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なにくそ!俺はここにいる 103

京都府 飛田洋さん(67歳)

人だあ~れ

介護の風呂


『一』
不細工不細工  言うけれど
貴女のセンス  うたがうね
 たしかに今は  よだれくり
それを選んだ  人だあ~れ
身から出た錆  なのですよ

『二』
着た切り雀は  趣味でない
我慢をしてる  だけですよ
 会いたい人も  おらぬから
それに甘える  人だあ~れ
寝巻売り場は  だめですよ

『三』
介護も工夫と  アイデアで
楽にも成るし  苦にもなる
 手本はズバリ  基礎の基だ
それを信じる  人だあ~れ
個性それぞれ  差があるよ


『一』
何度も支持の  もどかしさ
 同じトリオで  来ぬからだ
好みと苦手を  知り尽くし
 仕事できれば  おたがいに
楽が出来そな
 楽が出来そな  ものだけど

『二』
何度も言わす  ヘマをする
 同じコンビで  ないからだ
担当その日で  替わるから
 覚え切れない  無理もない
楽になりそな
 楽になりそな  ものだけど

『三』
何度もミスを  くりかえす
 違う知らない  メンバーは
患者わたしは  変わりなく
 風呂に安らぎ  ゆとりなく
楽にすまそよ
 楽にすまそよ  おたがいに


すまないね

待ちぼうけ


『一』
ゆっくり昼寝  出来ないね
風邪等ひいて  られないね
 呼出しベルが  派手に呼ぶ
  時間おかずに  たえず鳴る
他人事みたい  言ってるが
君にすまない  すまないね

『二』
しっかり外へ  出られぬね
デパ地下散歩  くらいかな
 介護のことは  気にせずに
  退治しといで  ストレスも
何かと不自由  かけていて
君にすまない  すまないね

『三』
ゆっくり眠る  間がなくて
みじかい夢に  うなされる
 疲れの取れぬ  明け暮れに
  麻痺の手足は  手も出せぬ
惨めに日々は  過ぎて行き
君にすまない  すまないね


『一』
待ちぼうけ
ほぼ毎日の   待ちぼうけ
 いまや私は   なれている
別に慌てる   こともない
合間仕事が   お似合いさ
『二』
待ちぼうけ
さも当然と   待ちぼうけ
 どうせ私は   ごくつぶし
山と時間は   持っていて
急ぐ事ない   寝っぱなし
『三』
待ちぼうけ
だが悪戯な   待ちぼうけ
 だけど私は   かたつむり
声を忘れた   カナリアと
今は自分を   なぐさめる
『四』
待ちぼうけ
ただ辛抱の   待ちぼうけ
 なあに私は   負けていぬ
夢は今だに   燃えている
見えぬ心で   燃えさかる

★ 悪戯~いたずら


人手不足にゃペグが良い

早く来ることまずないね


『一』
人手不足にゃ  ペグが良い
忘れっぽいと  ペグが良い
 思い出したら  来れば良く
 少し抜けても  死にはせぬ
少し抜けたら  ダイエット
こんな調子で  やれるのさ

『二』
人手不足にゃ  ペグが良い
ながら族には  ペグが良い
 流し出したら  おまかせで
 一寸メールと  洒落ますか
一寸メールで  デートして
それの具合で  ケセラセラ

『三』
人手不足にゃ  ペグが良い
料理音痴にゃ  ペグが良い
 いつも同じで  変わりなく
 レシピ無用の  すぐれもの
レシピ無用で  ありますが
ゴミの仕分は  たのみます


『一』
遊びにしても
早く来ること  まずないね
 どんな用意を  してるやら
 なんで時間が  かかるやら
待つ身は辛い  ものなのに
 遅く来るのが  お決まりさ

『二』
仕事にしても
早く来ること  まずないね
 どんな都合が  出来たやら
 なんで化粧に  かかるやら
先手をまずは  取らないね
 始業ぎりぎり  駆け込むよ

『三』
予約をしても
早く行くこと  まずないね
 どんな育ちを  してたやら
 なんで平気で  居れるやら
努力する気  はじめから
 持たぬ気性は  不思議だね

主治医より一言

<<人手不足にゃペグが良い>>

小生がペグを始めた頃(1984年)は、多くの患者さんの経腸栄養は、経鼻胃管でした。

栄養剤注入前に毎回チューブの先端が胃内にあるのを確認する必要があったり、患者さんによるチューブの自己抜去(鼻にチューブが入っているので苦痛を伴う)が多かったり、チューブの長期留置による吸引性肺炎、食道・鼻腔等の潰瘍が発生したりと管理が大変だったのを覚えています。

その点、ペグは、正しい管理知識があれば長期管理も楽勝ですね。