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カテーテルの汚れ

多くはチューブ内側に栄養剤がこびりついたり、かびたりして変色し、悪臭を放つような状態です。

長期使用により汚れたバルン・チューブ型カテーテル
原因
●チューブの内側に栄養剤がこびりつき腐敗する
●チューブの内側にカビが繁殖する
チューブの内側の汚れをとるPDNブラシ

対処法

チューブは一度汚れてしまうと、なかなかきれいになりません。栄養剤は水に溶けにくい脂質も含まれているため、新しいときから清潔な管理に努めましょう。

本人やご家庭で出来る処置

●栄養剤投与後に、20~30mLのぬるま湯を注射器でフラッシュ(勢いよく注入して押し流すこと)し、栄養剤やお薬の成分が残らないようにします。温度が高すぎると、熱によって残ったものが固まってしまうこともあるので気をつけましょう。

お酢などの使用が有効という報告もあります。

●さらにチューブ洗浄用のブラシを使うと、詰まりの予防にもなります。

医師や看護師が行う処置

●汚れがひどくて落ちない場合や臭う場合には、新しいものと交換します。



カテーテルの詰まり

発赤は胃ろうの周囲の皮膚が赤くただれる状態で、びらんは発赤のより悪化した状態です。


原因

●接続チューブや栄養チューブの詰まり

●内部ストッパーの詰まり

●バンパー埋没症候群

対処法

本人やご家庭で出来る処置

●接続チューブや栄養チューブをはずし、指でチューブを根本からしごいたり20~30mLのぬるま湯を注射器でフラッシュします。チューブ型はカテーテル本体のチューブを取り外して洗うことが出来ないので、丁寧にフラッシュしましょう。

●フラッシュして詰まっているものを押し出したら、更にぬるま湯を流したり専用のブラシで洗浄してチューブの内側をきれいにしてから、もう一度注入してみましょう。

●ボタン型カテーテルであれば、逆流防止弁(製品によって位置が異なります)を押し下げて付着物を取り除いてからもう一度注入してみましょう。減圧用チューブが必要な製品もあります。

医師や看護師が行う処置

●それでも流れないときにはカテーテルを新しいものに交換します。



カテーテルの事故抜去

胃内に留置されたカテーテルが、外的な力または自然の脱落によって体外に抜けてしまうことです。

カテーテルの事故抜去


原因

●患者さん本人が引き抜く(自己抜去)

●体外に出ているチューブが絡まる、引っ掛けるなどによって抜ける

●バルーン型の場合、バルーンの破裂、固定水の漏れなどによりバルーンがしぼみ、抜けてしまう

対処法

本人やご家庭で出来る処置
●かかりつけの医師や担当の訪問看護師に連絡しましょう。
●かかりつけの医師や担当の訪問看護師に連絡しましょう。 ●事前に指導されていれば、抜けたカテーテルや代用チューブなどを挿入して、ろう孔が閉じないように応急処置をすることができる場合もあります。しかし、ろう孔の向きとは異なる方向に無理に挿入すると、ろう孔を壊して誤って腹腔ふくくうに挿入されてしまうこともあるので、注意が必要です。
医師や看護師が行う処置
●再挿入あるいは新しいカテーテルを入れなおします。





バンパー埋没症候群

胃壁内に内部ストッパー(バンパー)が埋まってしまった状態です。

バンパー埋没症候群

症状

●栄養剤が落ちていかない

●カテーテルが浮いてきて押し込めない

●カテーテルが回らない

●ろう孔の周りから栄養剤が漏れる

原因

●胃と腹壁の固定が強すぎる(外部ストッパーの過度なしめつけ、太って皮下脂肪が厚くなる、ろう孔周囲炎による腫れなど)

●カテーテルの位置が固定されている

●過度な力でカテーテルを乱暴に扱い続ける 以上のような原因で内部ストッパーが胃壁を圧迫し胃壁に潰瘍を生じ、内部ストッパー自体がくいこんで胃粘膜内に埋没した状態になります。

対処法

本人やご家庭で出来る処置

●すぐにかかりつけ医や担当の訪問看護師に連絡しましょう。

医師や看護師が行う処置

●同じろう孔から入れ直したり、新たに造りなおしたりします。

バンパー埋没症候群の予防対策