んで来た
『四』
訪ねる風呂の  世話になり
髭は剃ったし  リンスした
 寿命は延びて  気も延びて
 温い日ならば  エコの日と


かたみわけ

時代違って


『一』
教訓演歌で   書き出して
千の目安が   一万越える
息子の製本   迷惑ついで
月で纏めた   結果の冊子
生きた証の   かたみわけ

『二』
替歌演歌に   のめり込み
字足字数に   拘るながれ
早朝女房は   急いで準備
家族総出の   苦労の冊子
余念覚えぬ   かたみわけ

『三』
人生半ばで   くずれたが
今は無念も   お蔭で薄い
娘の補助で   刺激を貰い
笑い上戸も   ネタにして
生きた証の   かたみわけ


『一』
質素始末で  いるでなし
礼儀作法は  まるでだめ
平成生れと  言うけれど
へんな処は  巣立ってる
時代違って
時代違って  良かったな

『二』
論語倫理は  はつもので
目上目下は  何じゃソレ
平成育ちと  言うものの
へんな処は  ナマを言う
時代違って
時代違って  良かったな

『三』
立志大志は  もとよりも
理想希望の  絵もかけぬ
平成暮しの  ぬるま湯が
へんな処で  ぬかるみに
時代違って
時代違って  良いのかな


ハミ肉メタボ気にするな

寝たきり人生ベッドから


『一』
ハミ肉メタボ  気にするな
僕はぜんぜん  気にならぬ
雪がながれて  来るように
それは下へと  降りて来る
自然の摂理と  言うもので
長く生きてる  あかしだよ

『二』
ハミ肉メタボ  見てるだけ
僕はなにげに  ながめてる
いらぬ苦労を  背負わせて
無理と悲鳴が  するようだ
昔のくびれを  知るだけに
注意しとくれ  つまみ食い

『三』
ハミ肉メタボ  見なれてる
僕はいつもの  家具になる
見ない話さぬ  やくそくが
二人のきずな  なのかもね
刺激の乏しい  チラ身だが
とても楽しい  ゲームだよ


『一』
急にたおれて  色々あって
寝たきり人生
寝たきり人生  ベッドから
 テロで世間は  さわいでる
 サーズで巷は  おびえてる
 寝たきり人生  知らぬが仏

『二』
心のフイルム  数々あって
寝たきり人生
寝たきり人生  ベッドから
 事故と事件は  知るだけで
 カード被害は  聞くだけで
 寝たきり人生  幸いかもね

『三』
頭のひらめき  様々あって
寝たきり人生
寝たきり人生  ベッドから
  デモで世間は  いきり立ち
  エイズの噂が  押し寄せる
  寝たきり人生  幸せかもね

主治医より一言

<<寝たきり人生ベッドから>>

 寝たきり人生ベッドからと云われますが、飛田さんの世間に対する鋭い洞察力は麻生さんにも見習ってもらいたいと思うのは、小生だけでしょうか。