≪寝たきりの高齢者の口腔ケア≫ 
  口臭や口腔細菌を減少させるためには もうひとつ見落とせない舌があります。
  写真6のように、舌苔(ぜったい)が貼りついて不潔に なっている場合は、口臭治療のみならず 誤嚥性肺炎の予防のためにも、やはり、舌の細菌を取り除く必要があります。

  しか し、舌の表面は、写真7からもわかるように寝たきりの方の口腔粘膜は萎縮していたり 乾燥気味であり、硬い舌クリーナーを使用すると舌から出血することがあります。
  そこで、弾力があり効果的に舌苔を除去できる舌クリーナーの必要があると感じました。


写真6 びっしりと舌苔に覆われた舌 
 写真7 下の表面の複雑な壁の顕微鏡写真

≪高齢者の口臭予防のポイント≫
  歯周病や虫歯のコントロールに加えて、舌のクリーニング、入れ歯に付着した歯垢の除去も大切です。
  唾液の分泌量も、若い頃に比べて少なくなりがちなので、洗口剤(マウスリンス)の使用をおすすめします。

  市販のリンスでお口をクチュクチュして、からいと感じるものには、消毒効果を高めるためアルコール濃度が20パーセント以上になるものもあります。
  お酒でいえばなんとワインより強いということになるので注意が必要です。
  このような、洗口剤(リンス)をひんぱんにご使用された方のなかには、お口が乾いて脱水症状がみられることもありますので、口臭予防にはかえって不利になることもあるようです。

歯周病
歯周病の歯茎からにじみでてきた白血球や赤血球などの血液成分
歯趣病の歯垢(スピロヘータ)がみられる
正常な歯と健全な歯茎
歯垢中のカビと思われる線状微生物(取り残されて時間がたった歯垢の中で増加してくる)。新しい歯垢中では球状の細菌が多い。球菌がみられ線状菌はみられない。

  命にダイレクトに関係しないためなかなか、お口のケアーまで手が回りにくいのですが、要介護者のクォリティオブライフを高めるため、ぜひ、お口への関心を持っていただきたいと思います。

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