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なにくそ!俺はここにいる93

京都府 飛田洋さん(66歳)

負けないぞ

無謀な行為


『一』
俺は負けない
俺は負けない  負けないぞ
この悲しみに  負けないぞ
 見果てぬ夢は  消えたけど
 得がたい道は  つづいてる
  生きてる限り  やりとおす

『二』
こんな不安に
こんな不安に  負けないぞ
この苦しみに  負けないぞ
 振込み詐欺に  ひったくり
 出合わぬ夜の  やすらぎを
  生きてる限り  噛みしめる

『三』
一人ぽっちに
一人ぽっちに  負けないぞ
この寂しさに  負けないぞ
 痛みに耐える  こともなく
 過ごせる今の  しあわせを
  生きてる限り  たのしもう


『一』
明日の希望と  今後の不安
 秤にするのは  無謀な行為
暗く落ち込む  生活よりは
 明るく陽気な  暢気さ誇れ
俺のペースで  過ごすのだ

『二』
棄てた未練の  思い出辿り
 涙を呼ぶとは  無謀な行為
待てど戻らぬ  憧れよりも
 楽しく愉快に  気楽さ示せ
俺のペースで  やり抜こう

『三』
過去の余裕と  僅かな今を
 比較するのは  愚かな行為
不満ばかりの  毎日よりも
 仲よく地道に  工夫と努力
俺のペースを  邪魔するな


僕無責任者

文句言うな


『一』
無責任者と   言いながら
エース番号   つけてたが
今は悲しい   寝たきりさ
 想像出来ぬ   ありさまに
 夢と希望は   あきらめた

『二』
無責任者で   名を売って
専務社長と   呼ばれたが
仕事途中で   ほうり出す
 後悔しても   追いつかず
 欲と野望と   おさらばさ

『三』
無責任者の   きやすさで
浮名流した   この世とも
別れ未練な   ごくつぶし
 地蔵の様に   さりげなく
 恋と色気に   さようなら


『一』
文句言うなよ  いつまでも
疲れてるのは  わかってる
 朝っぱらから  聞かされて
 我慢するしか  ないのかい
  元はわたしに  あるのかい
  文句言うなよ

『二』
文句言うなよ  いろいろと
老後見てると  かわいそう
 嘘っぱちでも  へこむより
 何かすること  ないのかい
  元はわたしに  あるのかい
  文句言うなよ

『三』
文句言うなよ  愚痴るなよ
隠居出来ずに  かわいそう
 糞ったれよと  へこむけど
 役は聞くしか  ないのかい
  それでお役に  たったかい
  文句言うなよ


下手な屁理屈良子ちゃん

昔ァこうでもなかったが


『一』
ご免なさいは  好感持つが
後にぶつくさ  ついて来る
 あれはあの時  こうだから
 知らず忘れて  こうだよと
下手な屁理屈
下手な屁理屈  良子ちゃん

『二』
ご免なさいは  口先ばかり
次ぎの話題に  変えて来る
 あこで余計に  手を出さず
 いれば忘れず  すんだろと
下手な屁理屈
下手な屁理屈  良子ちゃん

『三』
ご免なさいは  その時限り
今や十八番に  聞き飽きた
 何だかんだの  こじつけは
 ヘマの上塗り  目立つだけ
下手な屁理屈
下手な屁理屈  良子ちゃん


『一』
触わらぬ神と  住んでると
言わぬが花に  なりますね
 俺はオレがを  打ち消すと
 いらぬ騒ぎは  起きません
昔ァこうでも  なかったが
少しは大人に  なりました

『二』
泣く子のお守  するように
嫌でも媚びが  出てますね
 手かせ足かせ  されながら
 人のするのを  みつめます
昔ァこうでも  なかったが
我慢が普通に  なりました

『三』
わたしは貝に  なりたいの
気持になって  おりますね
 愚痴と文句が  言えぬのが
 人の気づかぬ  しあわせと
昔ァこうでも  なかったが
感じる暮しに  なりました

主治医より一言

<<負けないぞ>>

人は、人と云う漢字が表しているように、常に誰かに支えられて生きているのだと思います。一人ぼっちではありません。負けないでください!

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(写真をクリックで拡大します) 撮影者:岡野均先生