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なにくそ!俺はここにいる94

京都府 飛田洋さん(67歳)

都の数え歌

披瀝の前に


『一』
一つ 昼間の  ぼんぼりは
人に 隠れて  ついてはる

二つ 二人の  ふじのもり
藤や 紫陽花  ふさわしい

三つ 土産に  みつくろう
皆に 見事な  みすやばり

四つ 夜通し  寄り添うて
夜業 夜更し  良いのかな

『二』
五つ 意地悪  いけずする
嫌な 家どす  いぬばしり

六つ 無形の  むなしさを
胸に 結んで  無理をする

七つ 何やら  泣きとおす
訛り 懐かし  なんでやろ

八つ 八坂は  ややこしい
弥栄 藪へび  やめなはれ


『一』
やる事やらず  ぐだぐだと
不平ばかりは  おかしいぞ
 比較出来れば  言えるけど
 声が出せれば  愚痴れるが
腹が減ったら  まず食おう
喉がかわけば  まず飲もう

『二』
する事せずの  ぶつぶつは
よくなる気配  見当たらぬ
 水をやらねば  芽はでない
 坂がなければ  のぼれない
痛みがあれば  クリニック
疲れ取るには  マッサージ

『三』
なす事なさず  ぼやいても
望み満たせぬ  気が晴れぬ
 たまごが先か  にわとりか
 世間ルールが  あるかぎり
前から読んで  意味取れる
花は咲くから  枯れて行く


普通の常識

可愛い悪魔


『一』
古い流行りで  悪いけど
あたり前田の  事よりも
人がおもわぬ  事をやれ
 機転きかせろ  気配りだ
 目配り手配り  忘れるな
  普通でいては  遅れ取る

『二』
大事なことは  誰にでも
文句こごとと  痰の切れ
早く終われば  安堵する
 わかる道でも  確かめて
 石橋たたいた  策で行け
  普通にしては  頼りない

『三』
平和ボケして  甘えたり
油断してると  裏かかれ
寝首かかれる  今の世だ
 とおり相場の  仕事なら
 誰も気にせぬ  声かけぬ
  普通でいては  遅れ取る


『一』
自分のドジは  置いといて
わたしに我慢  押し付ける
 貴女は貴女は  可愛い悪魔
虐めなんだよ  寝たきりを
一人ぽっちに  するなんて
 辛いよ辛いよ  ひどすぎる

『二』
暫らく待てと  あとまわし
あげくに忘れ  何処か行く
 貴女は貴女は  可愛い悪魔
毎度なんだよ  寝たきりに
ボケの気遣い  させるなよ
 大事で大事で  好きだから

『三』
想いはめぐり  さみしくて
不安がよぎる  ものなのさ
 貴女は貴女は  可愛い悪魔
変化なんだよ  寝たきりが
求めつづけて  いるものは
 同時に同時に  やすらぎさ


悠々自適じゃないけれど

婆あになってあの娘だよ


『一』
随分寝たきり  やってるが
 俺はある意味  なまけもの
不便と不幸な  この日々を
女房や子供の  世話になる
 悠々自適じゃ  ないけれど
 元気に気楽に  暮らしてる

『二』
隠居したよに  明け暮れる
 俺はあるいは  なまけもの
働きすぎてた  過去からは
仕事の未練が  こみあがる
 悠々自適じゃ  ないけれど
 元気に明るく  やっている

『三』
十年かれこれ  変わらない
 俺はある意味  かほうもの
明日の希望に  無理をせず
今日を確かめ  足るを知る
 悠々自適じゃ  ないけれど
 贅沢言わぬし  愚痴もない


『一』
あの娘の事が  好きだから
何していても  気にかかる
 婆あになって  あの娘だよ
 爺にゃ今でも  変わらない
ベッドの上に  いるけれど
役に立てずに  口惜しいよ

『二』
あの娘の事は  あの娘だよ
人は知らない  呼び名だよ
 婆あになって  あの娘だよ
 爺にゃ今でも  変わらない
パソコン上は  にぎやかに
いつも相手を  してくれる

『三』
あの娘と出遭  ふり返りや
奇跡言うのか  ハプニング
 婆あになった  あの娘とは
 爺になっても  変わらない
苦難を越えた  パートナー
切れぬ糸だと  過ごしてる

主治医より一言

<<普通の常識>>

在宅での胃瘻交換後の胃内留置の確認に、耳鼻科の耳管鏡が応用できないかと思ったのが平成20年10月。それから試行錯誤でなんとか試作品が完成したのが半年後で、何度も飛田さんにも協力してもらい感謝しています。やっと実用的な完成品となり、今回の内視鏡学会で発表、紹介出来ることとなりました。

最近では、在宅での胃瘻交換後もすぐに胃内粘膜の確認が画像的に確認、記録ができるので、ストレスフリーとなりました。今後、広くこの方法が在宅の現場に普及すればと思っています。