胃ろう体験記｜なにくそ！俺はここにいる84(2)

なにくそ！俺はここにいる84

京都府　飛田洋さん(66歳）

ペグちゃん

やれる幸せ

『一』
人が呼ぶのは　　　ペグだけど
僕は呼び捨て　　　出来ないね
　食事の希望も　　　受け付けず
　贅沢言わせず　　ながし込む
『二』
病院いらいの　　　ペグだけど
何処に苦痛が　　　あるものか
　随分立つけど　　　なるけれど
　栄養バランス　　　苦にならぬ

『三』
今も見舞いは　　　来るけれど
ペグの使用に　　　気がつかぬ
　朝昼パソコン　　　しながらの
　昔と変わらぬ　　　マイペース
『四』
年に二度する　　　取り替えで
いつも別れが　　　待っている
　肥満に床擦れ　　　下痢知らず
　毎日ほんとに　　　ありがとう

『一』
広い世界を　　見たならば
何と平和な　　ことだろう
　学ぶ権利を　　なくしたり
　遊ぶ自由を　　とられたり
地球の不幸　　追い出すと
やれる幸せ　　抱きしめろ

『二』
何を与えた　　寄附したと
鼻をお高く　　するなかれ
　消えた年金　　さわぎやら
　同時不況に　　立ち向かえ
財布の紐を　　くくらせず
やれる幸せ　　かみしめろ

『三』
街の募金を　　避けないで
他で始末は　　出来るはず
　格差社会を　　うらやまず
　差別思想は　　さげすんで
家族の愛和　　かわきりに
やれる幸せ　　足るを知れ

色んな角度

喜怒哀楽人

『一』
不平ばっかし　　言うけれど
相手の立場に　　なるのだね
　貴方は都合を　　聞いたかい
　貴方は事情を　　知ったかい
色んな角度で
色んな角度で　　見るのだね

『二』
不満ばっかし　　言うけれど
相手の想いも　　知るのだね
　貴女の理想を　　ぶち込まず
　貴方の希望を　　持ち込まず
色んな角度で
色んな角度で　　見るのだね

『三』
文句ばっかし　　言うけれど
相手の都合も　　読むのだね
　お前の意見に　　ひかれても
　お前の自論に　　なびいても
色んな角度で
色んな角度で　　見るのだね

『一』
笑う後から　　　泣けて来る
感情移入の　　　はげしさで
　変人みたく　　　見えるけど
　後遺症だと　　　聞いている
　俺が気楽な　　　喜怒哀楽人
　　
『二』
怒る尻から　　　なげいては
気分の転換　　　はやすぎて
　症状だよと　　　言われるが
　場面移って　　　変わってる
　俺が今では　　　喜怒哀楽人

『三』
楽を楽しみ　　　よろこびを
探求続ける　　　明け暮れに
　同情などに　　　目もくれず
　古い事には　　　こだわらぬ
　俺は何しろ　　　喜怒哀楽人

何処吹く風

オバ半の歌

『一』
酒の席には　　　出たけれど
酒の店には　　　立ち寄らず
　媚びる女の　　　ささやきは
　無駄で心に　　　ひびかずで
　　俺の耳には
　　俺の耳には　　何処吹く風

『二』
悪い事には　　　手を染めず
悪い運にも　　　へこたれぬ
　それが男と　　　つぶやいて
　前に向って　　　いるけれど
　　俺の調子は
　　俺の調子は　　　何処吹く風

『三』
夢は破れて　　　しまったが
夢を忘れて　　　いるものか
　今の二人は　　　おたがいに
　老いて姿は　　　変わったが
　　俺も想いは
　　俺も想いは　　　何処吹く風

『一』
男子トイレに　　飛び込んで
鍵をかけずに　　ドア閉める
　飴で解け合い　　知り合って
　今日で仲良し　　おともだち
オバ半オバ半
オバ半オバ半　　オバ半の歌

『二』
化粧ど派手で　　あついけど
ムラで変化を　　ついている
　声がでかくて　　聞く気ない
　井戸端会議は　　かしましい
オバ半オバ半
オバ半オバ半　　オバ半の歌

『三』
英語からきし　　あやふやで
バとパ間違え　　つかってる
　葉書読んだら　　誤字当て字
　合わぬ眼鏡の　　せいにする
オバ半オバ半
オバ半オバ半　　オバ半の歌

主治医より一言

<<ペグちゃん>>

　昨年は、胃ろう交換手技料が保険点数として認められた為、その解釈に問題があったので病院でのＰＥＧ交換になり申し訳ありませんでした。その後は、いつも通り自宅での交換をさせてもらってますし、現在確実な交換後の確認方法を検討中ですのでもう少し待ってくださいね。

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