<手順>
 まずは緊張を解く為のリラクゼーションを行い、体位をセミフアーラ位や側臥位にする。衣服が濡れないようにエプロンやタオルをかける。

1 口腔内の観察
 1) 歯茎、歯、口蓋、口唇、口角を観察し食物残さなどをチェックする。
  2) 口の開閉、頬、舌、喉仏などの動きをチェックする。
  3) 義歯があればそれをはずす。

2 ブラッシングの実施
<注意>


いずれの操作も患者の反応や疲労度を十分観察しながら無理をしないよう慎重に行う。ケアの最中患者の体位が崩れてきたら中止する。



1)歯ブラシを選ぶ
2)開口の保持(私はなるべくバイトブロックなどを使用しないように努めているが必要に応じてガーゼをぐるぐる巻きにしてバイトブロック代わりにする場合もある。)
3)唾液をこまめに吸引する
4)薬液や水(私は強酸性水を使用)を用い、吸引装置で吸引しながら口腔洗浄
5)コンクールなど(グルコン酸クロルヘキシジン含有)をつけながら1本ずつ歯と歯茎の境目の歯垢の残りやすい部分を中心に、力を入れずに正確にブラッシングする。
6)口蓋、頬粘膜、口腔前庭は粘膜用ブラシやスポンジを使用し、舌は舌クリーナーを使用して清掃する。この時、抗菌剤配合リンスや強酸性水などで口腔内をやや湿らせながら行うことが重要。
7)うがいができればうがいを、出来ない場合は吸引しながら口腔洗浄する。側臥位の場合は顎があがらないように下げながら保持、片麻痺の場合は麻痺側上奥歯から吸引しなが らシリンジなどでぬるま湯を注意深く流す。
口角をやや下方に引っ張った状態にするとほとんど飲み込めないので、誤嚥の危険を 減少させることができる。
8)口腔内の残った水分は、軽くガーゼなどでぬぐう。


取れた舌苔
介護者による舌の清掃
口腔ケアにおける介護者による舌苔の清掃

3 口腔ケア後のチェック
  1) 患者の疲労、チアノーゼやむせはないかを確認する。
 2) 終了後すぐに横臥位にしないで、しばらくそのままリラックスした姿勢を保つ。